昨日は、地球市民かながわプラザ(アースプラザ)で「吉備の古代史-古墳時代から国家形成へ-」という講演(講師:横浜市歴史博物館館長 鈴木靖民氏)を聴いた。6回連続の講座の4回目。
吉備の古代史という枠組みでの話は始めての経験で、特にその方面の書物も読んだ記憶はない。もう一度日本書記でも読み直そうかと考えた。しかし伽耶地域とのつながりが強いという指摘は興味深かった。
6世紀前半以降、吉備の反乱伝承以降、地域支配者として衰退したのではなく、王権の交易・外交担当の海部集団の統率者として活躍したとのこと。
下位の上位に対する平等化現象→犠牲的血縁関係→クランの形成・拡大→社会統合を背景に系譜の統合→地域神と皇祖神信仰の重層化→大和王権への包摂→始祖神の一元化→皇統の一元化→朝廷の葬送儀礼・即位儀礼での役割、という一連の流れの説明があった。魅力的な整理だが、なかなかうまく私の言葉でのみこめない。もう少し、キチンと整理したものが読みたいものである。
詳しい講義要録は配布されたが、要点をまとめるだけの能力はないので、省略。
おなじアースプラザで「仮面の文化 カリノオモテ 祈る・舞う・結ぶ仮面展」並びに「石川直樹写真展「異人 the stranger」というのが同じ会場の同じ一角で開催されていた。無料。
前者ではパプアニューギニアやインドネシア、ブルガリア、ガボン、ペルー、ドミニカなどの仮面劇などの紹介がなされ、後者では沖縄・琉球列島から日本海側を北上して秋田のナマハゲまでの仮面祭祀を写真で紹介していた。
展示を見ただけでは、文化人類学的、民俗学的な素養がない私にはただの展示にしか見えないで、各地域の祭祀や仮面劇の解釈や謂れや評価など皆目わからなかったというのが正直なところである。解説もほとんど無くて、これは素人にはとても不親切な展示に思えた。12月7日の講演会も既に予定が入っていて参加できない。残念。