3月9日、長野県と群馬県の県境に聳える、四阿山(あずまやさん、2354m、日本百名山)に行ってきました。
■プロローグ
昨年1月に、同じく長野・群馬の県境の山、湯ノ丸山(ゆのまるやま、2101m)に登り北アルプスの絶景を見た際、さらに近くの四阿山なら、もっと素晴らしい景色が見られるはずと思いました。
深田久弥氏は、著書日本百名山の中で次のように書いています。
「山の形があずまや(四方の柱だけで、壁がなく、四方葺きおろし屋根の小屋。庭園などの休憩所とする)の屋根に似ているところから、その名が由来したと言われる。たしかにそんな風にみえる。信越線の上田に近づくと、神川(四阿山から流れ出る川)の谷の奥に、遥かにこの山の望まれる所がある。頂上がやや左に傾いだ屋根型をして、その右端に乳首のような丘が盛り上がっている。いい形である。昔の人はただどんな山でも名山とは呼ばなかった。眺めて美しい、品格のある山でなければならなかった。」
その期待は裏切られませんでした。
■アプローチ
前日のうちに四阿山の麓の上田市に移動し、ホテルに泊まりました。
5時の予定が3時に目覚め、それでもホテル出発は予定通りの6時、登山口には7時前に着きました。
7時5分に登山開始。ワカン(和製のかんじき)を持つかどうか悩んだ末、持っていくことにしました。これが大正解。
一方、アイゼン(鉄製の滑り止め)は持参したものの使用せずに済みました。備えあれば憂いなしです。
初めの30分はカラマツの林を歩きます。
そこを抜けると、青空と雪原が目に飛び込んできます。
菅平から四阿高原にかけての牧場の風景です。
牧場歩きは退屈で、けっこう長いですが、徐々に山が近づいてきます。
牧場が終わると、今度はダケカンバの林に入ります。
そして、高度を上げていくと、ダケカンバからシラビソの森に。そして木々の間から北アルプスが見えてきます。
反対側には浅間山です。
ここまでがアプローチです。
■絶景北アルプス
シラビソの森を通り、高度を上げていくと、岩礁地帯が現れます。そして目指す四阿山が目の前にどーん。
望遠レンズでは人の動きまで見えますが、まだまだ遠いです。
そしてさらに高度を上げて森を抜けると・・
穂高連峰が鮮やかに見えます。左から前穂高岳、奥穂高岳、常念岳、大キレット(くぼみ)、そして槍ヶ岳、大天井岳。
ズームアップして見ます。
目を右に移すと、立山周辺の山々が見えます。左から蓮華岳、針ノ木岳、龍王岳、そして立山。
立山をズームアップします。雄山、大汝山、富士ノ折立がはっきり分かります。立山の右は爺ヶ岳です。
こちらは蓮華岳のアップです。
立山の右には、剱岳が見えます。この山はどこから見ても分かります。
左奥が剱岳、右は鹿島槍ヶ岳です。いつかは登りたい山です。
さらに右には後立山連峰の山々が続きます。ひときわ目立つのは五竜岳です。
そして唐松岳へと続きます。
その右は白馬岳。
さらに右へ進むと、頸城山塊の山々も見えています。左から高妻山、雨飾山、黒姫山(手前台形上)、焼山、火打山、妙高山が見えます。
ズームアップします。正面が高妻山。その左が戸隠山。右に顔を出しているのが雨飾山。
さらに、高妻山をズームアップします。この山は戸隠方面から見るときれいなピラミッド型ですが、こちらからは三角テントの形に見えます。
続いて南東の方も見てみましょう。浅間山、前掛山、蛇骨岳、黒斑山です。
山頂にある上州祠と信州祠は、二つとも雪に埋もれていました。写真はたまたま山頂で一緒になった山ガールさんにモデルになってもらいました。
頂上は風が冷たく、写真を撮って早々に下山しました。
短い飛行機雲が青空に映えます。上空はとても寒く、それでいて乾いているようでした。
(ずっとここにいたい)と思えた一日でした。