shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

関西紀行(その① 京都府立植物園)

2019-03-29 23:32:24 | 山行・旅行
郷里の作家、深田久弥氏は著書「山頂の憩い」の中で次のように書いています。
「旅行のついでに山へ登って来ようという考えは、まず成功のためしがない。それがどんな種類の旅行であれ、山へ登りたかったら、それを主とし、用件を従とせねばならない。(中略)」

3月27日から29日まで、関西へ行ってきました。
旅行の目的は義父の見舞いでしたが、先の久弥氏の文章で山を植物園に置き換えると、それが主で見舞いが従であったことは、義父には申し訳ないですが、間違いないでしょう。

出かけた植物園は、京都府立植物園、咲くやこの花館(大阪の植物園)の2つです。
途中立ち寄った、大阪市の中之島公園、靭(うつぼ)公園と、咲くやこの花館周辺の鶴見緑地を含めて、4回に分けてご覧いただこうと思います。

先ずは京都府立植物園です。
京都府立植物園の設立、公開までの沿革は、Wikipediaによると以下の通りとなっています(一部、略)。

現在の植物園の敷地は、明治時代までは上賀茂神社の境外末社である半木神社とその鎮守の森(半木の森)を中心とした田園地帯であった。
大正天皇の即位を祝い企画した「大礼記念京都大博覧会」の開催用地として、1913年に京都府によりこの地が購入された。しかし、博覧会は開催されず、植物園が代案として計画されることとなり、1915年に「大典記念植物園」の設置が決定された。
1917年に建設工事が始まったが、この際、敷地内の半木の森は、古代の山城盆地の植生を残す貴重な自然林としてそのままの形で活用するよう設計がなされ、半木神社も移転することなく園内に存置された。1923年11月に開園し、翌年1月から有料公開が始まった。


面積24ヘクタールの敷地に約12000種類、約12万本の植物が植えられているこの植物園を半日で観て回るのは無理でした。
最初に印象を一言でいうと、「お花の百科事典の中を歩いたよう。満足感と疲労感が入り混じった半日」になりました。

ほぼ時系列順に観て回った植物を、大雑把にまとめてみました(大幅に割愛しています)。

地下鉄の北山駅を出てすぐの北山門から入園しました。入園料は(大人)200円と公共施設らしいお値段です。年間パスポートは(大人)1000円、また70歳以上は無料となっています。


先ずは、園内をぐるっと一周してみようと思い、反時計回りで桜品種見本園の小径を歩き出しました。満開のユキヤナギ、レンギョウそして咲きだしたサクラを見ながら歩いていきます。
桜品種見本園を抜けるとつばき園です。遅咲きのツバキのお花がきれいでした(写真をたくさん撮りましたが、割愛します)。
さらにしばらく歩くと、広い道に出ました。アセビが満開です。

こちらは狭義のアセビ(馬酔木、ツツジ科アセビ属)です。


一方、こちらは奄美大島固有の、アマミアセビ(奄美馬酔木、ツツジ科アセビ属)です。葉の形やお花の大きさが違うように見えます。


スイセン(水仙、ヒガンバナ科スイセン属)もまだたくさん咲いていました。


こちらは、ウエキという名の園芸品種。我が家に咲き出した7番目のスイセンによく似ていますので写真を載せます。


四季彩の丘、盆栽・鉢物展示場は斜め見で通過し、桜林へ出ます。
サクラは、ソメイヨシノはまだ開花していませんでしたが、早咲きのサクラがきれいでした。


こちらは、一番人気のサクラ。この日は結婚式の前撮りで10組ほどが来ていました。桜の下では撮影の順番待ちができるほど。外国人観光客にも人気の木でした。
従って、木の根元は絶えず人がいて、撮ることができませんでした。


枝垂れ桜も人気でした。こちらは何とか人通りが少ない時に撮影できました。


枝垂れ桜ではヒヨドリが3羽来て、お花を食べていました。


サクラの根元に咲くオオイヌノフグリ、ホトケノザもきれいでした。


続いて、温室には立ち寄らず、正門へ行ってみました。正門前の花壇には原色のポピーが風に揺られていました。


園内を半周したところで、朝から何も食べていなかったので、売店に寄って栄養補給。15分ほど休憩しました。
売店を出て右に進むと、ナバナ(菜花、アブラナ科アブラナ属)がきれいでした。


続いて、ばら園の横を通ります。遠景は霞んでいますが比叡山です。学生時代に自転車で登った思い出があります。


園の東側の植物展示場では、色とりどりのガーデンフラワーが咲いていました。




竹笹園を抜けると、外回りの園内一周がようやく終わり、北山門が見えるところに戻ってきました。これからは、植物園の内側に入っていきます。
先ずは、ワイルドガーデン。そして球根ガーデンへと続きます。
最初にムスカリ(ヒアシンス科ムスカリ属)がたくさん咲いていました。


続いてスノーフレーク(ヒガンバナ科スノーフレーク属)。こちらはアップで撮ってみましたが、写真を見るとクモの糸が着いていました。


こちらはイワヤツデ(ユキノシタ科イワヤツデ属)です。


さらにラナンキュラス(キンポウゲ科ラナンキュラス属)です。黄色いお花は盛りを過ぎていました。


球根ガーデンを抜けると、生態植物園に出ます。
タチツボスミレ、カタクリ、ニリンソウ、ヒトリシズカ・・里山で見かける馴染みのお花たちが、次々と現れました。
タチツボスミレ(立坪菫、スミレ科スミレ属)です。群生していました。


ニリンソウ(二輪草、キンポウゲ科イチリンソウ属)です。小さな群落を作っていました。


ヒトリシズカ(一人静、センリョウ科 チャラン属)です。こちらも小さな群生でした。


ラショウモンカズラ(羅生門葛、シソ科ラショウモンカズラ属)です。群生していました。


小さなお花を三脚を使わずにきれいに撮るのは難しいです。
それに、カタクリやミズバショウを見ていると、こんな環境で咲いているお花たちが、何だかかわいそうな気がして、撮影を止めました。

この後、植物園の中に祀られている半木神社(なからぎじんじゃ)をお参りしました。
半木神社は、賀茂別雷神社(上賀茂神社)の境外末社で、祭神は天太玉命(あめのふとだまのみこと)です。
また、神社周辺の森は「半木(なからぎ)の森」と呼ばれています。






半木の森には植物園ができる前からある木々がたくさんあります。
シキミ(樒、マツブサ科シキミ属)もそんな木々の一つです。ちょうど白いお花を咲かせていました。


また、半木の森を囲む池に注ぐ小川には水車が設けられていて、側にはシデコブシ(幣辛夷、四手拳、モクレン科モクレン属)が咲いていました。




池にはカモが休んでいて、カメラを向けると首を上げて一つ欠伸をしました。


私も疲れてきたので、そろそろ帰ることにしました。
北山門へ向かう途中、ヤマブキ、ハクモクレンが咲いていました。




明日は、大阪の中之島、靭公園の写真をご覧いただこうと思います。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

リンク⇒ 関西紀行(その② 大阪市内、靭公園)











コメント (4)
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