(グラミン銀行のムハマド・ユヌス前総裁を囲んで記念撮影。武田薬品の長谷川閑史社長、富士通の山本正巳社長、パソナグループの南部靖之代表も参加されました。)
マイクロクレジットという金融手法があります。担保なし、契約書もなしで小額のローンを低金利で貸し出すものです。バングラデシュのグラミン銀行が1983年から始めました。
今、バングラデシュの80%の貧困家庭がすでにマイクロクレジットを利用しています。
物乞いに限定したプログラムもあります。物乞いで家を回る時に、スナック菓子や家庭用品などを持ち歩くためのローンです。金利はゼロ。8万5千人の利用者がいて、平均のローン残高は12米ドルとなっています。
先進国の常識では考えられませんが、このようなローンを武器に、バングラデシュでは貧困と戦っているのです。
さらに、グラミン銀行は毎年3万件の奨学金を与えています。貧困から抜け出すには、何より教育です。そうして、貧困家庭から医師や技術者、大学教授が生まれています。
また、グラミンフォンという携帯電話会社も運営しています。このマイクロクレジットを使って、30万人のテレフォンレディーが誕生。携帯電話の契約者は1000万人を越えています。今は、ノルウエーの電話会社が62%の株を、バングラデシュのグラミンテレコムが38%の株をもっていますが、今後、この会社の株式の半分以上を貧しい女性たちに渡すことを目標にしています。
この仕組みを作った人がムハマド・ユヌスさんです。2006年にはノーベル平和賞を受賞されています。
国際NGO出身の同僚議員阪口直人代議士のお誘いで参加しました。
そしたら、何と、主催者の九州大学、岡田昌治教授とバッタリ再会。岡田さんとは彼がNTTの社員時代からの古い付き合いです。彼は、グラミングループと共同事業を展開していたのです。
世間は狭いですね。
ユヌス前総裁は、現政権のシェイク・ハシナ首相との政争によって、グラミン銀行は引退されたようですが、引き続きグラミングループをひきいています。
今回は、マイクロクレジットのようなソーシャル・ビジネスによって、東日本大震災からの復興の手伝いができないかという問題意識で、来日されたとのこと。
短い時間でしたが、ユヌス前総裁の謦咳(けいがい)に接することができたことは、私にとって、忘れれらない出来事でした。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。