福井市議会議員、「鈴木しょうじゅ」のふんとう日記

福井市議「鈴木しょうじゅ」です
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7197円が意味するものとは

2010-05-14 00:20:07 | Weblog
●5月13日(木)
 日記を書いている今は、日付が変わって14日になっています。今日は激しく怒りが沸き起こり、その怒りをブログにぶつけます。


 写真は先月、サラ金などの多重債務の相談に乗った男性から見せてもらった「取引履歴」の一部。取引履歴とは金融業者と何月何日に、どれくらいお金を借りたのか、どれくらいお金を返したのかという履歴です。
 サラ金など多重債務の方の相談に乗る時はこの取引履歴を見せていただいています。弁護士を頼った方がよいのか、それとも他の方法をとらねばならないのかの判断をせねばならないからです。取引履歴を見ながら、借金の「借りた額と」「返した額」をそれぞれ計算していきます。

 なぜ、一部をブログに乗せたのかというと怒りで涙が出たからです。

 この男性は親から継いだ会社をつぶしたくないの一心でサラ金業者からお金を借り続けました。ある日は従業員のお給料のため、またある日は取引業者への支払いのため、その期間は20年以上にもなります。その会社も今はつぶれ、多重債務者となり私のところへ相談に来ました…。
 
 写真をよく見ると毎月24000円ずつ返済すると同時に「120000円」を借入した日に「7197円」を返済しています。この日だけでなく、この男性はお金を借りるたび、今回のような小銭も混ざった返済を何度もくり返していました…。

 なぜ、毎月しっかり返済しながら、小銭も混ざった返済額が混ざっているのか…。
 しかもお金を借りるたびに…。

 察しの良い人や、多重債務の問題に深くかかわってきた方は気づく方もいるでしょう。

 お金を借りに行くたびに、財布の中にあったお金を丸ごと返済にあてていたのです。

 親から受け継いだ会社をつぶすわけにはいかない。
 そのためにはお金を工面せねばならない。
 だからサラ金からでもお金を借りなければ。
 でも少しでもお金を返さねば…

 そんな想いから、財布にあったお金をそのまま返済にあてていたのです。

 数年前、数万円を借りた日、その日に返した額は、たった3円でした。
 その日を境に、毎月の決まった額の返済額がみるみる減っていくのです…。

 まともに返済できないほど苦しくなった。

 計算のために数字を打ち込むたび、この男性の生活がどんどん苦しくなっていく状況が伝わってくる。

 計算し終えると、過払い(借金を払いすぎている)となっている額がゆうに100万円を超えていました…。

 父親から託された会社をつぶせないという思いが彼を借金地獄へと引きずり込んだ。
 「ほんの少しでも多く返さなければ」と懸命に努力しても返せなかった。
 高すぎる利息の中で、いつまでも出口の見えない借金地獄の中で「もう返せない」と返済をあきらめたのは3年前だった。

 「そうじゃない。とうに返し終わっていたはずだった」
 怒りとやるせなさが湧き上がってきた。

 「生活の苦しさ」や「商売の苦しさ」からやむにやまれずサラ金からお金を借りる人がいる。そんな弱みに付け込んでとても返せなくなる高い利息でお金を貸して儲ける業者がいる。
 過払い請求をすればたしかに払いすぎた借金は取り返せるかもしれない。しかし、この方の失ったものはそんなものだけではない。

 こんな時には必ず、震えが起きるほどこみ上げてくる怒りで涙が出た。


 「少しずつでもいいから変えたいのです。こんな社会を」

メーデーと憲法集会

2010-05-04 11:04:40 | Weblog
 さて、ゴールデンウィークに入り今日(4日)は娘のあかりといっしょにお留守番。
 久しぶりの日記の更新はまた振り返りの日記です。
●5月1日(土)
 メーデーに参加。

 みなさんメーデーが労働者の祭日と言われる起源を知っていますか?
 メーデーは1886年のアメリカで8時間労働制を掲げて労働者が集会をしたのが始まりです。今は一日の労働時間の基本となる「8時間」はこのような働く人たちのたたかいのなかで勝ちとってきたものなのです。この時代、8時間を超えて働かせることは常態化しており残業代を払うなんてことはありえませんでした。酷いところでは寝る時間もほとんど与えられず過労死することは当たり前でした。人間らしい働き方を守るルールは、膨大な犠牲と、その理不尽とたたかう活動によって一つ一つ勝ち取られてきたものなのです。
 人類の歴史を振り返れば、選挙権も、個人の自由や言論を守るルールも、ひとつひとつそのような社会の理不尽とたたかうことによって勝ち取られてきたものです。安穏と手に入れた権利は一つもありません。
 現代はどうか。格差と貧困、派遣労働をはじめとする使い捨て労働、削られ続けて貧弱な医療や介護…
 私たちのたたかいは終わることはありません。この社会の矛盾や理不尽が存在し続ける限り、理不尽をたたかいによってのりこえる。私たちの歴史はまだまだ続きます。
 …っと、そんな感慨にふけながらではなかったですけど、みんなと一緒に楽しくデモ行進しました^^☆

●5月3日(月)
 3日は憲法集会。アメリカの貧困と戦争を見つめ続けている堤未果さんの講演だった。アメリカの貧困と戦争の密接な関係を通して、日本の貧困や憲法を考えさせられる講演だった。

 アメリカ兵の多くが低所得者であり、教育費や仕事のあっせんを目的に軍に入る。
 国の政策として医療、介護、教育、くらしといった社会保障の分野を削りとられているため、生活が追いつめられる低所得者。そこに軍のリクルーター(軍の勧誘員)がやってくるというシステムになっている。まず、軍は法律により高校生の氏名、年齢、住所、本人の電話番号、その親の職業や犯罪歴までを調べることができる。貧困から抜け出せそうにない学生を狙い撃ちにして「あなたの夢は何?」とささやきながら教育費や仕事のあっせんをちらつかせて軍に勧誘する。
 国として低所得者を作り出し、その低所得者を軍が釣り上げる
 なんとおぞましい社会構造だろうか…。

 この日本も「軍事費を拡大」し「社会保障費を削り続ける」という政策を捨ててはいない。
 僕たちのたたかいはまだまだはじまったばかりのよです。