福井市議会議員、「鈴木しょうじゅ」のふんとう日記

福井市議「鈴木しょうじゅ」です
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一般質問の内容

2010-03-19 23:21:11 | Weblog
 私、鈴木しょうじゅが3月議会で行った一般質問の内容をのせます。

 日本共産党議員団の鈴木正樹です。
◆持続可能な地域づくりと仕事おこしについて
 新自由主義と呼ばれる経済理論が世界を席巻し、この経済理論は日本政治の舞台でも構造改革と名前を変えて具体化されました。労働法制や金融、社会保障など国民生活のあらゆる分野で規制緩和と民営化が進められました。労働法制の規制緩和で、地域で不安定、低賃金の労働者が増加。また地域で雇用を守る中心を担ってきた中小企業は大企業による単価切り下げを迫られる一方、銀行から貸し渋りや貸しはがしを受ける。地域の金融機関までもが行過ぎた規制緩和によってマネーゲーム化した株式市場に投資の比重を移すなど地域で生まれたお金がうまく地域の中に流れ出して行かなくなった。このような経済政策がいかに脆く、危ういものであったかを明らかにしたのが一昨年秋のサブプライムローン問題によって引き起こされて今に続くこの世界的不況です。
 しかし、世界的な不況の中でもう一つ明らかになったのは先進国の中でも特に日本経済が非常に脆い構造を持っていたということです。OECD経済協力開発機構の経済見通しによれば、日本の2009年実質経済成長率はマイナス5・3%と、先進7カ国のうちでもっとも落ち込みが激しい。
 私達、日本共産党は日本政治の深刻な異常の一つとして、経済政策が大企業中心に偏りすぎており、働く労働者と中小企業を守るためのルールがヨーロッパ諸国にくらべて弱すぎることを指摘してきましたが、国政のレベルで労働者と中小企業者を守るためのルール作りが求められていることは明らかです。
 しかし同時に地方自治体レベルでも、地域の中で雇用をつくり購買力を高めるための取り組み、地域の中でモノやお金が循環する流れを作り出す取り組みを行うことが、強く求められています。この視点でいくつか質問と提案を行います。
 この点で特に急がれるのは中小企業振興政策の抜本的強化です。
 この間、何度か質問してきたように、東京都墨田区や大阪府八尾市、東大阪市など、市の職員が地域の企業を軒並み定期的に訪問し、どんな技術を持っているか、何に困っているかを調べデータベース化しています。この様につかんでいる企業情報をインターネットで配信したり、担当職員の働きかけで企業の間を取り持ちマッチングも行っています。重要なことは行政が「地域経済を振興し守る取り組みとして」地域の中小企業の実態をつかむ訪問行動を軒並み行なっているからこそ、何が求められているかを非常に深くつかんでいるということです。中小企業振興条例を制定し福井市の業者を軒並み訪問する調査を基礎にした取り組みを行なうべきと考えます。見解を求めます。
 金融機関を巻き込んだ中小企業支援も大切です。北海道帯広市では市が事務局を担い、商工会議所、経済同友会、学識経験者、金融機関のメンバー構成で中小企業振興のための会議を年8回行い、金融の面でも中小企業サポートを強めるための具体的に話し合う体制を持っています。福井市でもこのような体制作りをすすめるべきと考えますがどうでしょうか見解を求めます。
 地域の仕事づくりにおいて、地元の建築業者の仕事を確保する取り組も重要です。全国どこでも県外大手ハウスメーカーの建売住宅が住宅建築の大部分を占めており、福井でも地元の大工さんや工務店に仕事が回ってこないという事態が起きています。山形県庄内町では町内業者を使って新築、増改築、修繕を行った場合、建設費の5%、最大50万円を補助する制度を作りました。福井市でもこのような施策が必要と考えますがどうでしょうか見解を求めます。
 また、秋田県では県内に本店を持つ工務店や建築業者が増改築、修繕を行った場合に最大20万円の補助金を出すという制度をつくるなど、県内の中小零細業者の仕事づくりに貢献できる住宅リフォーム緊急支援事業を23年度から取り組むとのことです。このような施策を福井県でも取り組むことを県に求めることも重要と考えますがどうでしょうか見解を求めます。
 県産木材の活用を促進する取り組みは、地域内循環を作り出す上でも、森林を守り環境対策の上でも産業政策としても重要です。地域の工務店からは、欲しい県産材の木材が無いことが頻繁にあるとお聞きしています。また、森林組合の方からは、木を切り出しても木材を乾燥、保管しておくストックヤードという施設が不足しているため工務店のニーズに応えきれていないという悩みを聞かせていただきました。ストックヤードの整備に対して国は建設費の3分の一を補助するという制度がありますが、それでも施設の整備は進まない状況です。国の補助に上乗せした県や市の取り組みが必要と考えますがどうでしょうか見解を求めます。
 地域産業の核として、農産物とお金が地域の中で循環する流れを作る農業再生は外すことの出来ない要の課題です。政権が代わり、政府与党は減反政策に協力する稲作農家に対して戸別所得補償制度をはじめました。しかし、この制度は稲作農業を持続可能にする枠組みとなっているわけではありません。この制度の一番の欠点は米価の値下がりが続けば農家の所得が徐々に下がり続けていくことです。米価の動向は経年的に見ると値下がりしており、ゆくゆくは稲作農家が続けられなくなる状況に追い込まれてしまうことになるのではありませんか。農産物の価格保障と所得保障の両方を組み合わせた制度こそ必要と考えますが、福井市として戸別所得保障制度についてどのように評価しているのか、そして問題点をどうとらえているかについて答弁を求めます。
 さて、どうして農業再生に向けた抜本的対策を民主党与党が取れないのか、その理由が明らかになったのが、民主党マニュフェストにある日米FTA締結の問題です。日米FTAが締結されれば米価をはじめとする農産物の大幅な価格低下が起こり、稲作をはじめとした日本農業が壊滅的な打撃を受けることは避けられません。農業政策は国民の命綱である食糧問題の根幹をなす問題です。この分野で、アメリカをはじめとした諸外国からの農産物の輸入自由化の圧力を跳ね返し、日本農業を守り、育てるという確固たる立場に立ちきることができない。ここに、民主党農政の最大の弱点があります。これでは日本農業の再生はままなりません。9月議会で農林水産部長は「農業を守る立場から国において慎重な対応をしていただく必要がある」と輸入自由化拡大路線を容認できない立場を表明した上で「福井市だけでなく県や他の自治体とも連携してより大きな声を出していく必要がある」と答弁されていますが、地域からこのような姿勢で国に働きかけることは本当に重要なことです。そのために具体的な努力をどう取り組んでいるかの答弁を求めます。

[答弁と再質問の要旨]
 建設部長が、地域も建設業者に対しての何らかの施策を検討したいと答弁。

◆後期高齢者医療制度について
福井県後期高齢者医療制度広域連合において基金として積み上げられる金額が約20億7000万円にのぼる事が明らかになりました。多額の基金が生じた主な原因は、75歳以上の高齢者の必要な医療費を高く見積もったことだとお聞きしましたが、当初、全体の療養給付費、つまり医療費を全体ではいくらで見積もったのか、そして実際にかかる療養給付費との差額は一体いくらになるのか答弁を求めます。
 また、今回約8億8千万円を取り崩して保険料の引き上げを防いだわけですが、全国では引き上げを行なった都道府県もある中で据え置きは一定の評価が出来ます。しかし、医療費を高く見積もってしまったことが原因ということなら本来ならばもっと基金を取り崩して引き下げが行なえるのではなかったのですか、福井市として引き下げを求める意思があるかどうかの見解を求めます。
 もうひとつ保険証を取り上げ、資格証明書を発行することですが、広域連合は悪質なケースに限り7月から資格証明書を発行する、保険証を取り上げることを前提に対応するとしています。老人保険制度では高齢者から保険証を取り上げることは道義的に許されないとして取り上げてはきませんでした。後期高齢者医療制度に変わったからと言ってその道義的責任は変わりません。保険証の取り上げは行なうべきではないと考えますがどうでしょうか見解を求めます。

[答弁と再質問の要旨]
 75歳以上の高齢者にかかる医療費を2年間で約216億円、高く見積もってしまったことを認めたが保険料の引き下げについては不透明であり、もう少し医療費の推移を見守りたいとのこと。

◆乳幼児医療費無料化制度
 福井県はことし小学校3年生まで、乳幼児医療費の助成制度を拡充することを県議会に提案していますが、さらなる拡充が求められています。全国では小学校卒業までという自治体が増えて、中学校卒業までという自治体も増えています。小学校卒業までの医療費拡充が必要ではないでしょうか答弁を求めます。合わせて小学校卒業まで無料化を拡充した場合に必要となる年間予算の試算がいくらくらいになるのかについても答弁を求めます。
 この点でもう一つお願いしたいのは、入院医療費だけでも、小学校卒業、中学校卒業まで拡充するべきではないかということです。子どもの入院というのは父母にとっても精神的にも経済的にも非常に不安なことです。入院医療費だけでも拡充してはどうですか見解を求めます。
 また、入院医療費のみ無料化を拡充した場合、一学年当たりの必要額と、小学校卒業、中学校卒業まで引き上げた場合の試算がそれぞれいくらくらいになるのかについてもあわせてお答えください。

[答弁と再質問の要旨]
 入院医療費だけなら、1学年当たり400万円、小学校卒業まで1200万円でできる。3年ほど子どもの医療費助成制度の拡充の状況を見た上で考えたいとの答弁

◆国民健康保険事業と無保険者への対応について
 国民健康保険事業では、国保税が払えないため必要な医療を受けられない事態が広がっています。
 私が2月の中旬に生活相談にのったご夫婦は、旦那さんと奥さん両方が重度の身体障害者で、子どもが3人という方です。子どもさんのうち長男と次女は県外でアルバイトをしながら学費や生活費を稼ぐ苦学生。福井には高校生の息子さんを含めた3人が一緒に暮らしています。旦那さんは昨年9月、経営不振を理由に会社に一方的に解雇され、3人の生活の収入は夫婦お二人の障害者年金のみ。お二人とも定期的な病院の受診が必要であり、12月に保険年金課の窓口で国保加入の手続きに来ました。しかし、職員から「国保税を14万円以上支払わねばならない」と説明されて呆然としました。障害年金しか収入のないこの世帯では、とても支払えない額だったからです。窓口の職員に「とても支払えない」と相談すると「それでは困ります」と言われ、仕方なく「では、お金が出来たら、また来ます」と言って帰ったそうです。14万円を越す国保税を重度の身体障害者であるこのお父さんお母さんが一体どうやって支払えるのでしょうか?実態を見れば、負担能力を大きく超えて国保税が賦課されているとは思いませんか見解を求めます。
 あわせて、50代の障害者夫婦と高校生の息子さんの3人暮らしの場合、生活保護基準額は年額でいくらになりますか?
 そして、このような事態を回避するべく、医療費の一部負担金と国保税の減免制度を抜本的に強める必要があると考えますがどうでしょうか見解を求めます。
 この方のケースで言えばもう一つ重大な問題があります。
 無保険者が窓口に来た場合は必ず保険証をお渡するのが本来の対応であり、そのまま帰らせてしまうと言うのは法律違反ではありませんか。無保険者を生み出さないための相談対応を徹底すべきです見解と対策の答弁を求めます。

[再質問]
 生活保護を受けた場合は、年間の受給額は約250万円近くになり、この家庭は障害年金の年収は約180万円ですから最低生活費を70万円も下回っています。とても国保税や医療費を支払えるわけはないんです。もう少し、事例を詳しくお話したいと思います。この障害のある両親は昨年の9月までは毎週リハビリに通っていましたが、保険証がなくなってからというもの一度もリハビリに行けなくなりました。旦那さんは、脳梗塞で倒れてからというものずっと血圧が高く、毎月病院から高血圧のお薬をもらっていましたが、これももらえなくなりました。血圧が200を越えた時も、また倒れるかもしれないと言う不安の中で、ただ血圧が下がるのをじっと待つしかなかったのです。県外でアルバイトしながらがんばっている娘さんが、側湾症という背骨が変形する病気の症状が強くなってきて「早く保険証を送ってほしい」と頼まれても保険証を送ることができなかった。1月には県外の息子さんがアトピーと喘息で一度病院にかかっただけで2万円以上の医療費を請求されてびっくりして、泣く泣く分割で支払う約束を病院としたという話しを電話で聞いて、ただ泣きながら「ごめんね」と誤るしかなかった。病院に支払うお金も、市役所に支払う国保税もどうしても出せなくて、お金がなくて病院にかかれない。これが実態なのです。
 国保税と国保の窓口負担のの減免制度が必要だとは考えませんか?

[再々質問と答弁趣旨]
「国の社会保障削減路線がこれらの問題の根本原因だが、それを見ているだけではいけない。この深刻な状況に福井市として助ける手立てを打ったうえで、国に対して『これは本来はあなた方の仕事のはずだ!』と確固たる立場で国に意見するべき」と僕が質問したのに対して東村市長が「確かに国が悪いのはその通りだ」と国の責任に言及。しかし、市として具体的に打つ手立てには明言せず。

 今回の質問で印象的だったのは、私の質問の時にヤジを飛ばしていた保守系議員が、市長が国の批判している時もヤジを飛ばしたがひるまず批判を続ける市長答弁があったりと、ゼロ回答であった質問でも全否定の答弁がなかったことでした。
 格差や貧困の問題がこれほど深刻になる中で日本共産党の問題提起に対して「納得できる」という雰囲気が感じられた。

 雰囲気の次は、実現へ!

 やはりふんとう、ふんとうの日々。