少年の刑事手続についての日本での運用の実情、諸外国の制度と運用、少年法の制定の経緯と改正等について説明し論じた本。
刑事裁判官として少年審判に携わり、少年法改正の議論のため最高裁から派遣されて諸外国の制度の調査を行い、法制審議会委員として少年法改正に関与したという著者の経歴・属性から、基本的には現行制度はうまくいっており、実現した法改正は妥当な線というスタンスで論じられています。
少年審判への検察官出席について、裁判官が自ら証拠を収集・発見すると自らが収集・発見した証拠への思い入れが強くなり評価が偏りがち、少年に有利な証拠を裁判官が審判で批判的に吟味したり少年を追及したりすると少年に不信感を持たれて最適な処分をしても効果が思うように上がらない恐れがある、検察官の出席はそういう観点から必要なもので、これを厳罰化というのは的外れだと主張しています(58~61ページ)。そういう見方もあるかもしれませんし、裁判官(に限りませんが)が自ら発見したことには過剰な思い入れを持ち冷静・客観的に判断できなくなるということはそうだろうと思います(判決を読んでいてそう思うことは時折あります)が、検察官の出席をそう評価するのもちょっとこじつけっぽく思えます。
調査官による試験観察の成功例、補導委託の成功例の紹介(64~67ページ)は、まさに少年法・少年審判実務の醍醐味というべきですが、試験観察は調査官の、補導委託は民間の篤志家の、熱意と負担に大きく依存するもので、なかなか実施ができなくなり実施例が減っているというのが哀しいところです。

廣瀬健二 岩波新書 2021年6月18日発行
刑事裁判官として少年審判に携わり、少年法改正の議論のため最高裁から派遣されて諸外国の制度の調査を行い、法制審議会委員として少年法改正に関与したという著者の経歴・属性から、基本的には現行制度はうまくいっており、実現した法改正は妥当な線というスタンスで論じられています。
少年審判への検察官出席について、裁判官が自ら証拠を収集・発見すると自らが収集・発見した証拠への思い入れが強くなり評価が偏りがち、少年に有利な証拠を裁判官が審判で批判的に吟味したり少年を追及したりすると少年に不信感を持たれて最適な処分をしても効果が思うように上がらない恐れがある、検察官の出席はそういう観点から必要なもので、これを厳罰化というのは的外れだと主張しています(58~61ページ)。そういう見方もあるかもしれませんし、裁判官(に限りませんが)が自ら発見したことには過剰な思い入れを持ち冷静・客観的に判断できなくなるということはそうだろうと思います(判決を読んでいてそう思うことは時折あります)が、検察官の出席をそう評価するのもちょっとこじつけっぽく思えます。
調査官による試験観察の成功例、補導委託の成功例の紹介(64~67ページ)は、まさに少年法・少年審判実務の醍醐味というべきですが、試験観察は調査官の、補導委託は民間の篤志家の、熱意と負担に大きく依存するもので、なかなか実施ができなくなり実施例が減っているというのが哀しいところです。

廣瀬健二 岩波新書 2021年6月18日発行