伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

流れ行く者 守り人短編集

2008-07-28 01:06:06 | 物語・ファンタジー・SF
 守り人シリーズの外伝的な短編集。
 シリーズ第1作の精霊の守り人より前の短槍使いバルサの少女時代、養父ジグロと連れだってカンバル王国からの追っ手を避けながら武道の訓練を受け護衛士として鍛えられながら育っていった経緯を短編でまとめています。
 少年時代のタンダの思いと、素っ気ないながらにタンダに好意を持つバルサの関係がほほえましく読めます。護衛稼業を通じて大人の男たちの喧嘩だけでなく、サイコロ賭博にも知識と技を深めていくバルサのたくましさには、同時に少し胸を痛めますが。
 基本的には、守り人シリーズ10巻を読み上げたファンのもっと読みたいという渇望感と、バルサの幼少期やタンダとのつきあいを知りたいという欲求へのファンサービスという意味合いの強い本です。守り人ファン、バルサファンには満足の1冊です。守り人シリーズを1冊も読んでいない人には、なんだこりゃという本でしょうけど。


上橋菜穂子 偕成社 2008年4月発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする