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篆刻(てんこく)10月の講評

2023年11月20日 | 篆刻
10月の篆刻課題作品の講評です。
10月は文字指定「守道有天知」(道ヲ守ラバ天ノ知ル有リ)
人として人たる道を守れば天が知るところとなって
幸福が巡って来るという。

名奉行・大岡越前守の座右の銘。TVの加藤剛越前守は
格好良かったな。



以下先生の講評です。
印の大きさ八分(約2、5cm)〜一寸(約3cm)

  
左右二字、中央一字の小篆作である。刀線よく
伸展し印全体にバランスよく収まる。辺縁も
気負いなく適度の変化もいい。他の範たり。


「よくこんなにきれいな線が彫れるね。私なんか
 このように同じ太さの線を刻せない」
「印刀を研いで切れ味よくする」
「印刀の太さ厚さもあるね」

  
ほぼ満白印と言ってよい程、印面に文字が満ちている。
一線の刻にも集中する姿勢やよし。文字線に雅味を
加え、より高みを望みたい。


  
上下の界線を入れ印廻りの激辺も力強く感じられ好感。
「有」字を置き傾線の存在が印象的である。左側の
二字が萎縮したか。


  
白文は印篆、朱文は小篆が常道なれど、この作は
文字が異和感なく治っている白文↑と字形が似たり
変化の要あり。


  
左に三字を配して異和感なく見せる刻に上達の
証あり。本作品は白文印が適当と思われるがいかがか。


「これ↑白文だったら文句ないね。朱文は小篆、
 白文は印篆で刻すのが常と先生も言っている」
小篆と印篆とでは字形が違う。

  
左に三字の配置で左右の行の重さに気配りあり。
左行の斜線が他字の風趣に合わず一考の程。


  
相変わらず古趣の刀味表現がうまい。辺縁の太さと
変化に古色が感じられて好感。文字の金文は細太の
趣ありてよし。


  
縦画と横画をきっちり配して掘り切っており
白文印篆の範といえる。自然体で朱の重み変化も
感じられる。


  
左上の広い朱部を表現したのは、さすが氏の
創造性が生かされたといえよう。刀線には余り
刀味が見られぬ。今後の課題か。


  
一見して「有」の縦線の長さがユニーク。半分にして
「月」の向きを考慮する一手もあったか。辺縁は
 文字と」よく合って可。


「ところで印がはっきりと押されているけど
 私のはこのようにはっきりと押せない。なんで?」
「印泥の油がなくなってきているかな。
 次回、油持ってきてあげる」
印泥の油分が少なくなるとはっきり押せないという事です。

  
小篆の作で各線に細太、微妙な刻の変化がみられ
風趣が感じられる。辺縁の太さも良。欠けは
下側より左上がよかったか。


  
白文印に印篆を堂々と刻し見応えあり。更に
太くしての満白印も可能なり。印回りの
変化も十分たり。


  
刀味、風趣共に十分にしてベテランの力量をみせる。
左行の三字は今少し位置関係を一考したい。


「いつもながら雅味のある印だけど釈文が
 ないと何という字かわからないね」

先生の参考印

カリガリとした刻し方に味があります。

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