紫蘇の効用

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◆shiso家のわんこをご紹介◆

新橋演舞場の顔見世

2010年11月14日 | 歌舞伎

新国立劇場での芝居終演が3時45分、演舞場の夜の部開幕が4時30分。
初台から東銀座へすっ飛んで行ってギリギリ5分前に到着です。

新橋演舞場夜の部を観劇です。

一幕目 ひらかな盛衰記 逆櫓

 船頭松右衛門実は樋口次郎兼光:松本 幸四郎
 お筆:中村 魁春
 船頭日吉丸又六:大谷 友右衛門
 同 明神丸富蔵:中村 錦之助
 同 灘吉九郎作:市川 男女蔵
 槌松実は駒若丸:松本 金太郎
 畠山の臣:尾上 右近
 畠山の臣:中村 萬太郎
 女房およし:市川 高麗蔵
 漁師権四郎:市川 段四郎
 畠山重忠:中村 富十郎

旅先で自分の子供と取り違えてきちゃった槌松にまだ5歳の金太郎くん。
きれいな顔してますー。
おじいちゃん幸四郎さんが嬉しそうに一緒の舞台。
時代物で実ハ仇でした~みたいな堅い芝居の中で親子共演ってなんだかほっこりします
しかし、幸四郎さんのセリフまわしがまわりすぎてない?って気がした…
富十郎さんの朗々とした声が時代ものの醍醐味感をUP

絵面的には千本桜の渡海屋と同じです。最後は血まみれの松右衛門、碇を持ちあげ~。おんなじ~。
二場の海岸での立ち回りは長くて見ごたえあって楽しいです

二幕目 梅の栄

 梅野:中村 芝翫
 雄吉郎:中村 種太郎
 佑太郎:尾上 右近
 暁之丞:中村 種之助
 修之助:中村 米吉
 駒之丞:中村 宜生

舞踊の一幕。
まず4人の若衆の舞、右近くん、歌昇さんの息子さんの種太郎くん、種之助くん、歌六さんの息子さんの米吉くん、と成長株のみんさん。
米吉くん、2~3年前に観た時ふっくらしてたけど、ずいぶんスリムになって縦に伸びた~。
種太郎くん、種之助くんはお父さんの血をひいて踊りも上手。
でも右近くんはダントツ上手いです~。
場面かわって芝翫さんの松に宜生くんの鶯と見たてた踊り。
橋之助さんの三男の宜生くん、きちっと踊ってて、こちらもおじいちゃん嬉しそう。
こんな大舞台でなかなかの長さの踊りを務められるのだから将来有望
フレッシュなのっていいねぇ、な舞踊一幕でした。


三幕目 都鳥廓白浪

 忍ぶの惣太/木の葉の峰蔵:尾上 菊五郎
 傾城花子実は天狗小僧霧太郎実は吉田松若丸:尾上 菊之助
 葛飾十右衛門:市川 團蔵
 下部軍助:河原崎 権十郎
 吉田梅若丸:中村 梅枝
 植木屋茂吉:市川 男女蔵
 御台班女の前:市村 萬次郎
 お梶:中村 時蔵
 宵寝の丑市:中村 歌六

忍ぶの惣太は梅若丸の家来筋で、
傾城花子に扮している実は男、霧太郎は実ハ松若丸は梅若丸の兄で、
植木屋茂吉は実ハ忍ぶの惣太の妻お梶の実の兄で、
宵寝の丑市は傾城花子の亭主のふりをして霧太郎の子分で・・・
実ハ実ハの連続ので、そうとは知らずおしゅうを殺してしまったり、盲病いはオナゴの生血で平癒回復という非科学的な展開
すごいなー江戸時代って。現代にこんな荒唐無稽な話を書く戯作者っていないかのぉ。

菊ちゃんは兼ねる役者の本領発揮女に化けた前髪さんですが、菊ちゃんって女形のときはたいそうお姉さんっぽくて、立役になると幼い感じになる…
なんか姉・弟と菊ちゃんの中に二人いるような感覚になるのです。
女に化けて、本性表し男声にウケ、また女になりすまして女声にウケ、その豹変ぶりに

菊パパの駕籠をパッと開けての登場、いなせな姿にため息~


吉例顔見世大歌舞伎
平成22年11月1日(月)~11月25日(木)
新橋演舞場


やけたトタン屋根の上の猫

2010年11月14日 | ストレートプレイ

今日は音羽屋デー。
昼に新国立劇場でしのぶちゃんのお芝居を観劇し、そのあと新橋演舞場で歌舞伎と、劇場ハシゴです。

『やけたトタン屋根の上の猫』

 マーガレット:寺島 しのぶ
 ブリック:北村 有起哉
 ビッグ・ママ:銀粉蝶
 クーパー:三上 市朗
 メイ:広岡 由里子
 トゥッカー師:市川 勇
 スーキー:頼経 明子
 ボー医師:三木 敏彦
 ビッグ・ダディ:木場 勝己


アメリカの大農場のお屋敷の、2階の若い夫婦マーガレットとブリックの一室が終始舞台となり、そこへブリックの親、兄夫婦、甥姪が出入りし物語が展開されていきます。
舞台の前方、客席に近い部分に屋敷の1階への階段、また部屋、廊下はかなり勾配のある八百屋舞台になっています。
この空間の感覚がおしゃれで、かぶりつきで観たのですが、至近距離でもフレームの中で繰り広げられてるような不思議な感じ。
それだけ世界ができあがってる空気です。

オハナシは家長のビッグダディの不治の病発覚に家族みんなの骨肉の争いが始まろうとしている…
怒号・乱闘・ののしりあい…そしてみな傷つく…というシリアスなものです。

せりふが多い役が似合うしのぶちゃんに適役なマーガレットという女性はジコチューでもありまわりが気になってしょうがなくて目端のきく、賢さもあるけど愚かさがいっぱいな役。
マシンガンのようにセリフを言うけど、声と喝舌のよさで聴き心地いいです。
途中でストッキングをはくシーン、時代的にガーターベルトで留める形のものだけど、これが下品にならないとこが、なんともさすが。
下着姿でうろうろしてるんだけど、なまめかしくなく、そんだけマーガレットの魂の部分のほうが前面に出てるんだろうな、自然です。

ま、冒頭ブリック有起哉さんも生尻出してシャワー、のシーンだったけど、部屋の中の赤裸々感というのが醸し出されててこちらも自然だったし。
有起哉さんは、ちょうど先日にNHKハイビジョンで劇団☆新感線の特集でナレーションをしてていい声~って思ってて、すぐの観劇だったから、私的に「きてる~」なのです。

この『やけたトタン屋根…』、軽いタッチではないけど、人のエゴ、ダークな部分をわかりやすく描かれていて、いわゆる善人がいない・・・子供ですら嫌な面をはっきり描き、憎々しい存在となってる…

こういうお芝居で輝く役者さんを観て、あー、いい芝居観た~と思うのです。

このあとは菊ちゃんの出てる顔見世歌舞伎を観に新橋演舞場へGoです。


やけたトタン屋根の上の猫
2010年11月9日(火)~11月28日(日)
新国立劇場 小劇場