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近江・土山城 みごとな角馬出、虎口、土塁などの遺構が多数残る土の山城

2018-09-01 | 歴史
土山城は滋賀県甲賀市北土山にあり、城址の南には旧東海道が通り土山の町が広がっています。
 土山は「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨が降る」と鈴鹿馬子唄に唄われ、峠の麓と土山では天候が大きく変わるようです。以前旧東海道を関宿から土山まで歩いた時に、馬子唄通りの天候変化だったのが印象的で今でも記憶に残っています。

土山城は天正十二年小牧長久手の戦いの時に東進する豊臣秀吉が土山城に入り、ここから安楽峠を越えて峯城、亀山城を攻めたとされています。

城址入口の案内板の案内図 一部加筆
遺構の中で特に目立つのが角馬出Ⅱ、と多数の虎口です。今回は虎口を中心に写真を載せました。

Ⅴ郭-Ⅵ郭間には虎口、土塁、土橋の遺構がよく残っていました。現在の登城路からだと土橋の位置が変則的で、後世の改変による道の可能性も指摘されています。

Ⅱ郭角馬出の虎口⑦をⅣ郭から
Ⅱ郭は、土山城の見どころの一つでも有る角馬出と呼ばれる遺構です。平入り虎口⑦の両サイドには横堀が掘られ、土橋を渡ってⅡ郭へ入ります。

Ⅱ郭からⅠ郭(主郭)へ進むためにもう一度土橋を渡り虎口②を入ります。
ここも平入虎口ですが虎口⑦とは一直線ではなく、わざわざ動線がずらしてあり、見通しを遮る構造になっています。敵の進入スピードを抑えるためです。

主郭の虎口③
Ⅰ郭(主郭)北側にも虎口③があります、横矢で厳重に守られています。虎口を出ると急峻な地形ですが、大きな竪堀横堀で守られています。この方面に水の手が有ったとも言われます。

主郭には虎口が二つ?三つ?
Ⅰ郭(主郭は)広く平坦です。土塁も厚くよく残されています。主郭の虎口は案内板では②と③の二ヶ所になっていますが、東側の④も外部への接続の地形から見て虎口ではないかと思います。

Ⅲ郭北側の虎口⑤
土山城は北面に対しての備えが厚いように思いますが、Ⅲ郭も北に向けて土塁が厚くなっています。この土塁に虎口⑤が築かれています。Ⅲ郭は南に伸びていますが、南面の防御は薄く土山の宿方面に味方の兵がいるのが前提だったのでしょうか。

※虎口中心の内容になりましたが、横堀、竪堀、櫓台、横矢、犬走り、水の手など見どころがいっぱいの土山城でした。


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