・ B・ストライサンドの主題歌が記憶に残るラブ・ストーリー。
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37年大学の創作クラスで同級生だったケイティとハベルが再会し結婚、そして別れる15年間のラブ・ストーリー。シドニー・ポラック監督で左翼思想に傾倒するケイテイにバーブラ・ストライサンド、スポーツ万能のノンポリ・ハベルにロバート・レッドフォードの異色コンビ。
「ファニー・ガール」(68)、「ハロー・ドーリー!」(69)などミュージカルの大スターB・ストライサンドが、遅咲きながらイケメン俳優として売り出し中のR・レッドフォードを迎えてのメロドラマ。
第二次大戦の前後最も激動の時代を背景にアメリカが思想的に揺れ動いた時期を甘く切ないメロディで包み描いている。
上映された73年は、パリ協定で米軍がベトナム撤退の年。ようやくアメリカがこの時代を振り返って見ることができるようになったころでもある。
日本では好き嫌いが多いB・ストライサンドだが、本作ではとてもチャーミングで好感を持つひとも多いのでは?
不器用で一途な性格が影響して決して恵まれたとは言えない半生を主義主張を貫いてゆくヒロイン像は彼女にとてもマッチしている。
対するR・レッドフォードは海軍の制服がお似合いのモテモテで、はずみで結婚してしまった感があるほど。本作を機に「スティング」(73)、「華麗なるギャッツビー」(74)で大スターの地位を得た。
こんな二人はスペイン・フランコ独裁政権、英国ウィンザー公の結婚、ルーズベルト大統領の死など象徴的な出来事とともに関係が近づいたり離れたりする。
結婚後ハリウッドで脚本家になったハベルは赤狩りに巻き込まれ、ケイテイの活動が決定的ネックとなり離婚するが、最初から合わない二人だった。
50年代初めNYプラザホテル前で再会したケイテイとハベル。懐かしさでいっぱいだが、TVプロデューサーで妻と一緒のハベルとラジオ局で働きながら原爆反対のビラ配りのケイテイには距離感があった。エンディングに流れる主題歌が切ない。