バンク・ジョブ
2008年/イギリス
70年代イギリスの雰囲気を堪能
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shinakamさん
男性
総合
80点
ストーリー
80点
キャスト
80点
演出
85点
ビジュアル
85点
音楽
80点
’71イースト・ロンドンで起きた銀行の金品強奪事件をもとにしたドラマで、9割が事実という触れ込みだが、ディック・クレメントとイアン・ラ・フネの大胆な脚色があっただろうと思わせるほどドラマチック。
地下金庫には大金・宝飾品のほかに王室がらみのスキャンダラスな写真が隠されていた。イギリス諜報部(MI-5)は取り戻すために麻薬所持で空港で逮捕されたモデル・マルティーヌを使い、中古車ディーラーのテリーを筆頭とする7人の小悪党集団に写真を盗ませようと仕掛ける。
地金庫には表に出せない金や資料が多く警察以外に政府高官、犯罪組織、悪徳刑事などが犯人探しに躍起となりテリー達は命の危険にさらされる。
監督は「リクルート」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。70年代イギリスの雰囲気を再現してくれて、こんなことがあったのかと想わせる上質なエンターテインメント・ドラマを堪能することができた。何しろ大事件にもかかわらず真相は英国政府からD通告(国防機密報道禁止令)により2054まで明らかにされないのだから。
主演は「トランス・ポーター」で強靭な肉体と派手なアクションでお馴染みのジェイソン・ステイサム。本作では経営難の中古車ディラーのオーナー役で、7年振りに再会したマルティーヌ(サフロン・バロウズ)に誘われ妻子のために乗った一世一代の大仕事。小悪党ながら冷静沈着なリーダー・シップを発揮して、独特の風貌がリアルさを増していた。仲間は写真家・大部屋俳優・元軍人の詐欺師・掘削のプロそして従業員とさまざま。このあたりはフィクションだろうが、隣の空き店を借りて掘削する手法といい前半の緊張感を盛り上げるには充分な顔ぶれとなっている。犯罪組織のポルノ王に「名探偵ポアロ」で名高いデヴィット・スーシエが扮していたり、銀行の貸金庫係の端役にミック・ジャガーが主演していたり、自称革命家で麻薬ディーラーのマイケルXのパーティにジョン・レノン、ヨーコ夫妻らしきそっくりさんが映っていたり遊び心も豊富だ。こんなスキャンダラスなストーリーの映画化を認めた(無視した)英国と英国王室はつくづく大人の国だな!と感心させられた。
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