クロエ
2009年/カナダ=フランス=アメリカ
共感できるか、微妙。
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shinakamさん
男性
総合
75点
ストーリー
75点
キャスト
80点
演出
75点
ビジュアル
80点
音楽
75点
フランスの女流監督アンヌ・フォンテーヌの「恍惚」(03)をアトム・エゴヤン監督が舞台をパリからトロントへ移しリメイク。倦怠期に差しかかった熟年夫婦の妻が娼婦を雇って夫を誘惑させ、その詳細を報告させる。娼婦の名はクロエ。
荒唐無稽なハナシと思うかとても共感するかは観るヒトの立場によると思うが、不自然に思わないかはストーリー展開と俳優の善し悪しで大分違ってくる。今回は演技派ジュリアン・ムーアと若手で日の出の勢いのアマンダ・サイフリッドの競演だが、残念ながら決して成功とは言い難い。「マンマ・ミーア」「ジュリエットからの手紙」と清純な役を立て続けに好演したA・サイフリッドにはこの役は正直荷が重かったようだ。若くて美しいが魔性の高級娼婦には見えず息子のマイケル(マックス・シエリオット)は誘惑できてもこの熟年夫婦の空想を掻き立てるほどには至らない。フランス版のエマニュエル・アベールに対抗できそうなのは、スカーレット・ヨハンソンあたりか?
J・ムーアは相変わらず大胆な脱ぎっぷり。腕や胸元を堂々と見せられるとこちらが恥ずかしくなってしまうが、夫の裏切りを疑うあまり想わぬ行動にでてしまった熟年女の気持が伝わってくる。夫のリーアム・ニーソンはフェミニストぶりが自然で持てる中年大学教授という美味しい役だが、出番の多さの割に妻の視点でしか描かれず類型的。
大都会トロントの冬景色を舞台に繰り広げられる思い込みと疑惑の連鎖は想わぬ展開へ進むが、エゴヤン監督の<空想が人をどう変えて行くかの検証>は意外なエンディングへ。クロエの髪飾りが小道具として象徴的につかわれている。
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