カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

大峡谷を行く~(9)のんびりと過ごすノースリム

2007-08-17 17:54:37 | 旅行:峡谷めぐり
峡谷めぐりの旅もいよいよ終盤。
最後のポイント、グランドキャニオン-ノースリムに向かいましょう。

I-89の険しい山道を走って走って、山を下りたところがBitterSprings。
ここでI-89Aに入り、ナバホブリッジでコロラド川を渡って西へ。
雄大な山並みを脇に見つつ、刻々と変わる風景を楽しみながら快走。

道が登りに、周りが森林になる頃JacobLakeに到着。
キャンピングに訪れる人が多いらしく、小さいながらガソリンスタンドや宿泊施設があります。
休憩もそこそこにAZ-67に入って南下。ここからはノースリムまで1本道です。

案内板が見えてきました。

気持ちのよい平原の間を走ります。途中、シカが道路を走りぬけたりしてヒヤリ!

ゲートに到着。サウスリムに比べると規模が格段に小さいな。
ノースはアクセスが不便なので、訪れる人はサウスに比べて極端に少ないんです。


松林を抜けた奥にGrand Canyon Lodgeのメインビルディングがあります。



客室はログハウス風のキャビンが、松林の中に点在しています。
私たちが泊まったのは
Queen+Singleの部屋

狭いですけど、
二人なら充分かな

奥にはトイレとシャワーがあります。

バスタブなし。ドライヤーなし。

バスタオル、フェイスタオルあり。

ボディソープあり、シャンプーなし。

テレビなし。冷蔵庫なし。


ちなみに外観はこんな感じです。

裏側にもう一部屋ある、二軒長屋様式。
もう少し大き目のキャビンだと、入り口のところにちょっとしたテラスがあり、
そこにロッキングチェアが置かれていて、ゲストがゆったりくつろげるようになっている。

到着したのはPM4:30。
曇り空ですがまだ明るいので、ロッジから徒歩10分ほどのBright Angel Pointへ。
両脇に崖を見ながら細いトレイルを歩いた先に、天然の岩のテラスがありました。
荒涼とした谷間の向こうにサウスリムが見えます。更にその先に霞むのはサンフランシスコ連峰。

ひとしきり見学した後、ロッジ・メインビルのサンルームで休憩。
外は雨が降り出した。結構はげしい雷雨。トレイルに居る時じゃなくてよかった~!!
サンルームではみんな、思い思いに寛いでいました。


今日の夕食はロッジのレストランで。ディナーは予約制です。
到着してすぐに行ったけど、午後9時からしか空いてなかった。
事前にTELしとけばよかったか。。。
でも雰囲気は最高です。待った甲斐はあったと思う。

せっかくなのでステーキを頼んで、ワインも飲んじゃったりして~(*^o^*)

食事を終えたらもう夜の10時。疲れもピーク。することも無いし、シャワーを浴びてさっさと寝る。

午前3時、爆睡中のところ突然ダンナに声をかけられました。星を見に行こうだって。
唐突な。。。ま、いいけど。
ノースリムはサウスより高度が高く、気温も低めなんですが、外は意外にも寒くなかった。
トレイルは崖っぷちで危ないのでロッジ・メインビルの裏手のテラスに行ってみることにしました。
空には切れ切れに薄い雲。今日は満月。月が明るくて生憎あまり星は多くは見えない。
無駄足だったかとガッカリしつつ、崖上のテラスに下りてみて、文字通り息を飲む。

目の前に遠くサウスリムがシルエットになって見えます。
木陰からチラチラと瞬く光は、Bright Angel LodgeとEl Tovar Hotelの灯り。
空には満月。薄墨を流したような雲。極端に色の少ない風景。
まるで舞台セットの背景画を見ているような、妙に現実感がない不思議な景色。
今回の旅は、予想してなかったところで素敵なモノを見るいうパターンが多いな。

そんなことしてたら案の定、日の出の時間には起きられませんでした。
早朝ハイクで挽回です?!

林の中ではステラーカケスが井戸端会議中(^^)

[早朝のブライトエンジェル・ポイント]

中央の谷のところが、Bright Angel Canyon。奥にファントム・ランチがあります。

シマリス発見。サウスリムのジリス以上に人馴れしてません。


トレイル沿いにロッジに戻ったらレストランで朝食。
バフェが人気のようでしたが、普通のメニューもあります。美味しかったよ!

チェックアウト後、ノースリムのポイントに向かいます。
“narrow and winding”な山道を小一時間も走らなきゃいけない。ひぃー

山道を登りきった辺りで、山火事の跡を見ました。
そこだけ妙に空が広い。道路の両脇には真っ黒に焦げた木々。その間から小さな若木が伸びる。
雷などで発生した山火事は、自然淘汰の一環とみなし、積極的に消火活動をしないんですって。

火事の跡をぬけると一転、背の高い松林。
途中でカイバブリスKaibab Squirrelが道路を横切りました。デッカイ!!
車を停めて林の中をちょっと探索したけど、見つかりませんでした

林を抜けた道の途中に天然の(?)展望台。Angel's Windowが良く見えます。

“窓”の向こうにはコロラド川が見えています。

最後の連続カーブを抜けると、目的地ケープロイヤルCape Royalに到着。
駐車場から林の中のトレイルを10分ほど歩くと、展望台に出ます。
峡谷に張り出した断崖の上で、左右に視界が開けてます。
足下は断崖絶壁。

サウスリムの稜線が、地平線のように左右一直線に延びてる。
遠くには蛇行するコロラド川。イーストリムの辺りですね。
向こう側の崖の上に、デザートビューのウォッチタワーが見えました。


グランドキャニオンで始まりグランドキャニオンで終わった今回の旅。
この後、ラスベガスで1泊してから家に帰りました。
ベガスに行く途中でザイオンに寄るつもりだったのだけれど、
ノースリムの山道で二人ともすっかりへばってしまい、次回に譲ることにしました。

幾つかの国立公園をハシゴしましたが、比較的近いエリアにあるにも関わらず
それぞれに趣が違っていて、改めてアメリカの広さ、奥深さを感じました。

[おまけ]
ノースリムで飲んだお水のペットボトル。山を降りたらこの通りペシャンコ~