カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

PCHを行く!~(4)自然と歴史を辿る道

2009-07-09 16:11:22 | 旅行:PCHドライブ
7月5日(日)いよいよ最終日です。
前日と同様、ホテルのサービスの朝食で腹ごしらえを済ませ、荷物を片付けたら
午前9時過ぎ、チェックアウトして出発です。

1号線を南下し始めて15分ほどで、隣の町Cambriaに到着。
“芸術家のコロニー”などと言われる小さな町のメインストリート沿いには、
可愛らしい外観のギャラリーやブティック、アンティークショップが並ぶ。
高台には小洒落たお屋敷が建ってます。
ここで観ておきたいのが
Nit Wit Ridge
(881 Hillcrest Dr.)

キャプテン・ニットウィットと呼ばれた家の主が凝りに凝って手作りしたという家です。
貝がらや石がふんだんに使われて独特の雰囲気。

お洒落かどうかは・・・
微妙~?

Cambriaの町を抜けると、
道は一旦海を離れます。

再び海側に視界がひらけると、
海上には何やら怪しいモノが・・・
Morro Bayの街に入りました。
淡水と海水の交わる汽水域のため水辺の生物が豊富で、漁港としても栄えている街です。
港に出てみると先ほどの怪しいモノがよく見えます。
こちらがMorro Rock

高さ576feet
ドーム型の一枚岩です。
同名の岩がセコイア国立公園にもありましたっけ。(→こちら
アメリカの名前の付け方は適当というか捻りがありませんので、被ることも多いんですよ。
ただし、あちらはMoro Rockで、“r”が一つ。
岩の足元まで車で近寄ることが出来ます。
アザラシが顔を覗かせました。
なんという名前の鳥でしょうか。

大きい!
モロロックと港周辺を俯瞰した絵がありました。
複雑な入り江の様子がよく分かります。

Morro Bay
オフィシャルホームページ
 →こちら

この後、1号線は内陸に入ります。
1号線と101号線と交わった所にあるのがSan Luis Obispo
メインストリート沿いに古い建物が並ぶ、静かで小さな街です。
街の中心に1772年に建てられたカリフォルニア・ミッションの5番目の教会があります。
Old Mission
 San Luis Obispo 
  De Tolosa


751 Palm St.,
San Luis Obispo

※ホームページ→こちら
前庭にはセラ神父の像が立ってます。

豪華な祭壇などはありませんが、歴史を感じさせる南欧風の造りは他のミッションと同様
街の中心では自転車レースの真っ最中でした。

再び山を越えて海に出ると、ひときわ賑やかなPismo Beachの街。
ロサンゼルス近辺にもよくある、若者が集まる小洒落たビーチシティです。

時刻は午前11時半を回りましたので、ここでランチ。
クラムチャウダーが絶品との噂のお店Splash Cafeに向かいました。
が、しかし・・・
店の前からずらりと長い行列ができてる!
前評判どおりです

Splash Cafe
197 Pomeroy Ave.,
Pismo Beach
TEL:(805)773-4653
※ホームページ→こちら

見てても一向に列が進む気配が無い。
諦めて、お向かいのシーフードレストランに入りました。
シュリンプカクテルと
クラムチャウダー
Boiled Clam

身が大きい!おまけに大量!!
こうなったらシーフードづくし、
というわけでツナサンド
下調べ無しに入ったお店としてはなかなかGoodでした。
Brad's Restaurant

209 Pomeroy Ave.,
Pismo Beach

TEL:(805)773-6165

これでPCHの海岸線ドライブは予定の行程を終了。午後1時過ぎ、帰路に着きます。
海岸線にお別れ

Pismo Beachの街を出てしばらく行くと1号線と101号線が分岐します。
101号線でSanta Mariaの街まで南下し、CA-166で東に振り、山を越え、砂漠を抜けて
懐かしの5号線に戻ります。
午後3時半、5号線に復帰してまもなくヨセミテ方面から来るCA-99との合流。
見ると99号線の方はものすごい車の量です。
おかげで合流地点は大渋滞。
5号線側は合流地点の辺りだけでしたが、99号線の方はずいぶん前から渋滞してる様子。
これは難儀なことです。
全てがヨセミテ観光の車じゃないにせよ、ヨセミテは大賑わいだったんじゃないかな。
恐るべし三連休のヨセミテ
そういえば、アーバインの駐妻友達と行きつけのカイロの先生がちょうどこの三連休で
ヨセミテに行ってるはずです。
あとで話を聞かせてもらおうっと!

それにしてもこの先、山を越えてロサンゼルス市街を抜け、アーバインまでは相当ある。
この調子で渋滞してたらどうなっちゃうの~と戦々恐々だったのですが、
合流地点からしばらく行ったところで渋滞は自然解消、スムーズに流れ出してひと安心。
午後6時にはアーバインの自宅に帰り着くことができました。

総走行距離、799.9miles(1287.3km)、ざっと東京から九州まで行った計算!
今回も事故も病気も無く無事に帰って来られて何よりでした。

PCHを行く!~(3)夢の続きを見よう

2009-07-08 18:03:34 | 旅行:PCHドライブ
7月4日、午後12時過ぎ、ツアー1の見学を終え、ビジターセンターに戻ってきました。
カフェテリアで昼食をいただきます。
サンドイッチ、バーガー、ピザのライスボウル(丼もの)とメニュー豊富。

ハースト農場のビーフを使ったメニューもありますよ!

ゆっくりランチを食べてのんびり休憩したら、午後2時。
ツアー2の集合時刻です。
せっかく遠路はるばる頑張ってやって来たんだから、ツアー一つじゃ勿体無いもんね~

先程と同様ツアーバスに乗って山の頂上へ。さっきとは反対側の車寄せでバスを降りる。
今回は15人ほどのグループで回ります。
ネプチューン・プール

ツアー1とは別方向からのアプローチ。
ツアー2に参加してる人はほとんどがツアー1を見た人という認識なのでしょう、説明はほとんどありません。

Casa Grande

手前はゲストハウスの一つ
Casa Del Monte
(山の家)


部屋数は10室あります。

ツアー2では、Casa Grandeの上層階を見学します。
そういえばバスに乗り込む際に「階段をたくさん上がります」との注意書きを見ました。
曰く「いったんツアーが始まったら返金はしません」
そ、そんなにキツイの?

建物の横にある小さな入り口を入って、狭い螺旋階段を上がります。
二階は主に来客用の寝室があります。

決して広い部屋ではありませんが、その室内は美術品骨董品で飾り立てられています。
室内に飾られた絵画は聖母子をテーマにしたものが多い。

スイートルームの天井画

見事です。。。
この天井は18世紀のイタリア製
ベッドの装飾の繊細で華麗なことと言ったら!
さり気なく飾られたこの絵の作者銘はボッティチェリ

廊下沿いに幾つもの客室が並んでいます。

ちなみにこのCasa Grandeの部屋数は110室(!)あります。
回廊の窓からの眺め

来客達は廊下越しにこの景色を楽しめるという趣向です。

建物内にはちゃんとエレベーターがあります。

内部の装飾がこれまたお見事

こちらの図書室には4000冊を超える貴重な珍しい本が所蔵されています。
格子状のパターンのある天井は16世紀スペインのルネッサンス様式
ここには紀元前8~3世紀のギリシャ陶器のコレクションも飾られています。

書見台も凝った装飾が施されたもの。

3階にはハーストの個人的な居室があります。
ベッドの両脇に飾られているのはハーストの両親の写真

ウイリアムは特に母親からヨーロッパの歴史や芸術に関する知識を受け継ぎました。

キリスト教の聖人達の像で飾られた天井

シャンデリアは香炉をアレンジしたもの

ゴシック様式のこの書斎はハーストの仕事場だったそうです。
ここの本棚にも文学、芸術、歴史、園芸など幅広い分野の本が所蔵されています。

奥に架けられているのがW.R.ハースト30歳の時の肖像画

天井のアーチには聖書などからのシーンが描かれています。

“修道院の寝室”
と呼ばれる4階の客用寝室

アラベスク模様で飾られた窓からの眺めは最高!
ここの天井とシャンデリアも凝った作りです。

ロフトというわけじゃないんでしょうが、この部屋は少し天井が低くて狭い。

しかし細部まで凝った装飾が施されています。
マントルピースはスペイン製

“修道院”の客室です。

17世紀フランス製のタペストリー、イタリア様式の彫刻で飾られたベッド

“二階建てのスイート”

この部屋には多数の有名人が宿泊したのだそうです。
階段で下の階と繋がってます。

寝室の真下に浴室があります。
居間の天井が吹き抜けになっていて、部屋を広々と見せる。

さあ、ツアーもいよいよ終盤。下の階に下りたら、裏方の見学です。
キッチン

大勢のゲストを迎えるとあって、厨房の広さや設備も半端じゃありません。
しかしさすがにハーストキャッスルのキッチンです。

水道の蛇口は普通じゃなかった。。。

裏口から外に出たら、室内プールへ。先程とは反対側の入り口から見学します。
天気が好くて気温が高かったので「プールに入りた~い」なんて言ってる人もいました。

以上でツアー2終了です。
一体いくつの部屋を見たのか、正直言って覚えてません~
アメリカの大金持ちは桁違いだと頭では分かっていても、こうやって目の当りにすると
やはりカウンターパンチをくらったような気分になりますね。
帰りのバスから見た動物園の飼育室跡

シロクマやキリン、ダチョウ、
シマウマなどを飼っていたそうです。
ハーストは大の動物好きだったそうで、野生動物を敷地内で放し飼いにしていたらしい。
自宅の庭にサファリパーク?
億万長者の考えることってのはまったく・・・
敷地内には飛行場もあります。
遥か遠くにSan Simeonの町

ハーストの“夢の城”は「成金丸出しの悪趣味な城」といった評価も聞かれますが、
我々の印象としては、全体に統一感のとれた趣味の良いお城でした。

フィラデルフィアのバーンズ・コレクションは、その内容や展示方法が極端で、
バーンズ氏の偏屈変人ぶりを反映しすぎていて、正直「趣味悪い~」と思ったけど。
(バーンズ・コレクションの記事はこちら→2008/9/28

ウイリアム君は、きっとロマンチストだったんだろうねぇ。。。
夢を現実にした、その象徴ともいえるのがこのハースト・キャッスルなんでしょう。
アメリカ人に人気があるのが、なんとなく分かる気がします。


夕食前に浜辺を散歩してみました。
満潮時には崖のすぐ下まで海が迫る、狭い砂浜
けっこう波が高いです。
海沿いのホテルBest Westernの前庭は遊歩道になっていて、宿泊者でなくても散策できます。

夕食はBest Western付属のレストランCavalier Oceanfrint Resortにて。
ダンナはサーモングリル
私はポークチョップ
Cavalier Oceanfrint Resort

9415 Hearst Dr.,
San Simeon, CA93452

TEL:(805)927-4688
※ホームページ→こちら
名前の割にオーシャンフロントじゃなかったけど、それなりに海は見えましたよ(笑)
きれいな夕日

今日も一日お疲れ様でした。。。

日没後、
外の暖炉前で暖を取る人々
この日はアメリカの独立記念日で、全国各地で花火が打ち上げられるのが恒例です。
San Simeonはハーストキャッスルのためだけにあるような小さな町でイベントは無いけど、
浜辺なら遠くの街の花火が見えるから、みんなそれを待ってるんだね。
(実際、午後9時頃からPismo Beachで上げられてる花火が見えました☆)

PCHを行く!~(2)大金持ちの夢の城

2009-07-07 16:10:13 | 旅行:PCHドライブ
7月4日(土)アメリカの独立記念日。海辺の町の朝は、どんよりとした曇り空。
まぁでも、気温が上がってくれば雲も晴れてくるでしょう、きっと。

まずは朝食。
コンチネンタルブレックファストのサービスがあると聞いていたので行ってみました。
マフィン数種類、ドーナツ、ペストリー、あとコーンフレーク。
飲み物はコーヒー、オレンジジュースと牛乳。

ま、サービスの朝食なんて、
こんなもんですって。

今日訪ねるのはハースト・サン・シメオン記念館。そう、昨日見た丘の上のお城です。
“Hearst San Simeon State Histrical Monumentという正式名称よりも、
“ハーストキャッスルHearst Castle”という名で広く世間に知られています。

Wiliam R. Hearstは俗に新聞王と言われ、26の新聞社、13の全国誌、8のラジオ局、
その他数多くのニュースサービスを所有していた、アメリカの大富豪の一人です。

そもそもは、彼の父ジョージ(←鉱山技師で銀を掘り当てて財を成した)が、
友達や息子のウイリアムを連れてキャンプに訪れるためにと、1865年に
サン・シメオン湾を望むこのあたりの牧場用の土地40,000エーカーを購入しました。
ウイリアムは、大人になってからもこの地での妻子を連れてのキャンプ旅行を愛し、
やがて、ここに自分の住居を構えることにしたのでした。

計画は1919年に始まり、建築家ジュリア・モーガンと1947年までかかって進められます。
海を見渡す丘の頂上137エーカーに庭園、テラス、プール、迎賓館、邸宅などを配し、
屋敷の中にはウイリアムが収集した美術品や骨董品が展示されました。
Hearst Castle

750 Hearst Castle Rd.,
San Simeon, CA93452

※ホームページ→こちら
ウイリアムの死後、屋敷はカリフォルニア州に寄贈され、現在一般に公開されています。
1号線からHearst Castle Rd.に入るとすぐ公園入り口。その先が駐車場になっています。
丘の上は一般車は入れません。
まずはビジターセンターでチケットを受け取ります。

見学ツアーは大人一人24ドルで、5種類あります。
初心者にはやはりツアー1
お奨めです。
人気があるので、事前にオンライン予約しておきましょうね。
ビジターセンターの奥が見晴所になっていました。

眼前の丘の上にあるのが、これから行くHearst Castleです。

と、遠い・・・
リスが出てきました。

専用のシャトルバスでお城に向かいます。
うねうねとした山道を
10分以上(!)バスに揺られ、
ようやく頂上に到着

ツアーは40人くらいのグループで、2人のレンジャーガイドが付いて一緒に見学します。
まずは最初に注意事項の説明。
 ・チューインガムをここで捨ててください。
 ・建物内では彫像、大理石の柱、戸口、家具、織物、調度品類に触ってはいけません
 ・床張りや絨毯の保護のため、ナイロンカーペットの上を歩いてください
 ・写真は大いに撮って構わないけれど、フラッシュや三脚の使用は禁止です、等々

この時にツアー概要の日本語パンフレットがもらえるので、是非ゲットしましょう。
さあ、いよいよツアー開始です

お洒落な石段をあがった所は広いテラスになっています。
スペイン風の建物の前に
見事な噴水
この『ダビデ像』はどっかで見たな~(コピーでしょうけど)
左手の、ギリシャ神殿風の建物に移動します。

ネプチューン・プール
長さ34m、深さ1.5~3m

海神ネプチューンの像のある正面の神殿の柱などは紀元前1~4世紀の古代ローマ帝国時代のものだそうです。
海と山を一望できる、ツアーでも人気のスポットです。

テラスの上には3軒あるゲストハウスの内の一つ、Casa Del Solがあります。
Casa Del Sol
(太陽の家)


南スペイン風の建物は、随所にイスラム風の装飾が施されています。

3層構造で、合計18室。

内部は当時の客室の様子が復元されています。
壁や天井に凝った装飾。

ペルシャ様式なので、到るところ金ぴかです。
窓からは最高の眺め
調度品は主にスペインやイタリアの14~16世紀のもの

屋敷の周りは幅広の通路が取り囲み、多くの美術品が展示されています。
展示品は現代のものもありますが、中には古代の遺物も。。。

左下のセクメト女神像は紀元前1300年頃の古代エジプトのもの。
中央テラスで小休止。

ハーストはこの地を
“La Cuesta Encantada
(魅惑の丘)”
と呼びました。

テラスの上、丘のひときわ高い部分に建つのはCasa Grande
2つの鐘楼を持った建物は、ヨーロッパの寺院のように見えます。
実際、正面入り口の扉は18世紀スペインの修道院の扉です。

集会室
Casa Grandeで最も広いリビングルーム。

来客たちは昼間、屋外で乗馬やテニスや水泳を楽しみ、夜はここでカクテルや会話を楽しんだというわけです。
16世紀の宮殿式天井、そこからフランダースのタペストリーがかけられ、壁には15世紀頃の聖歌隊席を用いています。

暖炉のマントルは南フランスのお城からのもの。

Casa Grandeの来客用の食堂

16世紀のフランダースのタペストリーは旧約聖書からの情景を描いたもの。

壁の聖歌隊席は14世紀スペイン風で、豪奢な銀製品が飾られています。

天井はカトリックの聖人を模した17世紀イタリア風
当時のテーブルセッティングが再現されてます。

食材はハーストの農場内の放牧場、酪農場、養鶏場、果樹園、野菜畑から届けられました。

え? つまりそれって、
自給自足できたってこと?!
奥の壁の2階のスペースでは弦楽四重奏団やジャズバンドの生演奏が行われたそうです。

なんつー贅沢。。。

朝の間
建物の東側にある居間

重厚な木製の天井、大聖堂を思わせる大理石のアーチ、フランスのお城から持ってきたというマントルピースなどが中世の雰囲気を醸し出しています。

ビリヤード・ルーム

ビリヤード台を2つ並べて置けるほどゆったりした部屋。

天井は1400年代のスペイン製、マントルピースと入り口はフランス製

ビリヤード室を抜けて案内された部屋は、なんと映画館!
これが本当のホームシアターってヤツ?(そんな可愛らしいもんじゃないけど
壁は赤いダマスク織で覆われ、金色の女性の彫像の形をした柱が天井を支えています。
暗くていい写真が無いのが残念。。。
ここでしばし、ハーストの来客たちによって撮られたホームムービーを鑑賞します。

一息入れたら一旦建物の外に出てテニスコートへ。
傾斜地に建てられたテニスコートの下の階に入るとそこは何と室内プール
長さ26m、深さは3m、
反対側には飛び込み台がありました。

ローマ風の造りで、周りには古代ギリシャとローマ時代の神々やスポーツ選手の大理石像が飾られています。
金箔を施したブルーのモザイク・タイルは、プールの底にまで敷き詰められています。

アルコーブ部分には天窓があって、外の光が入ってきます。

夜には星空を眺めながらゆったり過ごせるのだそうで。

以上でツアー1は終了。
アメリカンドリームをこれでもかというくらい見せつけられ、一同やや放心状態まま、
バスに乗せられ、城を後にします。
途中の山道から、つい今しがた見てきたCasa Grandeの鐘楼を見ながら余韻にひたる・・・

移動時間も含めて約2時間のツアーは、なかなか盛りだくさんな内容でした。

PCHを行く!~(1)風光明媚な海岸道路

2009-07-06 18:57:47 | 旅行:PCHドライブ
7月4日はアメリカの独立記念日。メモリアルデーと並ぶ、アメリカの国民的休日です。
今年は土曜日にあたっていましたが、ダンナの会社は3日(金)がお休みで三連休。
天気も好く、絶好のお出かけ日和となりました。

カリフォルニア1号線は、全米で最も長い道路の一つ。
1919年の工事開始から開通までに19年を要し、当初150万ドルだった予算が、実際には
1千万ドル(ブレ過ぎ!)も費やされ、世界で最もお金の掛かった道とも言われます。

正式名称はCalifornia State HighwayのPacific Coast Highway(通称PCH)。
名前の通り、太平洋に面した海岸に沿ってオレゴン州からメキシコ国境まで続く、
起伏に富んだ、眺めの美しいハイウェイです。
今回は、特に景観が素晴らしいと言われる真ん中辺りを走ってきました。

7月3日(金)午前6時半にアーバインを出発。
今回の旅は何しろ、出発地点に到るまでが大変というわけで、まずはとにかく走る走る!

いつものようにI-5で北上し、ロス市街の北の山を越えます。
山越えの後、CA-99(ヨセミテ方面)の分岐。今回はこのまま5号線を行きます。
5号線沿いにはプランテーション農場が広がっています。
特にぶどう園が目立つ。
278mile地点でCA-46に入り、西に向かいます。
この辺りは油田地帯です。

日本人的にはめずらしい光景。

CA-46で山越えの予定が、途中事故のため通行止めで、強制的に迂回路に誘導。
CA-33で一旦北上した後、CA-43で山を越え、CA-46に復帰というルート取りになりました。
予定より遠回りになりましたが大幅なロスは無く、11時半前にPaso Roblesの町に到着。
Carl's Jr.で早めのランチ。

しかし先は長い。
30分ほど休憩したら早々に再出発です。
偶然ですが、お隣のマクドナルドが“スピーディ店舗”でした。
(“スピーディ”についてはこちらの記事をどうぞ→2009/03/04

ここからはUS-101で北上します。
このあたりの101号線は、別名“El Camino Real”
そう!ミッションを繋ぐHistric Roadです。
この道の北にはカーメル、南にはサンタバーバラ、その途中にもいくつかミッションがあるんです。

(“ミッション”についてはこちらの記事をどうぞ
 →2009/05/16

SalinasからはCA-68で西に向かい、Monterey、Carmelの街を迂回。
いよいよ海沿いの1号線に入ります。

時刻は午後3時。遂に来ました! いよいよ海岸道路のドライブの始まりです。
BGMはコブクロの『潮騒ドライブ』なんかがいいですね~(笑)
ご覧の通り、山裾が断崖となって海に落ちる、その斜面に道が走っています。
アメリカの道路は右側通行だから、南下した方が断然景色が好い。
だからこそ、行きにちょっと無理をしてでも、スタートをここにしたかったんですよ。
Hurricane Pointから見た
Bixby Creek Bridge

1号線には1931年から37年の間に架けられた5つの橋があり、これは1932年に完成しました。

海岸線が入り組んでいるので、これらの橋がないと谷を迂回しなきゃいけない。
コンクリートのアーチ橋としては世界最大で、アーチの幅が320feet(約98m)、橋全体の長さは714feet(約218m)、海面からの高さは280feet(約85m)だそうです。

Point Sur

海に浮かぶ火山岩の上に立つ灯台は、ツアーで見学できるそうです。

超高級ホテルの建ち並ぶリゾート地、Big Surの街を抜けたところに、
人気のレストランNepentheがあります。
海抜27mの眺めを見ながら食事できるとあって、3時半過ぎだというのに大賑わいです。

ちょっとガスってたのが残念だったな。。。

Nepenthe Restaurant
48510 Highway One, Big Sur
※ホームページ→こちら

道路の到るところがViewPoint。
いちいち停まってたら先に進めない~

こーんな断崖絶壁の上にお屋敷を建てて住むのが、アメリカのお金持ちの醍醐味?

あんな崖っぷちを走っていたのか。。。
この先も崖っぷちを行くのね。。。

Big Surを過ぎてしばらく行くとJulia Pfeiffer Burns State Park
ここに今回のドライブの目玉の一つがあります。
駐車場に車を停め、トレイルを歩いて海側に出ます。
McWay Falls

かつては海に流れ落ちていたものが、PCHを修復中に崖が崩れ落ちて砂浜が広くなり、今は流れ落ちる水が浜辺に落ちているという珍しい滝。
滝下には海鳥が遊ぶ。
知名度は低いんですが、PCHやカリフォルニアをテーマにした写真集でよく目にする。
写真愛好家の間では、実はひそかに人気スポットらしいです。
確かに、落差は80feet(24m)と大したこと無いんですが、なんとも絵になります。
McWay Falls

Julia Pfeiffer Burns State Park
(※ホームページ→こちら

そろそろ午後5時。今日の宿泊先San Simeonまでは、まだざっと50mileあります。
この先、寄り道はほどほどにして急ぐとしましょう。
と言ってる傍から・・・


ガードレールがあるにはあるんですが、なんとも頼りない。
このまま直進したら
海に直行です~

こちらは1938年完成の
Big Creek Bridge
入り組んだ海岸線の沿って蛇行する道。

谷間を雲が上っていく。

山間部を抜けました。
左側の山が後退し、道路の標高が一気に下がる。

Point Piedras Blancas

この先の浜辺は“Elephant Seal Viewing Area”といって、ゾウアザラシがよく見られるそうです。

左手になだらかな丘陵が広がり、行く手には町が見えてきました。
広々とした平原では放牧された牛がのんびり草を食む。

山の上に何かありますね~
それは後のお楽しみ♪
午後6時半、サン・シメオンSan Simeonに到着です。
10軒ほどのホテルがあるだけの、車なら5分もかからずに走り抜けてしまうほど小さな町。
今回のお宿Courtesy Inn

9450 Castillo Dr.,
San Simeon, CA93452

お手ごろ価格のモーテルですが、ちゃんとランドリーや室内プールやテニスコートもあるの!

※ホームページ→こちら
(AAA割引あります)
お部屋はこんな感じ

テレビ、ドライヤーあり、
冷蔵庫なし
インターネット接続可。
石鹸、リンスインシャンプー、
ボディローションあり

部屋に荷物を運び入れ、簡単に身の回りを片付けたら、お食事に出かけましょう。
なにせ小さな町なので、レストランはすべてホテル付属のお店ばかりになりますが、
逆にすべて徒歩圏内ってことで、お散歩を兼ねて3軒隣のホテル前のレストランへ。
私は無難に
鶏と茸のフェットチーネ

パスタより鶏が多いぞ!
ダンナはこちら
白身魚のグリル

少し先の街に漁港があるので、やはりシーフードがお奨めのようです。
Manta Rey Restaurant

9240 Castillo Dr.,
San Simeon, CA93452

TEL:(805)927-1932

※ホームページ→こちら

のんびり食事を終えたら午後8時。ちょうど日没の頃合なので海沿いまでお散歩。
残念ながら、下の方に雲が出ていて水平線に沈むところは見られませんでしたが、きれいな夕日でした。