先月のこと。
上海駐在時代の友人から久しぶりのメール。
「娘が高校を卒業しました」という報告だっ
た。
卒業証書を手に親子3人晴れやかな笑顔の写真、
卒業記念品のティファニーのネックレスやティ
ファニーのプレート、noix de beurreのクッ
キー缶等の写真、その他数枚の写真と共に。
長い歴史を持つその学校の教育理念や環境の素
晴らしさ、娘さんがそこで6年間学ぶことができ
たことへの喜びや感謝の気持ち、そうしたこと
が長文のメールに込められていた。
友人が私にわざわざ報告をしてくれたのは、娘
さんが卒業された学校が私の母校であることか
ら。
写真に写っている、チャペルや渡り廊下、正門
ロータリーは当時と全く変わらない。
驚くほどに変わらない。
卒業式で身に付けるネイビーのガウンも角帽も
全く同じだ。
ネイビーの布地に金色の校章が象られた卒業証
書も。
卒業証書授与式の式次第、いまだそれを大切に
保存しているので比べることができたのだけ
ど、その表紙デザインさえも変わっていない。
卒業式では毎年、在校生がロッシーニの「希
望」を、卒業生がロッシーニの「愛」を合唱す
る。
私は知らなかったのだけど、132年もの間、こ
の学校の卒業式で歌い継がれて来たのだと友人
が教えてくれた。
なんて素敵なこと。
そして、聖書朗読が、「マタイによる福音書 5
章1節から16節」というのも、これはいつから
のことかはわからないけれど、少なくとも私の
時代から今に至るまで変わっていないことも
知ることができた。
何という素晴らしき伝統。
私はその学校の生徒だったわけだけど、友人は
その学校に通う生徒の母親。
だから目線が違う。
子供だった私が気が付かなかったことを、彼女
は親の視点で話してくれる。
その通り、本当に素晴らしい学校だった。
私も親となった今、深く理解できる。
米粉のチョコチップマフィン。