・ 諷刺
・ 諷る
フウ
そら(んじる)、ほの(めかす)、あてこす(る)
諷
【解字】形声文字。言+風。音符の風は、かぜの意味。風に乗せて言うの意味から、そらんじる・ほのめかすの意味を表す。
- そらんじる。そらよみする。また、歌う。「諷詠」
- ほのめかす。遠まわしに言う。はっきり言わず、それとなく他の事にそえていう。あてこする。「諷刺」
- 現代表記では、[風]に書きかえることがある。「諷刺→風刺」
諷刺(ふうし)
諷(あてこす)る
”あてこする” とは、上手い表現ですね。
実は、諷刺画で真っ先に思い浮かべるのものがあります。
中学の社会科か高校の日本史かは定かでありませんが、三国干渉の有名な画はご存知かと思います。
日と清が朝鮮半島を釣り上げようとしているところを露が秘かに狙っている画です。
三国干渉とは、日清戦争当時、下関条約で日本領有となった遼東半島の清への返還を露が勧告したもの。
露は自分が朝鮮半島を欲しいのを隠し、仏と独とを後ろ盾に日本へ返還を迫ります。
漁夫の利を得ようとする露の狡猾な考えが一目瞭然ですね。
しかし諷刺画を描く方は本当に頭がいいと思います。
四コマ漫画は物語を「起承転結」で纏めますが、諷刺画は一枚で全てを表さないといけません。
別に四コマ漫画を貶している訳ではなく、黒鉄ヒロシさんや、はらたいらさんとか本当にすごいと思います。
訴えたいものを簡潔な言葉と絵で的確に表現することができる才能は特別なものなのでしょう。
他にも有名な諷刺画がありますね。
京都の高山寺にある鳥獣戯画です。
ウサギ・カエル・サルなどが擬人化して描かれたものです。
一度実際見てみたいと思っています。
そういえば擬人化の「擬」の読みは ”なぞらえる” ですね。
「擬」も「諷」も似たような意味になりますが、”あてこする” の方は毒がないとダメなのでしょう。