@長年日本に住む作家・演出家である米国人著書で感じたことは、「日本語は他国と比較にならない深みがあり美しい表現豊かな言葉であること、それは日本独特のオノマトペや擬態語などが多くあり絶妙なニュアンスを醸し出しており、日本人として日本語に自信を持つことだ」と言う。よく言われる日本人の「曖昧さ」は言葉だけで直接対決しない日本独特の習慣(謙遜的で、礼儀正しい、遠慮深い行動から)であり、それが結果的に多くの「和」に繋がる役割もしていると意識しておくべきかもしれない。但しビジネスでの曖昧さはマイナス効果だ。
『驚くべき日本語』ロジャー・パルバース
「概要」英語・ロシア語・ポーランド語・日本語。
まったく異なる文化的背景から生まれた4カ国語をマスターした外国人作家が、比較言語論的視点や自らの体験をもとに、世界に誇る日本語独自の魅力と「世界共通語」としての可能性を説く!
ー日本語にはある種特有の以心伝心のコミュニケーション言語だと言う。例えば遠慮、気配り、一期一会、恩返しなど。更に日本語独特の美的言葉を創造言語だ、という。もののあわれ、詫び、さび、和、幽玄、雅、粋、だが、日本語は多国語と比べて曖昧な言語だと思わない、と言う。
また、難題な語学はロシア語とポーランド語、だたし日本語は読み書きが難しいと言う。
ー世界には約6500~7000語存在し、言葉は国のアイデンティティー(国民・国語)
ー言葉とは人間が存続していくための、そしてまた、知識の伝達にておいて、最も強力かつ効率的な道具であり、より簡単に知識を伝える工夫を考えた、とある。現代では外国語を学ぶにあたって「何を学ぶか」ではなく「如何に学ぶか」が大切だと言う。外国語を学ぶ秘訣は「頭と心を白紙状態」にする事、ともいう。
ー日本語は動詞の変化や磁性が極めてシンプルな構造
・「食べる」と言う動詞は「「食べない」「食べれない」「食べたい」「「食べにくい」
「食べやすい」「食べたかった」「食べられた」など語尾を変化させる事
・「する」「するよ」「するでしょう」「するかも」など富に飛んだ表現ができる
ー曖昧に見える日本語の意味
「日本人の行動はしばしばはっきりせず、わかりにくい」と言われるのは自己主張が強いのは美徳と見做されていない面があり、自分を消去することが徳とされる。社会的な行動、例えば謙遜的で、礼儀正しい、遠慮深い行動から生まれている=「和」に繋がる。但し躊躇、用心深さ、相手の目を見ないで話すこと、静かな遠慮深さなどは言語自体の本質ではなく、日本人が持っている特徴
ー日本語の驚くべき柔軟性を持った稀な言語
・「かな」を足すだけで別のニュアンスを加えられる構造
「言い合う」「言い出す」「言い回す」「言い寄る」「言い放つ」
・「てにをは」で文体変化を持たせる構造
・「オノマトペ」「擬態語」(柔軟性と表現の豊かさ)も持たせる構造
ー美しい日本語とは
感じ・カタカナ・ひらがな・ローマ字等での視覚的側面を持つ
自然の音の表現が豊か(昔の詩集・歌など)、美しさ、深さを理解できる言語
