@ここにある思考地図はよくある分析アナリストの基本のようなものだ。トッド氏の重要視している点は、事実に基づく統計数値データを如何に先入観なくして分析・出力すること、さらに、史実に基づく歴史観比較が付加されることにある。歴史は繰り返すの如く事件事故、災害も過去の史実が参考になる場合も多く、特に政治家の政策などは「前例」を重視する人間が多いのはそこに理由がある。だが、悪い事に過去20~30年の歴史でも政府の政策で最新技術を駆逐した対処にはなっていないのが残念だ。今回のコロナ対策で、多くの国々が「マスク・対処機器」がほとんど自国以外であったことの誤りが浮かび上がったことは今後の政策にも参考になったと思う。
『エマニュエル・トッドの思考地図』エマニュエル・トッド
「概要」これから世界はどこへ向かうのか?危機の時代を見通す真の思考法を世界で初めて語りつくす。困難な時代/思考を可能にする土台/なぜ哲学は役に立たないか/混沌から法則を見いだす/思考とは手仕事/考えるのではなく、学ぶ/能力はだれもが平等/思考のフレーム/処理能力としての知性/記憶力という知性/創造的知性/機能不全に注目する
1、インプット(入力 脳をデータバンク化せよ)
読書/分野横断的に読む(古典・歴史)/新たに学んだことを掘り下げる
2、創造 (発見・着想は事実から生まれる)
データ蓄積から着想へ/アイディアにどう向き合うか/データからの思いつき(直感)を形にする
3、検証(視点 ルーティンの外に出る)
外の世界へと出る経験/歴史との比較/テーだの分類/別の世界を想定する
4、分析(現実をどう切り取るか)
社会を観察する目/歴史学、統計学との出会い/相関係数から読み解く/先入観を排除
5、出力(書くことと話すこと)
社会への発言/書くことは苦手/友人を説得するように/書きながら考えない
6、倫理 (批判にどう対峙するか)
学術界からの反感/思想というバイアス/同調圧力に抗う/価値観ではなく知性の戦い
7、未来 (予測とは芸術的な行為である)
現実には服従せよ/進行中の危機を思考する/歴史という補助線
思考から予測へ――三つのフェーズ/芸術的行為としての予測