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ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

金持ちと権力者ほどシラを切るのがうまい『1ドル銀貨の遺言』

2022-12-21 10:13:00 | ミステリー小説から見えるもの
「お金と権力」があれば、多くの成功者含め頂点に立つ人物は目的達成のため自分自ら手を下さない。このミステリーには「お金」絡みの強請から、「お金」でどんなヤバイ仕事でも請う輩まで、人は「お金と権力」には弱く、ましてや大金が絡めばその理由などどうでもいいのだ。「ドン」になればなるほど最後の最後までシラを通し、周りに犠牲者が増えるのだ。
『1ドル銀貨の遺言』レーレンス・ブロック
「概要」たれ込み屋のスピナーが殺された。その二ヵ月ほど前、彼はスカダーに一通の封書を託していた―自分が死んだら開封してほしいと言って。そこに記されていたのは彼が三人の人間をゆすっていたこと、そしてその中の誰かに命を狙われていたことだった。ニューヨークを舞台に感傷的な筆で描く人気ハードボイルド。
ー三人の人間に会い、感触を得た後、次に出てくる時を待つことになる。殺人を依頼した人間は更に証拠隠滅を図るために深入りし最後を終えようとする。スカダーはその相手の出方を見極め真犯人を割り出そうとした。だが、事件が事件を呼んでしまう羽目になる。


出世の為仲間を犠牲にする公的組織『窓際のスパイ』

2022-12-15 09:11:00 | ミステリー小説から見えるもの
出世を熱望するための偽工作が裏目に殺害ミステリーが展開する。出世の為、金の為に動く人間の貪欲な公的世界がこの小説で暴露される。法を守る側の人間が高評価を得ようと偽工作、政治家と官僚との事件が日本でもあるように裏社会は部下を犠牲にして「汚い」やり方を考えるものだ。
『窓際のスパイ』ミック・ヘロン
「概要」〈泥沼の家〉と呼ばれるその部署は、英国情報部の最下層だ。不祥事を起こした部員はここに送り込まれ、飼い殺しにされるのだ。若き部員カートライトも訓練中のミスのせいでここに放り込まれ、連日ゴミ漁りのような仕事をさせられていた。もう俺に明日はないのか? ところが英国全土を揺るがす大事件で、状況は一変した。一か八か、返り咲きを賭けて〈泥沼の家〉が動き出す!
英国公安部・MIー6の落ちこぼれ人材が集められた場所「泥沼の家」
ーこの「泥沼の家」(左遷部屋)に入れられた人材は元の華やかな出世コースに戻った履歴がない。その華やかなコースで出世の為、上司と結託、仲間を蹴落とし、さらに偽工作で他国の要人と密になることを企んだ輩がいる。
ーその輩が企てた「偽工作」人に恨みを掻き立てる「拿捕した人質の首を切り晒す」を実行させ、「泥沼の家」の部隊を犠牲に出世を巧むが進められた。
ーだが、執行するべき人材に不安が湧き、仲間を絞殺、公安部の上司の計画は裏目に出ることになる。


信頼できる人とシステム『扉の中』

2022-12-04 08:21:23 | ミステリー小説から見えるもの
精神科医師と患者。超えてはいけない壁を越え、レイプの現場を見られた事で事件に展開する。精神科医は患者の弱点と患者の背景を知り尽くしていることから犯罪に利用することは最も簡単だった。 現代、個人情報(健康状態・銀行詳細)の漏洩は様に犯人にとっては「絶好の証拠」にも変わり、窮地に追い込む事も可能だと言うことを知っておくべきだ。果たしてマイナンバー制度は現システムでは未だ信頼できるレベルではない。
『扉の中』デニーズ・ミーナ
「概要」二日酔いの頭を抱えたモーリーンが目の端でとらえた鮮やかな赤色。彼女の自宅の居間には、幾重にも巻きつけられた紐が皮膚にくいこみ、頭がごろりと落ちてきそうなほど深く切りつけられた喉元から、身体中の血を噴き出して息絶えた恋人の無残な姿があった…過去の精神病歴が災いし、警察や家族から殺人犯と目された彼女は、嫌疑を晴らすため自ら辛い過去の記憶を手繰り寄せる。
ー離婚した母、母親はアル中であり、弟は薬の売人、モーリーンは精神病患者として扱われ、誰も事件に関する証言に信憑性があるとは思われない状況でモーリーンが犯人にしたれられるが、自分自身で証拠を掴み、犯人逮捕に動き始める。
ー犯人はモーリーンの行動をよく知り尽くし、自分の罪をモーリーンに被せようと企む。


人生のターニングポイントを見極める『東の果て、夜へ』

2022-12-01 07:44:44 | ミステリー小説から見えるもの
悪の道から足を洗い、自分自身で真っ当な人生を見出す、そんな一人の男の人生観小説だ。人間社会には頼れる人と、頼る人がいる。能力のない、力のない者は誰かに縋り付くことで生きて行く。だが、経験と歳と共に「自分の夢・仕事・生活」を自分の力で想い通りにしたいという時、どうしたら良いのか判断に迷う。 誰もが遭遇する人生のターニングポイント・タイミング「悟り」(自分で判断する)には勇気と行動がいる、ということだ。 (人生のターニングポイント:仕事を決める、結婚する、家族を守る、独立するなど)
『東の果て、夜へ』ビル・ビバリー
「概要」ロサンゼルスのスラム街「ザ・ボクシズ」で犯罪組織に所属する15歳の少年、イースト。麻薬斡旋所の見張りを担当、だが警察の強制捜査によって施設が押さえられてしまう。責任を問われたイーストにボスが命令を下す――「ある男を殺せ」。
標的である裏切り者の判事は遠く東に離れたウィスコンシン州へ旅行中で、組織幹部が裁かれる法廷に証人として立つため、来週ロサンゼルスに戻ってくる。その前に始末する。イーストに同行するのは、13歳にして殺し屋である不仲の弟をはじめとした少年たち3名。崩壊の予感と軋轢を抱えながら、2000マイルに及ぶ旅が始まるが……。罪の意識。同行者たちとの衝突。そして初めて見るロサンゼルスの「外」の光景が、イーストの心をかき乱していく。
ーロス以外に外に立たことがないイースト。2つ年上の輩が上に立ち、メカ得意の輩と、イーストの野蛮な弟の四人が2000kmに及ぶ旅にバンで共にする。
ー旅ではさまざまな危機と混乱が四人を襲った。ラスベガスのカジノ、レーカー車、ガソリンスタンド、少年のギャング、拳銃の購入、車を盗み逃げ回るなど、最後まで残ったのはイースト。イーストも故郷へは帰らず、何もかも無くし、一人になった時、ゲームセンターで雇われ自分なりの生計を始める。
ー信頼関係を気づいた雇い主が亡くなるとまたしても一人となる。だが亡くなったかと思った弟の突然の訪問でこれから先の人生を悟ることになる。


人を溺れさせる仕組みの世界『生か、死か』

2022-11-25 07:39:35 | ミステリー小説から見えるもの
「金と権力」。この物語は検事、警察、FBIが結託し、現金輸送強奪襲撃事件の真相証拠書類を改竄、不利となる確たる証拠を隠滅させ莫大な金を奪い取ったミステリー事件だ。その裏には大金を隠し持ったという嘘を仕立てられ犠牲者(犯罪者)となり10年の投獄を科せらる。だが、最後の日の前日に脱獄する。背景には家族と金が絡む。人は時代が変わっても「金と権力」には弱い。現代、世を創る、守る側がその一端に加担するケースが多く、世間に告発する者がいない限り闇の中だ。政治家を含め暗黒の世界に足を入れた者は永遠に安楽な夢は見ることができないだろう。
『生か死か』マイケル・ロボサム
「概要」四名が死亡した現金輸送車襲撃事件の共犯として十年の刑に服していたオーディ・パーマー。奪われた七百万ドルの行方を知るとされる彼は、服役中どれほど脅されても金の在処(ありか)を吐くことはなかった。時は経ち、出所日前夜。オーディは突如脱獄を果たす。もう一日待てば、自由も金も手に入ったはずなのに……
ー兄弟でいつも兄は金を求めさぎ、強盗を仕掛けていたが、遂に大金を載せた現金輸送車狙撃事件で致命的な怪我をしどこかに消える。弟はたまたま偶然にもその場所で車を止め休憩をしていたところだった。
ー仕掛け人たちはそれをうまく利用し、事件の真相を改竄、隠滅し、弟があたかも大金を持ち出し隠したことで極悪殺人犯罪者だと投獄させる。
愛にはそうさせるものがある、狂気へと駆り立てるものが。愛は人を愚かにも壊しもしないが、脆く傷つきやくする。人を人にする。真の姿にする」
「人生は短い、愛は果てしない。明日がないつもりで生きよ」


女性パワーが戦争を失くす力になる『彼岸花が咲く島』

2022-11-17 07:46:14 | ミステリー小説から見えるもの
歴史を作り、国を起こす者は主として男、女性は下部に置かれ子供を産む道具としての存在しかないのが過去。だがこの島はそんな国々から避難してきた戦争の無い、人種差別もしない平和を求めた島民しかいない、を構築。男の世界は時に貪欲さが戦争で全てを破壊、疲弊させ、国を独占的することに満足する、そんな世界を変えるのはやはり女性のパワーになるかもしれない。日本の政府ももっと家族・家庭・社会を守る側の女性を採用するのは必須だ。
『彼岸花が咲く島』李琴峰2022年11月
「概要」記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。
「ニライカナイ」(日本)から逃れてきた民族が住み着いた島、彼岸花が咲き乱れる島には「女性優位」な社会を構築していた。棟梁というべき人物は年老いた女性で「大ノロ」と言われ島中を見守り、祭事祭壇の管理の役割をしていた。
ー一人の少女が漂流、それを助けたことでこの島の言語、文化、歴史を知ることになる。
島に咲く「彼岸花」(麻酔薬として利用)で島を営むことで暮らすことになる。


弱者への虐待・地位と名誉『最後の真実』

2022-11-15 07:31:59 | ミステリー小説から見えるもの
地位と名誉を守る為、力のない家族が犠牲となり、家族がバラバラにされ苦難の人生を招くサスペンス小説だ。人の幸不幸とはそんなお偉いさん達により捻じ曲げられ苦労を強いられていくのだとつくづく「大人の我儘+世間体」を思い知る現代にも通じる「弱者への虐待」小説なのだ。
『最後の真実』リズ・アレン
「概要」非情なコールガール組織、暗躍するギャング! アイルランドの女性記者が自らの体験をもとにして書いた法廷推理サスペンス。ダブリンで起きた高級売春婦のレイプ事件の容疑者、有力ギャングのボスの息子を弁護するデボラに黒い疑惑が…!?
家系の名誉を守る為に一つの家族を犠牲にしたサスペンスストーリーだ。地位と名誉を汚さないように売春に引き込まれた判事は後日償いをすることに目覚める。それは判事の父親が妊娠させた女性を強制的に屋敷に住む乱暴な男の嫁に仕組んだこと。その後虐待され続けた最初の女の子は施設に入れられ、長男は自殺、次女も施設から売春婦となり、家族の人間関係を恥じることになったからだった。
最初の女の子デボラは頭脳明晰で弁護士になり、ギャングの案件を担当することになると同僚が嫉妬から罠を仕組みデボラを事件に巻き込んでいく。
ージャーナリストのアレックスは真相を追求しようとギャングとデボラの関係を暴いていくが、そこに同僚の罠に乗せられ、報道からデボラは弁護士資格剥奪、解雇となる。その後アレックスはギャングのボスからの提案で疑惑の解明と証拠を警察に突き出すとデボラの容疑は消えるが、
複雑な家族関係の過去が暴かれていく。それはデボラと次女ステファニーは親違いの姉妹であることが判明していく



忠義・忠愛とは歴史が語る『元年春之祭』

2022-11-09 07:41:37 | ミステリー小説から見えるもの
中国の楚王は基礎を武力ではなく巫術を称え祭儀を重んじた。その命を授かる観一家に殺害異変が起きる。さらにもう一方の家族へ殺害が広がる。そこには巫女に関わる親族間での厳しい規則と躾が人を変え殺害を巻き起こすミステリー、と思いきや、犯人はさらに別人。謎を解こうとする豪族の娘葵は頭脳明晰で豊富な知識を持つ、だが人の心を読む、情に薄く人への愛情が欠ける性格がキーとなる。葵の目的は「邪教の普及」、それと「巫女の禁忌」にまつわる侍女の行動
中国の古典、社形祭祈儀式、名称など難しい単語が多く出るが、歴史を語る論語、礼記、詩経、漢書など、兵を持って楚国を破った伍子胥、楚国の復興に心を砕いた屈原、共に2人は君主への忠愛から自殺している。屈原が実は女性だったと言う記述には驚愕だ。 
『元年春之祭』陸秋槎
「概要」2000年以上前、前漢時代の中国。かつて国の祭祀を担った名家、観(かん)一族は、春の祭儀を準備していた。その折、当主の妹が何者かに殺されてしまう。しかも現場に通じる道には人の目があったというのに、その犯人はどこかに消えてしまったのだ。古礼の見聞を深めるため観家に滞在していた豪族の娘、於陵葵(おりょう・き)は、その才気で解決に挑む。連続する事件と、四年前の前当主一家惨殺との関係は? 漢籍から宗教学まで、あらゆる知識を駆使した推理合戦の果てに、少女は悲劇の全貌を見出す――気鋭の中国人作家が読者に挑戦する華文本格ミステリ
「民に親愛を教うるは、孝より善きは莫し。民に礼順を教うるは、悌より善きは莫し。風を移し俗を易うるは、楽より善きは莫し。上を安じ民を治むるは、礼より善きは莫し」
「中国の君主は礼儀に明らかなれど人の心を知るにつたなし」
「五際六情」五際とは卯・酉・午・戌・亥、地支の年になると陰陽終始際会隣政治の大きな動揺が起こる 卯酉の際は改政と偽り、午亥の際は革命と偽る 六情とは日付に関わり東西南北、上下の方位を表すという占い
「左氏春秋」の三不朽「徳を立て、功を立て、言を立てる」
「論語」「住く者は諌むべからず」(すぎた事はもう言わない)


事件がボケた小説『ストレンジ・シティ』

2022-11-08 07:56:16 | ミステリー小説から見えるもの
事件に関係する筋道の内容が少なく、場所も人も点々としその延々とつづく詳細(余計な物知り情報)ばかりが拘る内容は読者を飽きさせる。補足、補助説明が長過ぎ、よってミステリー事件に興味がなくなってしまった。
『ストレンジ・シティ』ローラ・リップパン
「概要」私立探偵テスは、怪しい古物商の男ケネディから偽の骨董を売りつけてきた相手を捜してほしいと依頼された。その相手は、毎年エドガー・アラン・ポーの生誕日にポーの墓参りにくる謎の男らしい。しかし生誕日の夜、遠くから様子をうかがうテスの目前で、謎の男が何者かに射殺されてしまった!依頼人が殺人に関わっているのか悩むテスの前に、ミステリの父ポーに絡まる謎が浮かび上がる。


人間の感、透視能力で見えるもの『塩の湿地に消えゆく前に』

2022-11-01 07:44:18 | ミステリー小説から見えるもの
テレパシーなど人には特別な才能がある人がいる。人の思いなどを「透視」することで危機を感知して予防対策を立てることで出来れば無敵となるが。さて本書は物知りの著者だが場所・事柄が点々としすぎ、また文章の「。」が多く文章のつながりが分かり難い。結局盛り上がりがないままで終わるミステリー、ちょっと不満。
『塩の湿地に消えゆく前に』ケイトリン・マレン
「概要」他人の思いを透視ことのできる少女クララは、ある日を境に若い女たちが傷つけられる不吉な姿を頻繁に視るようになる。カジノのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとするが……


世の中で最後に頼れるのは自分だけ『暗黒街の女』

2022-10-24 07:24:36 | ミステリー小説から見えるもの
詐欺師、盗人など「悪事」の終末は「信じれるのは自分だけ」と言うことかもしれない。人は最後に裏切る、その時に証拠たるべきものを自分自身で確保しておくことが「悪」に生きる道だ。現代、ビジネスでの賄賂は日常茶飯事のようだが、そんな時でも必ず自分の「証拠」を残しておくべきだと言うことだ。事件には「隠し撮りテープ」なるものがあるが自分を守るのは他人ではなく自分しか居ないと言うことを知っておくべきなのだ
『暗黒街の女』ミーガン・アボット
「概要」グロリアという女性、エレガントな衣服を身にまとった彼女はギャングの幹部で、暗黒街で一目置かれる存在だった。グロリアは私に賭博、運び屋などの仕事をこなして報酬を受ける仕事を任せる。やがて裏社会でしだいに顔を知られていくと一人のギャンブラーに心を奪われ大きく運命が変わる
ーグロリアの助手的な仕事、それはお金の回収、と警察弁護士等への賄賂を渡す作業だがある時に博打にいつも負ける男に興味を持ち体を許す。 グロリアは内々それを知りながら様子を見ていたがある日、回収した金が盗まれたことで手を入れる。
ー詐欺師でもある男は博打生活で負けると毛皮商売人から金を巻き取り、遂にその商売人を殺害する。グロリアは私を連れてその男のアパートに行き容赦なく殺害、後処理はギャングに頼んだ。それは互いに今までの経緯をよく知り、互いをかばい合う仲になっていると言う証拠だ。
ーやがて警察が詐欺師の男の行方を捜査し始め、全てを白状した。その為に証拠となるものを捨てず持っていたことが私を救うことになった


霊媒師とマジシャンのトリック『第四の扉』

2022-10-21 07:53:24 | ミステリー小説から見えるもの
@「人の不幸」を裏手に霊能力者として金持ちに取り憑く。金持ちの息子(マジシャンに憧れた)にバレたことで殺害に発展するが、トリックを逆用して遂に殺害されてしまう。結末は意外な展開となる。「人の弱み・不幸」に絡んだ悪毒商法は多く、一度絡まれると「神頼み」のように全霊的に、深く取り憑かれていくのが恐ろしい。幸不幸は自分自身の行動次第、お金で解決する事はないのだ。
『第四の扉』ポール・アルテ
「概要」オックスフォード近郊の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。数年前に密室状態の屋根裏部屋で、全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が続発する。隣人の作家アーサーが襲われると同時に、その息子ヘンリーが失踪。しかもヘンリーは数日後、同時刻に別々の場所で目撃される。そして、呪われた屋根裏部屋での交霊実験のさなか、またもや密室殺人が…。
謎の霊媒師夫妻が引っ越してくると霊媒に頼り多くの客が来て金儲けをするようになる。その引越し先がこの高名な作家の主人の館で先日その妻が自殺、夫は霊媒師からその妻の声を聞くため大金を払っていた。 夫の息子は騙されていると忠告するが父親は聞き耳もたず熱中する。
やがて霊媒師夫妻の妻と息子は好意になりま巻き込まれ、偽りの霊媒を隠すために息子を殺そうと企む。。。。結末は意外な展開となり驚愕するミステリー小説だ。


大きな出来事で人生が変わる『交差点に眠る』

2022-09-30 07:43:51 | ミステリー小説から見えるもの
人間は目の前の事件事故で大きく人生が変わることがある。まさに主人公である女性デザイナーの悠季は偶然にも殺害現場を目の前にしたことで一変する。それは不良生活からの脱皮であり、自分に自信が持てる事をやり遂げる意志の強さを持ったことだ、と悟ったからだ。
『交差点に眠る』赤川次郎
「概要」廃屋で激しく愛し合った男女が、直後に撃ち殺された。偶然一部始終を目撃していた不良少女・悠季は二人の堂々とした死にざまに衝撃を受け、自らのふがいない生き方をやめた。十三年が経ち、ファッションデザイナーとして成功した悠季。ところが大切なショーの前夜、人生二度目の射殺事件と関わるハメに……。
ーヤクザの世襲争いに巻き込まれ、仕事上モデルとして活躍していた女性もその争いに巻き込まれる、其中心にいる人物が不良時代に殺害現場を経験したことで、一変し、デザイナーで成功している悠季である。
ー複雑な人間関係からヤクザの親子、不良時代の元カレ、ファッションモデルなど何故か悠季を頼りに逃げてくるとそれを放っておけない性格からヤクザ殺しまでするような事件にはまる。が、男勝の度胸で難関をうまく超えていく行動力はすざましく逞しく見える。
ー最後にはモデルファンマニアで権力を利用し賄賂等を弱者から奪っていた刑事がこの事件の幅を広げ繰り広げていく。その刑事は実は不良時代の元カレを利用していたこともわかった。


リドルストーリーとは、これから増えそうな感が『追想五断章』

2022-09-17 07:44:00 | ミステリー小説から見えるもの
「リドルストーリー」(結末を読者の想像に委ねる)短編小説に託した可南子の父は、世に遺したのは謎を秘めた真実だった。密室事件にありがちな当事者しか知らない真実を娘にも告白せず半永久に残る小説に託したのだ。読者の想像、予測に委ねた作品は「消化不良」となりがちで、「後味」が悪い。だが、今後「我が人生」としてそういった内容も遺書をネット上に残す人も増えてくる気がする。それは今までずっと秘めていたことを告白し、気持ちを軽くして逝きたい人が増えると感じる
『追想五断章』米澤穂信
「概要」5つのリドルストーリーに秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受け5つのリドルストーリーを探し始める。実はその著者は生前「アントワープの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり……
「リドルストーリー」とは「読者に委ねて結末を書かない小説」
夫婦と幼い娘3人が家族が旅に出る。ある晩妻が自殺を図り、夫がその殺人容疑で逮捕される。夫は紳士で金持ち、だが酒と女に酔いしれていた。妻は貞淑で高潔、女優であった。 既に夫も癌で亡くなり、成熟した一人娘可南子が父の幻の小説5篇があると知り、探そうと古書店のアルバイト芳光に依頼する。いずれもその5点がリドルストーリーであり一行の要約文があることは知っていた。
ー芳光は可能性のある古い人脈などから4編を探し出し最後の5編目が病院の看護婦に委ねていた。それらを繋げると「母の死亡が自殺だったのか他殺だったのか」が読みとれ、それを反故にしようとしていた存在が娘だった。


人間の知性が導き出すもの『カンパニー・マン』(上巻・下巻)

2022-09-13 07:42:53 | ミステリー小説から見えるもの
@上巻、寂れた漁村を大都市に成長させたマクノートン社には隠された秘密が多数あった。経営者と労働者の紛争を組合組織を作り、労使問題する火の粉を経営者側からの組合員が防ぐ役割を持たせた。それがある殺人事件につながる。さらに人の心が読めると言うの力を活かし秘密捜査員ヘイズを利用して経営者と労働者との関係から事件に発展しないように調査を開始させる。
下巻、このSFミステリー小説は現代に起きるかのような予言にも思えた。それは「人間の知性が新たな欲を醸し出し、新たな文明が街を、国を、世界を作り出す。やがて人間が貪欲となるにつれ領土を増やそうと人間同士の戦争を引き起こす。それが敷いては人類を壊滅状態に導きだす。最終的には地球の壊滅をも引き出してしまう」と言うメッセージだ。今まさに原爆の使用有と独裁者のプーチンが叫び出した経緯が、この小説の人類滅亡の予言にピッタリ当たるのでは無いかと心配だ。