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ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

自殺か他殺かを暴くミステリー『カッコウの呼び声(上)』

2023-04-05 08:04:35 | ミステリー小説から見えるもの
超人気の女優が自殺したミステリーな事件。殺人事件だと断定する兄は妹の出自、人間関係などが明らかになるにつれ昔養護施設養にいた妹に起きた事、両親を探し求めていたことなど明らかになる。ある事に気がつく更に、自殺する前までの足取り、仲間、近隣の生活環境が克明になり始めた。妹が昔居た養護施設と本当の両親を見つけ出すために動いていた。
『カッコウの呼び声(上)』ロバート・ガルブレイス
「概要」悩みを抱えたスーパー・モデルが、ある雪の日に高級住宅街のバルコニーから墜落死した。自殺と断定した警察を疑った兄は、私立探偵コーモラン・ストライクに調査を依頼する。ストライクはオックスフォードを中退後従軍し、アフガン戦争で片足切断、借金まみれでフィアンセにも逃げられ、最低の人生を送っていた。これは大きなヤマだ。この事件が運命を変えるきっかけになるかもしれない……。しがない私立探偵の大活躍!
□自殺と見られたルーラは養女として弁護士家族の一員になった。その後超有名モデルまで登り詰め今回の事件が発生した。ルーラは養護施設で育った孤児で両親は共に黒人だという、その後、その病気で療養中の母を見つける。ルーラはマスコミを避け、一部の仲間も避けながら気ままに話せる仲間だけで暮らせることを望んでいた。


怨恨は末代までとはこの事『大鞠家殺人事件』

2023-03-21 08:37:00 | ミステリー小説から見えるもの
@結末のミステリーは摂って付けたような寓話(著名な探偵小説をもじる)のようになるが、人の恨みは世代を超えて続くものだと恐ろしさも感じた。親族の絆はやはり一番強く、腹違い・養子縁組などの「絆」とはいざとなるとまるっきり違うということを物語っている。
『大鞠家殺人事件』芦辺拓
「概要」斬りつけられた血まみれの美女、夜ごと舞いおどる赤頭の小鬼、酒で溺死させられた死体―怪異、謎解き、驚愕、これぞ本格推理。大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場――戦下の昭和18年、婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁ぐことになった陸軍軍人の娘、中久世美禰子。だが夫は軍医として出征することになり、一癖も二癖もある大鞠家の人々のなかに彼女は単身残される。戦局が悪化の一途をたどる中、大鞠家ではある晩“流血の大惨事”が発生する。危機的状況の中、誰が、なぜ、どうやってこのような奇怪な殺人を?
□当主の首吊り殺害となるが、妙な事にその前にその娘に切付け負傷を負わせ、偽の血糊を撒き、警察、検死の医者まで立ち会っていた時間帯に殺害が発生した。その後、その妻が酒樽から見つかり、その奥にいた祖母も死亡が確認された。
□当主は元丁稚で成り上がりの婿入りとなり、結婚後は贅沢三昧を繰り返す事になる。そこに長男の嫁が同居し始めると、当主の長女が嫁をいびり始めると言う珍事も多々あった。
□その昔、この商家の坊ちゃんが神隠しに遭い行方不明となり、その長女が元丁稚の男を婿として引き入れた経緯があった。
怨恨を持ち続け、4人の殺害に及んだ。その影には不浄な男女関係がありミステリーを複雑にしていた。


老年隠密としての役割『伊賀の残光』

2023-03-17 08:06:12 | ミステリー小説から見えるもの
身分を隠し「隠密」として長年「門番」として務めていた武士に他の藩での「雇われ隠密」が増え始め、暗殺事件が発生、藩の内部抗争に巻き込まれる物語である。現代で言う企業が「私立探偵」を雇い、その探偵が深入りしすぎて抹殺される事件となる。社会が不安定になると「不安」解消と「自己防衛」の為に「探偵・警備」を強化する事に値する、そんな探偵が事件を解き明かしていく
『伊賀の残光』青山文平
「概要」その誇りに、囚われるな――。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。伊賀衆ながら伊賀を知らず、門番の御役目とサツキ栽培で活計(たつき)を立てていた。だがある日、伊賀同心の友が殺される。大金を得たばかりという友の死の謎を探る中、晋平は裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、そして大火の気配を嗅ぎ取った。老いてこそ怯まず、一刀流の俊傑が江戸に澱む闇を斬る。
三人の老い始めた同朋が次々に殺され亡くなっていく、それは伊賀衆の「隠密」として隠れ潜んで「門番」を長年務めてきた同心だった。最初は物取りかと疑ったが、実は武士から平民になることで江戸を自由に離れることができ「武士を売る」ことで大金を得ることができたのだ。
□「隠密」としてある藩邸を探っていた事で、その内部事情を知ったことが事件を起こしたのだ。それは江戸屋敷を務める武士と地方の武士との闘争に巻き込まれたのだ。
文中で見つけた気になる言葉:「人を動かすのは技ではなく器です」


地位の格差は「暗黙」『花ふぶき』

2023-03-16 08:00:50 | ミステリー小説から見えるもの
役人の横領を隠す為に細工師を犯人に仕立て殺害、その妻も訴えたが逆に乱心者として殺害する。その家族、浄瑠璃の師(姉妹)が復讐、仇討ちとして動き始める中で元旗本の同心がどのような判断をしていくかの物語である。現代でも地位を利用した悪行は頻繁にある。内部告発が無いだけなのかも知れないが、自分の人生も犠牲にしてまでも正義を語る現代人は皆無だろう。「闇」は「時が闇の中に消す」が通常だろう。
『花ふぶき』辻堂魁
「概要」隅田川・柳原堤(やなぎわらづつみ)で物乞いと浪人が次々と斬殺された。殺しの夜の川べりには奇声が響いていたという。探索を命じられた北町奉行所の平同心・日暮龍平は、絶大な人気を誇る女義太夫姉妹の存在を知る。その美しく物悲しい節回しとは対照的な、ひいき筋の旗本の異様な興奮振りを龍平は疑うが……身分を楯にした傲慢な若侍の暴走を、龍平の剛剣が裁く
□勘定奉行の役職の息子が誘拐され身代金を請求される。だが1ヶ月経っても進展が無い。ところが裏での密約が交わされ、勘定奉行の脇役が殺されると町奉行同心の龍平の出方が期待される。



村の復興で重要視されるべき事『Iの悲劇』

2023-03-06 08:18:51 | ミステリー小説から見えるもの
@10世帯の家族がこの人里離れた無人の寂しい村にIターンし、それぞれの生活を楽しむことを目的に暮らし始める。ところが、人間関係・隣近所等の問題に接し、遂に全て去って行く。それは町の予算が無く全てに対応しきれない貧そな村の宿命なのだ、と気づく。ミステリーは最後に町の企みが明かされる。町の予算分割「無い袖は振れない」(何を優先にすべきか)をリーダーたるべき管理者(町長)は優先すべきで、名誉等に拘ると最悪の財務状態になるばかりか、町民の支持も低下する
『 Iの悲劇』米澤穂信
「概要』一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。山あいの小さな集落、簑石。六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。
彼らが向き合うことになったのは、一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-–。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。
「兄貴は何のためにその仕事をしているんだ。死んだ街に人生を捧げても、幸せにはなれんよ」
「蓑石の再生よりも先にお金を使うべきことが、やっぱりあると思います。他が後回しになって誰かが苦しむんだって」(村の数人のために無い予算を分けるのは得策ではない)


才能は生かされて役に立つ『龍は眠る』

2023-03-02 07:42:51 | ミステリー小説から見えるもの
超常能力者「サイキック」、他人の心を読める人物は今の世でも「変わり者」として「除け者扱い」されるかも知れない。このミステリーでは超常能力者により事件を未然に防ぐ「人の役に立つ」役割を複雑に絡んだ悪巧みを暴いていく小説だ。 人の隠れた才能は、引き出し方、引き出され方次第で「起きる龍」になるかも知れない。生まれながらの才能、埋もれた才能、どちらも上手く引き出され、生かされば最高の幸せとなる。
『龍は眠る』宮部みゆき
「概要」嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ……
文中での言葉:
他人を騙す人間は、その隙に手をいれて相手を探ります」(隙とは情に寄りかかって判断を躊躇うこと)
「ペテン師を見破るには自分にも分からないことを何度も辛抱強く繰り返し質問すること」
自分の中に一頭の龍を飼っているかも知れません。底知れない力を秘めた、不可思議な姿の竜をね。それは眠っていたり、起きていたり、暴れていたり、病んでいたりする」(人間の隠れた才能)


人生の歯車が狂うと起こること『生と死にまつわるいくつかの現実』

2023-02-27 08:30:20 | ミステリー小説から見えるもの
会社の解雇通告、夫婦の口喧嘩、そして憎しみへと変わる。吐口を求めて弱い他人への「いじめ」が始まり「暴行」、そして「殺人事件」へと展開するミステリー小説。世間のいじめもやはり「自分より弱い者」への抵抗・反抗かも知れない。身体的安心安定を求めたいと、どこかで歯車が食い違った現象だろうか。
『生と死にまつわるいくつかの現実』ベリンダ・バウアー
「概要」イングランド南西部の海岸沿いで、一人歩きの女性を狙った連続暴行殺人事件が起きた。被害者はいずれも目出し帽の男に服を脱がされ、犯行現場から母親に電話するよう強要されていた。現場近くの小さな町に住む10歳の少女ルビーは、民警団を立ち上げて犯人を追跡する父親を助けようとするが……。崩壊寸前の家族や学校でのいじめに心を痛める少女と、彼女を取り巻く人々の心模様を描く衝撃のサイコ・スリラー!
夫の会社のリストラで無職となる。それは夫婦の口喧嘩を引き起こし、夫は気晴らしになる場所を求めて外出する機会が増える。
ー不満の吐口を酒と無職になった同僚との愚痴の場へと広がる。
ーやがて街では若い少女・女性の暴行事件が数件発生、やがて数件の殺人事件とへ発展する。
ールビー10歳の娘、娘が色々なことを学校や家で学ぶ。その中には身体の変化、男の子と女の子の違い、赤ちゃんなど、娘は経験と学習で大人の気持ちを理解して変化していく。


愛する人への選択『秘密』

2023-02-11 08:14:01 | ミステリー小説から見えるもの
現実にはあり得ない娘の体に妻が「憑依」、夫との異様な生活が始まる、そんな冒頭からのミステリーが最後には一変する。「秘密」とは信頼の上にある相互関係で、互いに秘密を守るのは容易では無い。亡くなった妻のことを悼み、悲しむ夫に対してフリをしていく様は娘だけの「秘密」だったのか。「自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶ」と締める
『秘密』東野圭吾
「概要」運命は、愛する人を二度奪っていく。自動車部品メーカーで働く39歳の杉田平介は妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美と暮らしていた。長野の実家に行く妻と娘を乗せたスキーバスが崖から転落してしまう。 妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。 その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密"の生活が始まった。 外見は小学生ながら今までどおり家事をこなす妻は、やがて藻奈美の代わりに 新しい人生を送りたいと決意し、私立中学を受験、その後は医学部を目指して共学の高校を受験する。年頃になった彼女の周囲には男性の影がちらつき、 平介は妻であって娘でもある彼女への関係に苦しむようになる。
ー事故にあい娘に憑依した妻と夫との微妙な関係が本筋となる。母と娘、妻と夫の関係を互いに想い憑依したように見せかけた心遣い。
ー文中の気になる言葉「1つ破ると、2つ破るのも、3つ破るのも同じだと思っちゃう。そうしてどんどんダメになっていっちゃう。私の前の人生は、それの典型だった。その結果、小学校から短大まで14年間も学校と名のつくところに通っていながら、生きていくための術が何一つ身に付かなかったの。私は、同じことを2度と繰り返したくないわけ。あんなに深い後悔を、もう一度するのは死んでも嫌いなの」


「癖」は止めれない『ギャンブラーが多すぎる』

2023-02-08 08:12:24 | ミステリー小説から見えるもの
ギャンブルをする者は辞めれない、止めれない癖がある。言葉では誓っても身体が自然と向かい合う。「癖」(麻痺状態)は誰にでもあるように「つい仕草が出てしまう」。 よく親子でよく似た「癖」を視ることがあるが癖は映るのか、遺伝子がそうするのか不思議だ。
『ギャンブラーが多すぎる』ドナルド・E・ウエストレイク
「概要」30代のしがないタクシー運転手のチェットは大のギャンブル好き。偶然乗り合わせた客から競馬の勝ち馬情報を入手し、馴染みのノミ屋トミーに35ドル渡したところ、情報が的中。配当金を受け取りに意気揚々とトミーを訪ねると、ノミ屋は胸に銃弾を浴びて殺されていた。どうやら複雑な事情が絡んでいるらしく被害者が関わっていた二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と協力して事件の真相を探ることに――。
ーギャンブルのノミや、友人に馬券をかけたところ大当たりして賞金を貰いに出向くとその友人が殺害されており、その妻が発狂の末、姿を隠した。
ーところが2つのギャングが襲い掛かり危うく命を失いかけると友人の妹が助けてくれる。訳がわからず双方のギャングの板挟みされ何かを聞き出そうとしていたことが分かった。果たして2つのギャングから追われ、その片方では警官を抱き込んでいたから、追い詰められ行先を見失う。
ー面白いのは殺害した犯人探しを記憶に頼り辿っていく、最後の謎は「夫婦喧嘩」という、謎解きのストーリーだ。



規制を乗り切るブローカーの仕掛け『医療マフィア』

2023-02-05 08:11:12 | ミステリー小説から見えるもの
@世間には表と裏、闇の世界がある。これは医薬品を納めるためブローカー(MR)が医者・医療関係者、医者、大学教授などへアプローチして成約させる。その為の「裏取引」(罠と脅し、改竄など)工作を巧みに仕組んでいく小説だ。本題は、製薬会社のMRは国の規制により表立った接待、贈与などが禁止になったことで、「裏」取引がこの小説の本題となっている。現実社会は、どの世界でも「裏と表」があり、そこの隙間に入り込み裏金を貪る輩も多いが、司令塔として指示する側には中々メスが入り難い、が現状だ。文中にある興味ある言葉「巨万の富を築いたものには、3つの敵が現れる。1つは国税、1つは妬む者、1つは金をむしり取ろうとする者」
『医療マフィア』新堂冬樹
「概要」朝からゴルフ、夜まで豪遊。札束で膨らんだ“お車代”。製薬会社が医師に対し、製品を採用してもらうべく仕掛けていた過剰な接待・贈賄は、法律で禁止された。ところが皮肉にも、規制強化につけ込む裏ビジネスが生まれる。自ら“医療マフィア”と名乗る花島正輝は、製薬会社に代わって優秀な美人医療情報担当者を送り込み、医師を籠絡。巨額の報酬を懐に入れていたのだ!
ー大手の編集長から転身してMRのボスとして動き出す男は、薬の納品契約が取れることで数億円をもたらす商売に興味を持ち、拡大しようと計画する。
ーMRの部下として数人の女性を雇用し、新たな戦略を次々に仕掛ける。だが、一部は使い捨ての役割と化し消えていく。だが、数百万もの大金で動かない者はいない。
ーある大学病院の薬事決定者である医者を標的に動き回る。医者は異常なほどの堅物で、酒、女遊び等は一切しない人物で、如何に口説けるかの仕掛けが見どころとなる。
罠を仕掛ける方が罠にかけられ、売り手側と買い手側、さらにそれを上手く脅しにかけながら天秤にかけていく仕掛けが面白い。


自分の不幸は社会のアンバランスだと錯覚『ミスター・メルセデス(下)』

2023-01-21 08:06:31 | ミステリー小説から見えるもの
何故、如何に犯人はこんな無差別殺人を犯し続けるのか。自分への不幸・不平等は社会、周りが悪いと「八つ当たり」するところなのだろうか。ミステリーの面白いところは元刑事があらゆる可能性(探究心)を追求していくところだ。この小説もそうだが、読者の多くも「電子機器」(ソフトウエア機能・PC・スマホ・無線機器など)の基本知識を必要とするストーリーが多い。世の中フェイク情報も多く、正しい知識をしっかり身につけておくことが必要だと感じた。
『ミスター・メルセデス(下)』スティーブン・キング
「概要」暴走車を駆って大量殺人を犯した男、ブレイディは、母親とともに暮らす孤独な男。
いま彼は新たな計画を練っていた――。一方、退職刑事ホッジズも犯行に使われた自動車を手がかりに、真相に近づきつつあった。開始される惨劇の秒読み。それを阻止すべく、ホッジズと仲間達は奔走する!巨匠渾身のミステリー大作。
ーホッジズと仲間で犯人の足がかりを追跡する。するとパソコンの修理サービス会社と特定の人材に絞ることができ、その一人が掛け持ち仕事でアイスクリーム販売車で街の中をゆっくり順延するようにしていた事を悟り、本人だと確証する。
ー確証した犯人像の自宅ではその犯人の母親がアルコール中毒か何かで既に死亡し、跡形も無く本人が去った事を知る。だが、メールから「今週末の楽しみ」から4千人が集まるコンサートに何かを仕掛けるのでは無いかと疑惑をもつ。警察は一代ギャングの大摘発で町中の警察がそちらに集中し、コンサートホールへは行けないと悟る。 如何に犯人を見つけ出し止めるか、爆弾も持った犯人を刺激なく捉える方法は。
多くの疑惑、1、ロックされた車を如何に盗んだのか 2、パソコンで疑惑付きのメール文を送受信 3、電子機器および爆薬に詳しい人物なのか など様々な疑惑と疑問が湧いてくる小説で、最後の最後までどうなるのかワクワクする内容が多い。


殺人鬼を逆に煽る『ミスター・メルセデス』(上巻)

2023-01-21 08:06:12 | ミステリー小説から見えるもの
盗んだ車を暴走させ多くの死傷者を引き起こした事件の殺人鬼。1通の手紙から殺人鬼の誘いサイトへ、仕掛けられる方から仕掛ける方への対策でネットに繋がった殺人鬼とチャットを実行する。 逆行する殺人鬼を煽り正体を掴もうと動き出す。(下巻へつながる)
『ミスター・メルセデス(上)』スティーブン・キング
「概要」暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終わった。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。「こいつをこの手で捕らえてやる」。決意したホッジズは、孤独な調査を開始、退職刑事VS卑劣な殺人鬼。
殺人鬼からの手紙を受け取ったホッジズは未解決事件を刑事(私立探偵役)として活動し始める。だが、元刑事にはこの悲惨な事件「ベンツで列をなす場所に突っ込み多くの死傷者」への疑問から何故ベンツの保有者が自殺に追い込まれたのかを保有者の妹から依頼される。
殺人鬼から「手紙」、それはサイトへの誘惑で仕掛けをするためのもの「青い傘」だと悟り、コンピュータハックの高校生、ジュロームと仕掛けを仕掛ける方へと解決策を練っていく。殺人鬼の標的は自殺を仕掛ける「デブの元刑事」
ー殺人鬼の最初の標的がジュロームの愛犬に。農薬を含んだ餌を用意して動き始める。


母親の挑戦は家族の未来を読む『11月に去し者』

2023-01-20 08:12:39 | ミステリー小説から見えるもの
殺し屋に追われる悪党ギドリーと家族を連れ戻そうと酒癖の悪い夫から逃げ出した母シャーロットとの逃走シーンがこの小説の展開の面白いところだ。双方に身元を明かさずいるが暫くすると悪党に情が芽生え、家族を母親を守ろうと動き始める。その逃走の中での言葉「これから出会うのは新しいことばかりだ。ここからずっと、どこへ行っても。新しいものは古いものよりずっといいかもしれない。その時になるまでわからないんだ」それは、新しいものが必ずしても良いとは限らない、だが経験しないことには誰にもそれを判断できない、と言うことだ。力強い母の情熱と新たな挑戦は子供二人の将来を見通し人生を賭けたのだ
『11月に去し者』ルー・バーニー
「概要」1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた――MWA賞受賞作家の話題作。
ーギドリーは自分が仕掛けたのはケネディー大統領の暗殺だと悟り、そのボスが証拠となる全て自分を含めて消し去ろうと殺し屋を差し向ける。
ー田舎暮らしの2女を持つ母親シャーロットは夫の酒癖と狭い田舎での生活から自分と将来の二人の子供にもっと人生経験をさせたく突然ロサンジェルスの叔母の家に家出をする。
ーギドリーは独り身で追われるのはまずいと車が故障し立ち往生したシャーロット家族と合流。身元を一介のサラリーマン風に変装し目的地へ向かうが、途中思わぬ罠と助け舟が交差する。


正体が最後まで暴かれないままで解決『笑う死体』

2023-01-18 08:46:55 | ミステリー小説から見えるもの
最後まで「笑う男」(スマイリー)の正体が暴かれる事なくミステリー事件が解決する、という不可解な小説だ。読者を迷わせ混乱させる「笑う男の正体」(身元不明)は1948年12月にオーストラリアで実際に起きた事件を元にしている、と言う小説だが、「金と嘘」に絡む人間関係の展開が中々面白く一気に読み終えたくなるミステリー小説だ。
『笑う死体』ジョセフ・ノックス
「概要」休業中のホテルで深夜、死体が発見された。指紋は切除され、顔には満面の笑み、そして謎の文字の紙片が……不可解極まりない殺人の真相を追って相棒サティと捜査に乗り出したエイダンの前に立ち塞がる欲望と狂気の罠、そして過去から甦る彼自身の忌わしき記憶。
〈笑う男(スマイリー)〉の正体を突き止め、複雑に歪んだ事件の構図を解明できるのか。
ー元麻薬等で逮捕された警官が警視に条件付きで事件の巡査を命じられる。だが、パートナーの巡査も上から目線で監視され、誰かの昇格を助ける為の補助的要員として見られていた。
ー笑う男(スマイリー)の正体が元軍人であることを一旦つかめたと思いきや人違いでその当時恋人が何かを隠して居ることから更なる探索が始まった。
ー借金を抱えた元弁護士がホテルのオーナーに成り変わりホテル売却での金を奪おうとした事が事件になる。元妻との関係、そのホテルの亡命者である警備員、娼婦の場所を提供する警備員など 


人の恨みは果てしがなく『死んだライオン』

2023-01-12 08:11:48 | ミステリー小説から見えるもの
人の恨みは果てしなく、死ぬまで纏わり憑く
戦時中に拉致し拷問にかけた本人が、その目の前で「蝉」(心臓麻痺)にやられた。ロシア、イギリスでのスパイ工作は互いに罠を仕掛け、囮をかけ、相手を揺さぶり、スパイを引き出す。元スパイが昔の恨みから同僚のスパイを死へと追い込む。現代でも繰り返しながらスパイを見つけ出しているに違いない。
『死んだライオン』ミック・ヘロン
『概要』満員のバスのなかでひっそりと死んだ老人は、元スパイだった。誰も注目しなかった小さな死に目を留めたのは、〈泥沼の家〉のリーダー、ジャクソン・ラムだけだったが……閑職に追いやられた情報部員たちが、ふたたび最前線で痛快な大活躍