Sengoku1985

何故、私は鉄道を撮り続けるのか?

Trunk Line#18

2012-06-01 | 鉄道写真


 遂に終わりが見えてきた、本連載。今回と次回の2回に渡り、中国に技術が輸出された日本のE2系(中国名”CRH2”)を中心に、中国の高速鉄道を見ていきたいと思います。タイトル写真は、正にその”CRH2A”です(写真)。



 中国に色違いのE2系があると聞き、平成19年秋に訪問した上海。上海南站を併設する虹橋空港ではなく、日本の援助で建設された巨大空港、浦東空港に着陸、SMT(上海トランスラピッド)で龍陽路へ移動、上海站近くのホテルに宿泊しました。


 そして朝、駅入口での荷物検査の後候車室(待合室)で待ち、遂に対面した”CRH2”(写真)。南京行きの8連、現在の”CRH2A”形でした。機能的にはE2系1000番台の量産先行車と同じで、8連で前後に連結が可能、2編成で16連になるという設計でした。車内もE2系初期型と同じ、全席回転リクライニングシートは好評のようでした。しかし、中国では直前にならないとホーム改札が行われず、撮影時間は僅かなものでした。


 そして乗車します。設計は恐らく275キロの筈ですが、上海近辺では220キロ程度出ていましたが、高速新線ではないせいか大半は100キロ台でした。



 南京に到着。乗って来た列車は3番ホームに到着。1番ホームにはJR東日本の夢、E2系8+8連の姿がありました(写真)。結局JR東日本ではE2系同士の連結は実現せず、J編成は10連に改められました。



 その編成写真(写真)。8+8連は長いです。


 そして現地で帰りの切符を買い(時間的制約がなければ、自分で買った方が安く買えます)、上海の滞在先に戻りました。



 翌日に上海発香港行き国際列車(香港は自国内ながら「一国二制度」で、国外同様パスポートが必要な場所である)に乗り、翌日昼着く筈が遅れ、夕方になりました。丁度列車が昼間に広州で長時間停車したときに、ホームの向こうに”CRH1”を見てしまい、それを撮りたくなってしまいました。


 そこで折角香港に入国したのに、通勤電車で再度中国入り。駅構内のような施設で通関すると、そこが経済特区である「深玔」でした。


 深玔站にはCRH1が入線し、切符もありましたが、広州から折り返し帰る時間も考え、この時はこの撮影のみで断念しました。しかし、この時に、「次回訪問は広州」と決めました。



 平成20年のゴールデンウィークに、念願の広州行きが叶いました。空港からは広州東站が接続駅で、同駅始発深玔行きも広州発同様に多く、このまま切符を購入、乗車しました。念願の”CRH1”です(写真)。カナダのボンバルディア社の設計をベースとした車両です。



 車内の様子(写真)。車両中間にドアがあり、前後に客室があります(イメージは783系”ハイパーサルーン”です)。シートは3+2ですが3列は固定、2列の一部のみ回転クロスシートで、硬座(2等)はリクライニングではありません。しかし、1両あたりの輸送力は、恐らくCRHシリーズでは最大でしょう。



 そして深玔着、停止位置に据え付けられています(写真)。このまま陸路香港に渡り、香港で泊まり、翌日香港ホンハム駅から在来型高速客車列車(機関車、客車とも160キロ対応)に乗り、広州に戻りました。


 これらの車両は、北京オリンピックに併せ発展する、中国の大鉄道旅行時代を予感させるものでした。その後どう発展したかは、次回に譲りたいと思います。


 それでは、次回にご期待ください。

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