桃太郎から300mくらいかな、ちょっと歩いたところに、日本人が経営する「ありがとう」というお店があることを知りました。こっちに来て知りました。しかも、かなりの路地裏。これ、普通、観光客には見つけられないと思います。まぁ、現地在住の人のためのお店なんでしょうけど(地球の歩き方には出てますね)。
もう、これぞまさに「海外の日本食堂」という感じのレストランでした。基本的には「寿司」がメインのお店ですね。創業17年ということでした。17年前というと、まだ全くこっちで「SUSHI」なんて目にしなった時代ですね。ある意味で、「パイオニア的存在」なのかな。とある知人の紹介で、このお店を開業するに至ったそうです。ご主人は九州出身の方みたいです。お客さんはすべて日本人でした。もう日本人のための隠れた日本食堂、みたいな感じかな。インターナショナル化される前の素朴な日本人向けのレストランでした(なんか、10年くらい前のドイツでよく行っていたタイプのお店でした!)
醤油ラーメン(=SOY SAUCE RAMEN)。価格は2080Ft。大雑把に言えば、1100円くらい?! ユーロに換算するとだいたい7ユーロくらい?! なんかよく分かりません(苦笑) だいたいこっちの通貨の金額の半分が日本円らしいです。1ユーロで300Ftくらいです。
さて、こちらのラーメン。出てきた瞬間に、「お?!」って思いました。にんにくだと思うのですが、スープからワイルドな匂いがしてくるんです。なんだか、嬉しくなりました。ミュンヘンは別にして、基本的にこっちのラーメン(ヌードルスープ)の多くが、ニンニクやショウガを感じません。油の香りやパンチもありません。うま味ももちろんありません。すごい淡白なのです。「ケバブ」みたいなジャンクさがないんです。日本のラーメンは、もっとワイルドで過激なんですけど、こちらのラーメン(フェイク系)は、淡白すぎて、味も弱くて、麺の入ったお湯みたいな感じなんです。
こちらのラーメンは、もう匂いからしてワイルドでした。スープ自体は、なんていうか、10年前くらいのドイツの各地の日本食堂で食べていた味でした。インスタントっぽい味というか。日本のインスタントラーメンに近い味わいでした。でも、そこに留まっていないのが面白いなと思いました。まず上述したニンニク(だと思います)。それから、かえし。おそらく蕎麦やうどんもあったので、かえしは同じじゃないかな。甘みのあるスープでした。
で、麺。これ、明らかに生麺です。店主さんの奥様にも確認しました。冷凍した生麺を購入しているそうです。これは嬉しいですね。
で、チャーシュー代わりの燻製ベーコンかな。
これが、めっちゃ素晴らしかった。ちょっとしょっぱいけど、香ばしさが半端なかった。
これで、チャーシューメンが食べたい!!
***
ラーメン屋さんではないので、これで十分だろう、と思いました。
今回の3軒の中で、(当然ですが)一番日本のラーメンっぽかったです。
***
奥様とお話をさせていただき、ハンガリーの固有の問題等を知ることができました。「東欧は、西欧とは違うんです。まだまだ貧しいんです。お寿司はまだ一般の人が食べられるようなものじゃないんです。賃金もこちらは西欧と比べると安いです。日本人がここでお金を稼ぐのは難しいです。でも、私たちは17年、このお店を続けて来ました」。この言葉が忘れられません。奥様の言葉に、自信と経験からなる力強さを感じました。
このお店に来てよかったなぁ、って思いました。やはり現地に暮らす人と話さないと。でも、ハンガリー語はできないし、英語はそんな議論できるほどのレベルじゃないし(っていうか、その気もないし…)。
なんか、自分がドイツを好んでいる理由もちょっと分かった気がしました。ドイツって、日本と本当に似た感じなんですよ。トイレのウォッシュレットがない以外は(苦笑)。でも、ハンガリーは違いました。「違うんだ」って強く思いました。ただ、「人間」的には、日本やドイツよりも豊かなような気もしました。が、その一方で、「貧しさ」を感じる経験も、短い滞在時間の中でいくつしました。
このハンガリーのもっと先では、内乱が起こっていたり、内戦状態だったりする国があるんですよね。空を眺めながら、「国境は観念でしかない。この空の向こうでは、本当に色んなことが起こっているんだ」と感じました。
このお店、一応、SUSHIがメインなんです、、、かね。
なんか、ありがとうって感じです。
こんなのも。
店内の雰囲気はばっちりっすねー。