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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ミュンスター 彫刻プロジェクト 07 

2007-09-07 23:18:00 | 美術関係
ドクメンタでくたくたになった翌日土曜日はぼんやりDVDなぞ観て過ごした。(The Fountainを観た。この手の映画は日本のコミック、アニメーションの影響大という感じがする。この監督のπというローバジェット映画が気に入っていた。)
その翌日の日曜日はしかし、急に元気を取り戻して”ミュンスター彫刻プロジェクト07”に向った。この週を逃すと行かず仕舞いになりそうな気配があったからだ。

雨を含んだ雲は空に怪しげに浮かんでいたが、さっと降った後は薄日が差すほどに回復した。涼しいのはむしろ有難くもあった。

何しろ10年に一度の展覧会である。
ドクメンタ同様今回のミュンスター彫刻プロジェクト07の評判は芳しくないのだが、天気さえ良ければ、自転車を借りて公園を走ったり、散歩するのも楽しいものだし、難しい事は言わずにいつもと違う祭りの雰囲気を味わいながら宝探し風に地図を片手に彷徨うのも悪くない。その点、この国際展は得をしている。

今年は昔と違って大型プロジェクトの彫刻が少ない。
最もそんな彫刻ばかり計画したら街中がモニュメント、彫刻だらけになって大変なことになってしまうだろうね。

雨後の筍のようににょきにょきと生え続ける彫刻が街中に増え続けてまっすぐにあるく事さえままならなくなり、自動車や電車も彫刻がフジツボの如く張り付いていたり、座席にゲイジュツが座っていたりして、そればかりか乗り物そのものが彫刻だったりする。街の住人はそれに耐えなければならない。生活に進入してくるアートは決してポジティブな影響をもたらすとは限らない。むしろ苦労が多くなるのだ。お茶を飲むにも彫刻的コーヒーメーカーは妙なる調べとはいえない音をたてながら、飲みにくい形のカップに注がれてたびた火傷しそうに熱い液体が垂れてくるので、コーヒー一杯飲むにも覚悟が必要となる。住居はどんどん変身を遂げて。。。。なんて馬鹿な事を考えながらも、過去の彫刻と今年の作品を眺めつつ日頃の運動不足を呪い、ひたすら歩いた。それでも軽く10キロ以上は歩いただろう。快挙。

兎に角散歩日和を選べば楽しめる。

Bruce NaumanのSquare Depression(写真17)は場所に疑問が残った。
逆さまピラミッドの底にしゃがんだら空しか見えないような場所に作れば良かったのにと残念に思う。そのうちスケートボードやインラインスケート広場になってしまうのじゃないだろうか?
Donald Juddの過去の作品からほど遠くなく、Rosmarie TrockelのLess Sauvage than Others(写真21)がある。知らなければ何の疑問も無く通り過ぎるだろう。一位の木がほぼ長方形に仕立てられていて中央に切込みが見える。今活躍中のこの人の作品だが、この作品については何を論じられても私の中では上手く納得できない。(。。。私の理解能力に限界があるのだろうね。たぶん。。。)一位という木は嫌いじゃないけれど。。。
Isa Genzken の無題(写真06)、この作家は「アートは静謐である必要は無いが魅力に溢れていなければいけない」といったとか聞いたのだが、全くそれを感じないインスタレーションで驚いた。(。。。私の感性に問題があるのだろうね。たぶん。。。)
Mark WallingerのZoneは街の中心部に4,5mの高さに紐で円を引いたものだ。私はこの作品の全体像を見る事が出来ないけれどもアイディアとして好きな作品だ。
Gustav MetzgerのAequivalenz-Shattered Stones (写真22)も地味に見落としやすい作品だけれど、二つ目の好きな作品だ。敷石が街のあちこちに毎日色々な形に置かれてゆくさりげない変化だ。置かれた場所の地図や写真はウェブサイトで見る事が出来る。

まだまだ独り言は尽きないけれど、とりあえずもう眠くなって来たので切り上げる事にする。

国際展覧会はどうやらどれをとっても転換期に来ているのだろうか?


(写真掲載の順番が狂ってしまったが訂正する気がないので説明追加すると、写真02と04の作品はセットになっている。詳細はこちら


おやすみなさい。

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