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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

アカバナルリハコベ

2006-07-26 04:09:30 | 植物、平行植物
学名:Anagallis arvensis
和名:アカバナルリハコベ
独名:Acker-Gauchheil,Weinbergstern=ワイン山の星、Wetterkraut=お天気草
ヨーロッパ原産

このクソ暑い青空の下で何も今やる必要はないのだけれど、スコップ持って土を突いたりしていたら、ライラックの足元を掃除していたら地面に赤い点々が散らばっているのに気がついた。貧血を起して紅い斑点が見えてきたわけではない。



ドイツ名Acker-Gauchheilの”Gauch”はNarrまたはKuckuckの意味がある。
Narr=たわけ、ばか者、愚者の意、。Kuckuck=カッコーの意。 Kuckuck=カッコーが何故”愚者”と同義なのかはっきりとはわからないが、カッコーは"悪魔”の別名の一つである。
ちなみに「Zum Kuckucks noch mal!」なんていわれたら「馬鹿やろう、とっととうせやがれ!」と言う意味だからすばやく退散した方が良いし、「Hol's der Kuckuck!」といったら「真っ平ごめんだ!」という事になり、何かしていてうまく行かなかったりしたら「Zum Kuckuck damit!こんなことクソ食らえ!」などと言って投げつけられたものが飛んでくるかもしれないので、カッコーが現われたら気をつけた方が良い。
当然KuckuckをそのままTeufel=悪魔に置き換えていう事も出来るわけです。
そういえば「カッコーの巣の上で」と言う映画があったけれど、あれはどうなんだろうかと思えば、マザーグースの詩が絡んでいるそうだ。
Vintery, mintery, cutery, corn,
Apple seed and apple thorn;
Wire, briar, limber lock,
Three geese in a flock.
One flew east,
And one flew west,
And one flew over the cuckoo's nest.
カッコーと悪魔。その関係について興味のあるところだけれど、それは又別の機会に調べることにして、Gauchheilに話を戻すと、”heil=良くなる"意を加えて、精神的病が治るというような意味になる。昔はこの植物を鬱病などに対して処方したのだそうだ。そして軽い毒性が含まれる。
この花は朝開き14時頃にはしぼんでしまうが、別名の”Wetterkraut=お天気草”が予感させるとおり雨模様を察知すると萎むのだそうだ。私はまだそれを観察した事が無い。残念ながらこのところの快晴続きで観察する機会を逸している。
又、この種子カプセルが魅力的だ。完璧な球形なのだ。種子が熟すと球の上半分がパカリと割れて細かい種を放り出す。直径4~5mmの小さな粒だがその完璧な形体には感心する。こういうものを見せられるたび、自然の多様性に改めて驚いてしまう。