もう明日でもかまわない

日々の雑記です。
艦これにはまっていたけどやめました。
愚痴が多いのでご注意ください。

体中に詰まって滲み出る

2021年12月03日 22時28分15秒 | 日記
11月末にパート最終日だった。
それまでの間たまの出勤日にイケメンに「もうすぐ最後ですね」とか「寂しくなりますね」とか言ってもらえて嬉しかった。
置いてくるお菓子、クリスと若い女の子に渡すプレゼントと包装も準備して、私は緊張していた。
お菓子はともかく、クリスと堀さん(仮名)に渡すチャンスがなかなかないからだ。
ずっと前、私がまだパート入りたての頃にクリスに特にお世話になってると感じ、クリスにお菓子を持ってきた事がある。仕事中は渡す機会がないからお昼休みの時にクリスに渡そうと思ったらどこに言ったのか見つからない。私はお昼までの勤務だから、うろうろしてると美子に「早く帰って」と言われるので焦った。クリスさんはどこに・・・
いくら探しても見つからないから、仕方なく美子に「これクリスさんに」と渡して帰った。
その時の美子のあからさまに不機嫌そうな「なんでクリスさんに?」と言った顔を覚えてる。
次の日、それは私から「みんなに」というお菓子になっていて均等に分けて配られていた。
私と顔を合わせたクリスは「みんなお世話してるから。みんな、みんなしてるから」と言ってた。その後にも私がクリスに感謝するたび同じ事を言ってた。
普通に考えても、特定のパートの人だけにプレゼントを渡す行為は気まずいとは思う。
だから誰にも内緒で渡したかった。だけど「何あの人?」と思われても私はクリスだけに渡したかった。

今ならわかる。私の行為がどれほど無謀なことだったかを。
あそこのパートは美子と真須美が仕切っており、常に二人が大威張りなのだ。
あいつらを差し置いてクリスだけに贈り物をするなんてありえないのだ。
私は始め、クリスもあいつらの一味だと思ってた。今は辞めちゃったもう一人優しめのおばあが居り、4人組のベテランおばあが仕切っているのだと思ってた。
ロッカールームではいつもあいつらは全員でおしゃべりが楽しそうだから。
その後、どうやら美子と真須美、おばあとクリスという二組があると聞いた。
私と仲良かったふみさんとおばあは仲が良くなく、私はふみさんからおばあの愚痴をよく聞かされていたんだけど私はおばあには優しくされた事しかないのでピンと来ず、私はおばあが辞める時にも個人的に贈り物をしたし、クリスとおばあのコンビは嫌ではなかった。
だからおばあが辞めた後、クリスが一人ぼっちな気がして心配だった。
美子と真須美は常にクリスの悪口を言っていた。
クリスとおばあからあいつらの悪口を聞いた事はなかった。

とにかく一度クリスへの贈り物は失敗してるので慎重に考える。
クリスは昼休みにどこに行くかわからないし、コロナの影響で昼食を全員別の場所で食べてるらしいから堀さんもつかまらなさそうで、そうすると仕事中に渡すしかない。
仕事中は全員一人で行動してて、クリスと堀さんは私とイケメンと違い同じエリアではないからなかなか会えない(それは美子と真須美にも言える事なのに、あいつらにはしょっちゅう会うのだった)そうすると私は小さい贈り物をポケットに入れて持ち歩き、偶然会えた時にサッと渡さなくてはならない。
私の最終日以前に渡すと、お返しされてしまうかもしれないから最終日に一方的に渡したい。
けど曜日的に難しいから、渡せる確率は半分ぐらいと思ってた。

朝、出勤したての時にプチトラブルがあって、朝の準備から少しの間美子が退室した時に堀さんには渡せた。美子は背後で電話してるからハラハラしたけど大丈夫だった。
堀さんは、表情が読みにくいけど多分喜んでくれたと思う、多分。
問題はクリスだった。前の週の同じ曜日にもシミュレーションしたんだけど全然チャンスがなかった。
堀さんの時みたいに偶然何かが起きないと渡せない。しかも忙しい曜日だ。
あっという間に午前11時半。もうすぐ私はあがらなくてはならない。やばいやばい。もうだめだ。午前が終わる少し前、全員仕事が終わりまったり消化作業をしている。
けどその作業を私は細長い部屋の奥の方でやってたのがえらかった。
その部屋に私の他には三田さん(仮名。春に入ったおじさんパート。地味だが優しい)とイケメンしか居なかった。その細い通路にあるキャビネットに用があるクリスが入ってきたのだ。
ここしかないと思ってポッケから出しクリスに渡した。三田さんの目の前で。
私は何度も「これ、クリスさんに。クリスさんになんです」と言った。クリスは「私に?」ってすごく驚いていたけど受け取ってくれた。
三田さんは多分だけど、察してくれてると思うんだけどどうだろう。自信はない。けど真須美と美子、あと新人ですぐに馴染んだおばあに見られるよりずっといい。イケメンは100%大丈夫。
ぎりぎりだけどミッション達成。思い残すことはなかった。
みんなにのお菓子を渡し帰る時、クリスが私に紙袋をくれた。クリスが私に個人的に。
全く予想してなかったから、その後の記憶があまりない。綺麗にラッピングされたやつ。センスがいいクリスがくれたかわいいやつ。
私は個人的にクリスとおしゃべりを楽しんだことはなかった。仕事中はすごく無愛想で、私と仲良かったふみさんや岡野さんや西田さんもクリスは苦手みたいだった。
だけど私は前にここにも書いたけど、細かい所でクリスに感謝した事が積み重なってた。
クリスはイケメンにも愛想が悪いし、誰に対しても平等なんだと思う。
だから私がクリスに感謝することはあっても、クリスの方が私に好印象を抱いてくれてる事にはならないし、まして私が辞める時に何かもらえるだなんて思わなかった。
随分前にプレゼントを渡せなかった時、クリスは「みんなが手伝ってるから」と言うから、私はクリスさんに特に助けてもらってる印象だけど、新人だから気づかないだけでみんなが見えない所で助けてくれてるんだなと思ってた。
でもあれからいろいろわかって、あの時私が感じてた、クリスが特に私を助けてくれている印象っていうのは正解だったんだと思う。私はいつもクリスにヘラヘラ話しかけてたけど、クリスはいつも冷静でかっこよかった。実際、冬の黒ずくめのクリスは女殺し屋みたいだった。使ってる手帳も可愛かった。だからそんなクリスに気にしてもらえてものすごく嬉しい。Mに「片思いじゃなくてよかったね」と言われた。
私は帰りの電車から実感してきて、ずっと泣いていて今も思い出すと涙が出てくる。
体中に幸せがみちみちに詰まって、涙になって溢れてくる。
私はあのパートですごく嫌な目にあったけど、好きだった人みんなに贈り物をもらえて、ものすごく幸せを味わえて、良い事もあった。本当に幸せものだなと思えた。
懲りずに引越し先でも、少しでも社会と関わって頑張ろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする