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ポチの女房

専業主婦のつぶやき

ゲゲゲの女房 第144回

2010-09-11 22:18:36 | ゲゲゲの女房
イトツと布美枝さん。
「夕べ、しげるが言っとったが、また本がいろいろでるそうだな。」
「鬼太郎の漫画本もでて、よう売れとるそうです。」と布美枝さん。
「こげに長く読まれるとは、あれも本物だな。」
松井須磨子の一座にいた叔父、芝居のことや活動写真のことに精通していたそうです。
叔父さんが亡くなった日に水木さんが生まれたとか。
「しげるは、亡くなった叔父さんの生まれかわりだと思っとる。」
「今晩は何かな?晩飯のおかず。」あくまで食にこだわるイトツです。
「栗ご飯を炊こうと思って。」「わしは栗飯まで、傑作の続きを書く。」
「書き上がったら読ませて下さいね。」と布美枝さん。イトツの布美枝さんを見つめる目が温かいです。

映画館にポツンとすわるイトツ。弁士は何と若い頃のイトツです。
第三丸の爆発、はじまり、はじまり?
村井修平(イトツ)の学生時代が。芝居と活動写真に情熱を傾けていました。
妻と三人の子供に恵まれ。ふるさとに活動写真館を開いた彼の心は、いつもながら希望につつまれていました。
時は今、80ゆうよのイトツです。
The Endにイトツのカバンが。
幕がしまったあと、まわりにお客さんの拍手。お客さんの中に、父、母、叔父さん、一学さんも。
「なんだもう終わりか、あー面白かったな。」

「お父さん。」と声をかける布美枝さん。
ペンをもったまま眠ったイトツ。原稿には、「少しだけ眠ってもいいか。」という台詞が。

それから、数日後、うとうとと眠りながら枯れるように静かに旅立つイトツ。家族にかこまれて。
イカルが、大好きだった香水をイトツにつけます。
「60年一緒におったのに。親よりも長く一緒におったのに。」とイカル
「お母さん。」と背中をさする布美枝さん。

お骨になったイトツとボーッとするイカル。

初七日の法要のあと。
イカルが、イトツが持ち歩いていたカバンを水木さんに渡します。
中身は原稿を書くのに使っていた万年筆。パリで亡くなった叔父さんからもらった万年筆だそうです。
万年筆は、水木さんの胸元ポケットに。
自分が叔父さんからついだ芸術関係のことは、みんな水木さんに伝えたかったとイトツが言っていたとのことです。

今日のひとこと
「あんたが全部受け継いでくれたけん、これでお父さんも、安心してあの世でゆっくりできる。」

イカルのことばです。
自由にひょうひょうと生きた修平さんは、形ある遺産より、もっと大きなものを家族に残して逝ってくれたのです。

イトツらしい最後でした。
人生、亡くなるときに、良い人生だったと思えることが最高だと思います。
実際の水木父は、88歳で亡くなったそうです。
貴司さんが亡くなったときと違って、悲しいけれど、爽やかな風が吹いてくるような気持ちになりました。大往生です。

残すは、あと2週間。
終わってしまったらどうしようと今から心配をしています。