金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

来年(2016年)の米国の食のトレンド

2015年12月22日 | ライフプランニングファイル

CNBCに来年の米国の食のトレンドを予想する記事Seaweed is the new Kaleがでていた。

米国の食のトレンドは日本にも影響を及ぼすと考えらえるので、幾つかのトレンドをピックアップしてみた。

まずタイトルのSeaweed is the new Kale「海藻が新しいケール(日本の青汁などに入っているアブラナ科の野菜)」が示すように、海の野菜が健康を重視するアメリカ人の食卓に海藻サラダとして人気を博すると予想される。

海藻は優れた抗酸化性、繊維質、ヨード分から健康重視派には好まれそうだ。

ところで海藻の産地は東アジアに集中しいてる。最大の産出国は中国だが、日本も金額ベースで見ると高価な海苔を生産しているので、健闘している。

次のトレンドは「遺伝子組み換えサーモンが食卓に上る」という話。

米国の食品医薬品局(FDA)は先月遺伝子組み換えサーモンの販売を許可した。これは動物の遺伝子組み換え食品としては初めてのこと。

約1/3のアメリカ人は、食材に遺伝子組み換え食品が含まれているかどうかを重視すると言われているが、加工食品の8割には遺伝子組換え食品(今までのところは植物)が含まれているという。

健康重視派はますます加工食品を敬遠するようになるかもしれない。

次に私が着目したトレンドは「生鮮食料品の宅配市場が拡大を続ける」という話だ。

市場調査会社IBISWorldによると、生鮮食品のオンライン市場は毎年9.5%で成長を続け、2017年までには94億ドル(約1.1兆円)の市場になるそうだ。

最後に注目したトレンドは、日本のラーメン店がさらに人気を博するという予想だ。日本のラーメン店は今年初めてミシュランガイドで星を獲得したことで、米国でも話題になっているそうだ。星を獲得したラーメン店は巣鴨の「蔦の葉」という店だそうだが、行列が凄そうでまだ行っていない。

ところでこのラーメン屋の2号店が人手不足と行列に対する苦情で休業に追い込まれたそうだ。

人手不足というと米国では店員の給料上昇をカバーするため、レストランチェーン店でメニューの値上げが検討されいるようだ。

外食を減らし、家で野菜や海藻などの素材を自分で調理して食べる、そのために生鮮食料品の宅配市場が拡大を続けるというのが、一つのトレンドかもしれない。もっとも米国でも単身世帯が増えていて、単身者は果物、ブレックファストバー(エネルギーバーのようなものか?)、ヨーグルトなどで簡単に食事を済ます傾向があるから、色々なトレンドが並走することはだろうが。

 

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中古住宅取引、拡大を目指すならまず呼び名の変更から

2015年12月21日 | ニュース

今日(12月21日)の日経新聞朝刊トップは「中古住宅取引 透明に」だった。

業者間システムで取引状況の開示を義務付けることや、専門家による診断を普及させる法改正などが主な対策だ。

日本の住宅市場は新築住宅が中心だ。住宅取引における中古住宅の割合は、日本は14.7%で、米国の89.3%、英国の88.0%、フランスの68.4%に較べて著しく低い。日本の中古住宅取引の割合が著しく低い理由の一つは、暮らし方の変化~家電・家具の大型化、少子化、欧米化など~に過去の住宅が対応できていないので、新築住宅に対する需要が強い時代が長く続いたことにあると私は考えている。

また新築住宅は経済的な波及効果が大きいので、政府は景気テコ入れのため住宅建設を後押しする政策を打ち出してきたことも中古住宅取引が伸びなかった理由の一つだろう。

ところで英米では、中古住宅のことを中古住宅とは呼ばない。英語では中古住宅をexisting house「既存住宅」という。中古という言葉には新品より劣る、経年劣化しているという意味が内包されているが、既存という言葉にはそのようなマイナスイメージはない。

たとえば美術品には新品・中古品という区別はない。新作であれ誰かが所有したものであれ、価値のあるものには同じ値段が付く。

政府が本気で中古住宅取引の拡大を目指すなら、まず中古住宅を既存住宅と呼び名を変えるべきだろう。少なくとも機能的に新規住宅に比肩するような住宅には既存住宅という呼び名を付与するべきだ。

またマスコミも米国のexisting home salesなど住宅取引データを伝える時、「中古住宅販売件数」と言わずに「既存住宅販売件数」という正しい訳語を使うべきだと私は考えている。名は体を表すのだから。

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年賀状書いて実感輪の重み

2015年12月20日 | うんちく・小ネタ

昨日(12月19日)年賀状を書き上げました。書き上げた、といってもパソコンからの宛名印刷が主な作業です。

後はコメントを書くべき人、書きたい人に書くという作業です。中にはコメントを思いつかない人がいます。

勤めていた会社の人で何年もあっていない人などです。本来「今年もまた一献傾けましょう」などとコメントの書ける人に出すのが年賀状なのかもしれませんが、あまり小難しいことは考えず、ルーティンワーク的に今年も年賀状を作成しました。

年賀状を書いていて、いくつかのことに気がつきました。

一つは今年も「喪中につき欠礼」のハガキが多かったことです。お付き合いはシニア層かその予備軍が多いので、ご両親がお亡くなりになった方が多いのです。ただ中には兄弟姉妹の逝去で欠礼するというハガキもあります。このようなハガキを見ると、死ぬということは案外近いところにあると感じたりします。

次に相対的にワイフの年賀状が増えているようです。会社生活を送ってきたものと地域社会に根付いているものの違いがでているようです。

また年賀状の中には事細かに「どこに行った」とか「何をしている」と印刷している人もいます。

私も山仲間などには「どこそこへ行った」とか「今年は北海道に行きたい」などと手書きでは書くのですが、印刷文面は紋切り型のそっけないものです。

趣味とは関係のない繋がりもありますからね。

好みの問題でしょうが、事細かに自分がやっていることを書く、というのはidentificationの顕示のような気がして、私の趣味にはあいません。

事細かなことを書いている人の現役時代を思い出すと、概ね理屈っぽく、自分の仕事についてあれこれいう人が多かったような気がします。

「三つ子の魂百まで」というところでしょうか?

ちょっと川柳のようなものを思いつきました。

「年賀状書いて実感輪の重み」

輪は人の輪=つながりであり、年輪の輪=年齢です。

この先人の輪が大きく広がる可能性は少ないと思いますが、長年慣例的に年賀状をやり取りしている人に加えて、新しいお付き合いが

始まって初めて年賀状を書く人がいると嬉しくなりますね。来年は少しでも新しい輪が広がるような活動をしたいと考えながら、今年の年賀状作成を終わりました。

 

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【イディオム】Pent-up demand 堅調な米国住宅市場

2015年12月17日 | 英語・経済

昨日(12月16日)の米国市場では、連銀の政策金利0.25%引き上げが大きなニュースだった。市場は連銀が金利引上げに踏み切ったことは、経済が順調であるシグナルと判断して、株価は大幅に続伸した。

この大きなニュースがなければ、もっと注目されたかもしれないニュースが、11月の新規住宅着工件数だった。11月の新規住宅着工件数は117万件で、年率換算すると前月比10.5%の伸び。

今年に入って新規住宅着工件数は概ね同水準で推移している。注目すべき点は、アパートなど集合住宅だけでなく、一戸建て住宅の着工が増えている点だ。11月の戸建住宅の着工件数は、過去約8年のピークに近いという。

業界の専門家はThere is a great deal of pent-up demand for housing(住宅には大きな累積需要が積み上がっている)という。

Pentはpen(囲い込む)の過去・過去分詞形で、pent-upでは「鬱積した」という意味。Pent-up demandは「繰延需要・累積需要」である。

景気が本格回復するまで、我慢していた住宅需要が積み合っているということである。失業率の低下、毎月20万人ペースの非農業部門の雇用者増、低い住宅ローン金利などにより、この需要が住宅着工を押し上げているということだ。

住宅建設は家具などの住宅関連耐久消費財の売上を伸ばすので、景気拡大効果が大きい。政策金利引上げ後も米国経済が順調に拡大するかどうかを判断する一つのバロメーターになるだろう。

★   ★   ★

ところで最近の日米の新聞を読み比べると、日本の新聞のトップ紙面を飾る記事~「夫婦同姓規程は合憲」など~がほとんど米紙では取り上げられていないことだ(WSJには「夫婦同姓合憲判決」に関する記事はでていた)。

もっとも家族制度や婚姻の問題は、各国それぞれの慣習に違いがあるので、日本の新聞も他国のこの手の問題には触れていないので、お互いさまなのだが。

ただ「夫婦別姓の選択制」「食品に対する軽減税率」「マイナンバー(社会保障・納税番号)制度」などは、既に多くの国で導入されている制度なので、海外の読者にとって目新しさはない。海外の読者の関心事があるとすれば「何で日本はこれまで導入していなかったの?」のいう点かもしれない。

★   ★   ★

最近出版した電子本

「海外トレッキングで役に立つ80の英語」

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

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【イディオム】Take cues from 日本株も米株高を追うか?

2015年12月16日 | 英語・経済

FOMCの直前の昨日の米国株式市場は堅調だった。ダウは156.41ポイント(0.9%)上昇、S&P500は21.47(1%)上昇した。また欧州ではFTSE143.73ポイント(2.45%)上昇している。

専門家は欧米のラリーは今日のFOMCで政策金利が引き上がることを完全に織り込んだことの前兆だと分析している。

Cueは「きっかけ」という意味で、take cues from~は、~を見習うというイディオム。

CNBCのAsia to open higher, following Wall St rally(アジア株は米株急騰を追って高値でオープン)という記事の中にAsia markets are expected to open higher on Wednesday ,takeing cues from a strong finish on Wall Street overnight.という一文があった。

「米国株の高値引けを見習って、アジア株は高く寄り付くと期待される」という意味だ。実際シカゴの日経平均先物は380ポイント上昇。

それにしても日本株はボラタイルだ。アメリカという犬が首を30度傾けるとしっぽの日本株は60度振れるという感じ。

クリスマスシーズンから新年にかけて株式相場が活気づくことを、サンタ・ラリーというそうだが、今年はこのサンタ・ラリーが見られるかもしれない。理由はFOMCの前にリスクオフムードで株が売られ過ぎていたことにある。

FOMCの声明が非常に緩やかな今後の金利上昇を示唆するものであれば、売り過ぎた筋の買戻し圧力により、株価が急騰する可能性があるからだ。

そしてブレ幅は当然しっぽの日本株の方が大きいだろう。

だがサンタの袋の中がラリーというギフトか失望売りというゴミかはまだ分からない。

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