金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

NYダウ300ポイント反発、だが「ポンプとダンプ」の余波は残るかも?

2021年01月29日 | 投資
 昨日(1月28日)米国株は反発した。ダウは300ポイント0.99%上昇し、S&P500も0.98%上昇した。一昨日GameStop株などの暴騰で空売りで損失を被ったヘッジファンドが他の株を売るのではないか?といった懸念から、昨年秋以来の大幅下落となった米国株だが底値買いなどで反発した。
 また企業決算は好調である。昨日までにS&P500の約3割の企業が四半期決算を発表しているが、FactSetによると約8割の企業がアナリスト予想を上回る業績を上げている。
 従ってGameStop株など少数の株で価格操作的な動きとその反動による乱高下がなければ、株式相場は堅調を持続したと私は考えている。
 風説の流布による株価操作を英語ではPump and Dumpというそうだ。Pumpは水をくみ上げるポンプ。つまり株価の引き上げを意味し、Dumpはダンプカーのダンプで投げ捨てるような株価の急落を指す(なおダンプカーは和製英語で英語ではDump truckというそうだ)。
 昨日個人投資家に人気の高い株式取引プラットフォームのロビンフッドはGameStop株などの取引停止を発表したが、個人株主の猛反発を招いている。
 ポンプとダンプの問題がどう決着していくかはわからない。
 だが世の中には経路の予測は難しくても結論の予測はしやすいものもある。
 たとえば不整地の坂でボールを転がすとどのような経路をたどって下に落ちていくか予想することは難しいが、下に落ちるということは容易に予想できる。
 アナリストの中には今年のS&P500は年末には4,000ポイントに到達すると見る人がいる。S&P500は現在3,787ポイントなので5.6%の上昇予想でそれ程背伸びした予想ではないだろう。
 私も妥当な予想ではないか?と思うが、どのような経路をたどって着地点に向かうのかは予想がつかない。デイトレーダーやヘッジファンドの動きはニュースとしては興味があるが、長期投資家には一喜一憂するほどのものではないだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする