昨日(1月30日)米国ダウは362ポイント(▲1.37%)の大幅下落。前日も117ポイント下落してるので2日続けての3桁の下落だ。この規模の大幅下落は約2年ぶりだ。
昨日の大幅下落の原因の一つは、アマゾン、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガンが新しく全米の従業員向け医療保険団体を作るとニュースだった。このニュースを受けて全米最大の医療保険会社ユナイテッドヘルスの株価は4.4%下落。同社株はダウの構成銘柄なのでダウの下落を加速した。因みにナスダックも64ポイント(▲0.86%)下落したが、アマゾン株は20.14ドル(1.42%)上昇していた。
株価下落のもう一つの原因は長期金利の上昇だ。10年債の利回りは2.7%を超えてきた。これは2016年4月以降で最も高い水準だ。
この二つが昨日の大幅株価下落の原因だが、その根本(ねもと)には年初来の株価急騰に対する懸念があることは間違いない。
懸念があるから利益確定の売りに出たい。しかし人間の心理というのは微妙なもので「売りを正当化する」理由が必要なようだ。そこで悪材料を見つけて売りの口実とするようだ。
今株式市場には二つの見方がある。一時的な速度調整で、しばらく振幅幅の大きな相場が続くが、その後強気相場が戻ってくるという見方とコレクションの前兆という見方だ。コレクションは10%以上の株価下落を指す。
株価に影響を与える10年債利回りについては3%を超えると危険信号がともると考えている人が多いようだ。そしてまだ3%の壁は遠いと考えているが多い。
経済センチメントは悪くない。昨日発表された1月の消費者信頼感指数は、125.4で12月の123.1やWSJの事前予想123.0を上回った。
以上のようなことを踏まえて私自身は今のところ「速度調整だろう」と考えている。どんな強い相場でも速度調整は必要だ。さもないとすぐ張り裂けてしまうから。