金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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【イディオム】Positive volatility 意味のある株価変動

2016年09月16日 | 英語・経済

昨日(9月15日)の米国株は弱い経済指標を受けて大幅反発した。株価は通常景気に敏感で好景気の兆候が表れると上昇し、不景気の兆候が出ると下落するものだが、現在の相場では弱い経済指標が歓迎される。なぜなら来週開かれる米国の連邦公開市場委員会で連銀が景気が弱いと判断すると政策金利の引き上げが行われないからだ。

USATodayはPositive Volatilityという題で「すべてのボラティリティが悪いわけではない。昨日ダウは178ポイント(約1%)上昇した」と書いている。

ボラティリティは株価等の変動幅の大きさを表す数値で、プラスもマイナスもない。つまり株価が急騰しても急落してもボラティリティは上がるのである。オプション取引を別にして、現物取引でボラティティが投資家にとってプラスの意味を持つのは、大きな下げ相場で買い場が生まれることだ。

株価がコンスタントにじりじり上がり続ける(つまりボラティリティが低い)と中々買い場が生まれず、新しい投資家が市場に入り難い状況が続く。

8月の小売業売上高はアナリスト予想(▲0.1%)を下回る▲0.3%で、卸売物価指数も予想(+0.1%)を下回り、変化なしだった。

昨日の株価をけん引したもう一つの要因はアップル株が急上昇(3.4%)したことだった。

プラス要因が重なり、一息ついた形だが、しばらくボラティリティの高い日が続くだろう。そしてPositive volatilityが続くとも思われない。

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