レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

「食堂にて」

2008-09-29 15:44:25 | Weblog
「食堂にて」

 アスカを中心に簡易な料理がきれいに
テーブルの上に次々に並べられていく。
 ヒトミも着席し、「食材の割にお見事ね」
と悪くない顔をしている。
 「木太郎をひもでしばって、そこで正座させなさい。
ツナ缶を皿に開けて、口で食べさせなさい」
ヒトミはキタジマに命令する。
「かしこまりました。」キタジマがツナ缶を
用意している間に、タヨウとエイタが
木太郎の両手を後ろにし、紐でしばる。
 「あの、僕にはこれだけなんでしょうか」
木太郎が情けない声を出す。
「あーた、何か食べられるだけでも
ありがたいと思いなさい。それとも、
何もいらないの」
ヒトミが木太郎を睨みつけ、冷たく突き放す。
「いいえ、ありがたく頂戴いたします」
木太郎は頭を下げる。
 「ちょっと味見をしたんですけど、
このミートソースは絶品ですよ。
キタジマさんって、どこかで、シェフでも
やられてたんですか?これだけの食材で
この味は凄いですよ。みなさんも冷めないうちに、
早くお召し上がりください。」
アスカの言葉にキタジマは照れながら
「いやー、それほどでも、
とにかくお試しください」と言う。
「キタジマは昔はやんちゃでしたけど、
今は何でもできるスペシャリストよ。
まあ、そんなことより、いただきましょう」
ヒトミの言葉に「いただきます」
と皆が手を合わせると、早速永久が
「いつきがまだだけど、先にいただきましょうか」
と言って、フォークとスプーンでパスタを食べ始める。
「うまー」「おいしーい」「本当」「初めてですわ」
賞賛の荒らしにキタジマだけでなく、
アスカも照れる。「パスタのゆで具合も上々よ」
ヒトミがソースだけでなく、パスタも褒める。
「アスカさんが茹で上げたんですよ。
アルデンテの手前で、、ゆで汁の塩もうまく効いていて、
なかなかのものですよ。」キタジマが横から口を出す。
「失礼を承知で言いますが、
モデルのようなアスカさんと料理とは
無縁だと思っていましたが、
はっきり言って想像外でした」
エイタの褒め言葉にアスカは
まんざらでもない様子で
 「パスタくらいはお手の物ですよ」と答える。
 「明日はアスカさんに料理をすべてお任せしましょうか」
 キタジマが冷やかすと
 「意地悪言わないでくださいよ。
 明日もご一緒にお願いします。
 私にこのソースは無理ですよ」と
 アスカは謙遜して答える。「私たちも下ごしらえ等
 の準備はお手伝いしますが、料理は明日以降も
 お二人を中心にはお任せしましょう」
 アユメが提案すると皆もうなづく。
 「さあ、冷めないうちにいただきましょう」
 ヒトミの言葉に皆は食べ進める。
 他方、木太郎は猫のように、首を下げて、
 皿の上のツナを口だけで必死に食べている。
(続く)

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