レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新第3弾ゾンビ「賢明のカミサン伝説2」

2012-06-14 23:40:15 | 小説

新第3弾ゾンビ「賢明のカミサン伝説2」


 「続けます。
 えー、その老人は、
 結局、
 誰にも相手にしてもらえず、
 自分の願いをその見えない像に成就してもらった日から
6ヶ月が経つまで、
 あと3日というところまで追い込まれることになりました。
 正直、老人はあきらめていました。
 いくら、
 カミサン伝説が有名になったとしても、
 自分のようなみすぼらしい人間が道ばたで座って、
 通りすがりの人間に声をかけても相手にされるわけがないのだと。
 見えない像に頼んで自分の願いを成就して貰った以上、
 やむをえないと考え、毎日のように、
 路上に座るのをやめ、誰もいない家で
じっとバチがあたるのを覚悟することに決めたのです。
 そして、
 家に帰る途中、
 小さな少女とぶつかりました。
 小さな少女が転んでしまったので、
 老人がすまんと言って手を引いて、
 起こしてあげたところ、
 その少女は
 「おじいさん、
 あの像は落としちゃだめよ。
 カミサンのバチが当たるから」
と言ったのでした。
 老人はその言葉に驚いて、
 今度は老人がその場で倒れてしまったのです。
 そして、
 少女はその像と布を老人に渡して、
 早く困ってる人にあげないと、
と言ったのでした」
 賢明はここで持参したペットボトルの水を飲んだ。
(続く)


本編リメイク「死ぬな木太郎」

2012-06-14 23:33:13 | 小説

本編リメイク「死ぬな木太郎」


 「木太郎、死ぬなよ。
 こんな程度で」
 木太郎のそばに残されたいつきは、
 そっと木太郎の頬をなでながら声をかけたが、
 相変わらず、
 木太郎の意識が戻る気配はなかった。

 「あおむ、
 俺だけにでも、野郎のことを話してくれないか?」
 エイタがスコップで前方を叩きながら、大声を出すと、
 「ダメだすよ。
 男の約束だすからな。
 それに木太郎さんは、
 相当苦しかったのに、
 我慢していたんだすからな。
 僕が話したら、バチが当たるだすよ」
 あおむはエイタの後ろから、そう答えた。
 「あおむに話せて、
 俺たちには話せない。
 うーん」
 「エイタさん、考えながらじゃ危ないだすよ。
 早く、携帯電話の電波が届くところに行って、
 救急車を呼ばないと
木太郎さんは助からないかもしれないだすからな。
 野郎のことは今は忘れるだすよ。
 それにくどいだすが、
 それがわかっても、
 今回の真相は僕にもわかってないだすからな。
 とにかく、今は落とし穴だけに落ちないように急ぐだけだすよ」
 エイタのつぶやきを聞いて、
 あおむがそんなことを話す。
 「それもそうだな」
 エイタはそれだけ言うと、
 後は黙々とスコップで前方を叩きながら、
前に急ぎ足で歩いていった。
(続く)





新カミサン伝説?ホラの像編改33

2012-06-14 22:14:46 | 小説

新カミサン伝説?ホラの像編改33


 「顔に落書きされていて、
 それが消えなくなったですって?」
 「私、あの子の遺体が運ばれるとき、
 ちらっと見てしまったんだけど、
 あの顔じゃ外は歩けないわね」
 「そんな、
 ひどい落書きだったんですか?」
 「ひどいといえばひどいわね?
 あれじゃ、ただのアホだから。
 黒いマジックで、
 書かれたみたいなんだけど、
 すぐ消えなかったらしいのよ。
 あの子短気だったから、
 それで自殺しちゃったんじゃないのかしら。
 もう少し、
 我慢すれば良かったのにねえ」
 「で、その落書きはどんなでした?」
 「そうね。
 鼻の下に鼻毛みたいなのとか、
 ほっぺに渦巻きとか、
 おでこに皺みたいな3本線とか、
 あと...」
 「あー、
 じゃあ、
 子どもがいかにもやりそうな
 たわいもない、
 いたずら書きなんですね。
 だいたい、わかりました」
 「そうね。
 たわいもない、いたずら書きよ。
 どこかのいじめっ子か、
 悪ガキにでも書かれたんだろうけど、
 マジックなんて、
 時間が経てば、
 いずれ消えるのにねえ。
 さっきも話したんだけど、
 もう少し我慢すればねえ。
 今の子は我慢が足りないから」
 「そうですよね。
 まあ、
 今の子というより、
 子どもの考えることだから、
 衝動的だったかもしれませんね。
 いろいろと、
 どうもありがとうございました」
 男は
自殺した小学生の隣の家のおしゃべりな中年女から聴いたことを、
 早速、
 ハゲタ教授に報告したのだった。
(続く) 


レイジーブラザースお遊びはここまで「恐怖の始まり編、遠ざかる声と暗闇」

2012-06-14 11:05:07 | 小説

レイジーブラザースお遊びはここまで「恐怖の始まり編、遠ざかる声と暗闇」


 「あほ!」
 ...
 「あほ...」
 ...
 「あほ.......」
 「ウメナさん!
 どこへ?
 真っ暗なんですよ!
 それにですね。
 犯人はですね!
 ウメナさーーーん」
 マスターは暗闇の中、
先程まで一緒にいたウメナの声がどんどん小さくなるというか、
遠ざかる感じだったので、危険だ
ということを知らせるためにも大声を張り上げた。
 しかし、
 ウメナの声はもう聞こえなかった。
 マスターは慌てて両足だけ固定して、
 手探り状態で手をあちこち動かしたが、
何にも触れることはなかった。
 「ウメナさーーーん」
 マスターはもう一度大声を張り上げたが、
その声だけがガラス張りのはずの応接室内
を虚しく響き渡ったのだった。
(続く)



おしゃべりモップおとこ「うれないシシトウ、ラッキョゲイニンはセイカツホゴサギシのカモ」

2012-06-14 10:02:02 | 小説

おしゃべりモップおとこ「うれないシシトウ、ラッキョゲイニンはセイカツホゴサギシのカモ」


 やっぱりしっていたか?
 なぜにおわかりに?
 はあ?
 うれないシシトウ、ラッキョゲイニンみたいなのが、
 セイカツホゴサギシのカモ?
 あいつ、
 サギシだったんですか?
 はあ?
 たすかりました!
 なんか、
 うまいはなしばかりしてましたので、
 こっちのラッキョおとこがだまされそうに、
 なんでも、
 セイカツホゴはサンショクヒルネつきで、
 しかも、
 アタマのおかしいフリして、
 タダでクスリをもらってきて、
 それをテンバイしたら、
 もうかるとか?
 ホントウなのですか?
 ホントウ?
 そのかわり、
 テスウリョウとかいわれて、
 がっぽりと、
 しぼりとられる。
 ヨノナカ、ラクしてくうなんて、
 あまくはない?
 もちろん、
 オレは、
 いいえ、
 わたくしはひっかかりませんでした。
 カモになりそうなのは、
 となりのラッキョおとこのほうで。
 はい?
 そういうわたしのホウがカモに、
 されやすい?
 はあ?
 なぜに?
 それはおしゃべりがすぎるからだ?
 はあ?
 サギシげきたいのコツは、
 はなさないこと!
 クチでサギシにかてるわけない?
 なるほど!
 ベンキョウになりました!
 おつかれさまです!
 はあ? 
 まだ、なにか?


偽カミサン伝説?「悪女よけの像編」39

2012-06-14 09:03:56 | 小説

偽カミサン伝説?「悪女よけの像編」39


 ユミコが気になって、
 なかなか寝付けなかったショウタだったが、
 一度寝付くとそのまま眠り込んでしまった。
 ショウタは起きると、
 慌てて、
 ユミコの寝ていたところに行ったが、
 掛け布団がソファーの上にきちんとたたんで置いてあるだけで、
 ユミコはいなかった。
 そして、
 テーブルの上には、
 メモのようなものが置いてあった。
 メモには、
 「すっかり酔ってしまってご迷惑おかけしました。
 三郎さんもきっと怒っている
と思いますので、
 朝食も作らず申し訳ありませんが、
 こういういう形で失礼します。 
 このお詫びは改めて致します」
と書いてあった。
 このとき、
 ショウタは、
 ユミコがよほど三郎のことを好きなんだろうなと思ったのだった。


 三郎が寝ていると、
 何か物音がしたので、
 気になって起きると、
 ショウタの部屋に残してきたユミコが朝食の支度をしていた。

 
 だめだったか?


 三郎は内心そう思ったが、
 これがチャンスだ
とあることを思いついたのだった。
(続く)


サクラナ外伝フォー第2章「嫉妬2とユリカ」

2012-06-14 07:03:03 | 小説

サクラナ外伝フォー第2章「嫉妬2とユリカ」


 ユリカに訊かれたあおむは、
 「なんというだすかな。
 タマキさんはある意味孤独なんだすよ。
 僕も、
 ユリカもそうかもしれないだすが、
 それ以上なんだす。
 サクラナさんは独立して店を持つまで
ずーっと同じ店で働いていたんだす。
 要領がいいし、
 社交性もあるだすからな。
 だば、
 タマキさんは違うだす。
 あのとおり、
 裏表のないはっきりした性格だすから、
 腕はいいのに、
 思ったことをはっきり言ってすぐ喧嘩してしまうので
同じ店では長続きがせず、いろんな店を転々としてきたそうだすよ。
 サクラナさんの話しでは、
 実際には、
 ご両親もお兄さんも元気らしいんだすが、
 何かの理由で縁を切られてしまったそうなんだす。
 僕以上に社交性がないんだすな。
 それで、
 僕とサクラナさん、ウメナはまったくの他人なんだすが、
 タマキさんと知り合った頃には、
 今みたいに家族同然に仲良く暮らしていたもんだすから
羨ましいんだすよ。
 それに、
 タマキさん以外は皆病気持ちみたいなんだすが、
 特にサクラナさんは実際倒れているだすしな。
 ウメナはあんな感じだすから、
 僕も、
 やっぱりサクラナさんとウメナには甘くなってしまうだすからな」
 あおむがそこまで話すと、
 ユリカは、
 「正直、
 あおくんの今の話しはよくわからないな。
 そういう理由で今のサクラナさんに嫉妬するの?
 私からすると4人は家族って感じ。
 だから、
 はっきり言って羨ましいわ。
 だいぶ仲良くなれてきたけど、
 やっぱり私だけ他人って感じ。
 こういうのも嫉妬なのかな?」
と言って、
 サクラナの嫉妬の理由は理解できても、
 タマキがサクラナに嫉妬している
というあおむの意見をまったく理解できないという感じだった。
 「多分、
 今のユリカとタマキさんは同じだと思うだすよ。
 僕にはよくわかるんだすが、
 タマキさんは、
 ああいうはっきりした性格でも、
 僕とウメナには、
 それとなく遠慮してるんだすよ。
 ただ、
 タマキさんの場合はもともとはもっとはっきりした性格なんで、
 遠慮しているのが目立たないだけなんだすよ。
 多分、
 ユリカにだって嫉妬してるだすよ」
 あおむは最後の方は笑いながら話すと、
 「どうして? 私に?」
 ユリカがきょとんとした顔で訊くと、
 「それは、
 僕も、
 サクラナさんも、
 ウメナも、
 まだ、
 そんなに経ってないのに、
 ユリカのことを家族同然に思ってるだすからな。
 タマキさんも同じだすのにな」
 あおむは笑って話したが、
 「うーん。
 あおくんはあおくんね。
 まあ、
 そう思っているのが、
 あおくんの言う嫉妬の原因かもね。
 でも、
 今改めて思うけど、
 私とタマキさんは、
 あおくんからしてもやっぱり他人なのね」
と、
 ユリカは何故か笑いながら言った。
(続く)

 


馬並絶倫生俳優レイジー編「最後までいかせてもらいます!墓場に行くまで面倒みます」

2012-06-14 02:42:35 | 小説

馬並絶倫生俳優レイジー編「最後までいかせてもらいます!墓場に行くまで面倒みます」



そなこた「意味が違う?
そのためには、
種なしでは困ります。
萎え萎えでも困ります。
馬並といっても、
早い方ではありません。
さあ、
どんな俳優?
毎度のことながら、
インチキなタイトルです。
ほな」

集計期間:2012年4月19日~2012年4月20日  情報提供:goo調べ (2012年4月調査)

 

100
櫻井翔
58.8
坂口憲二
57.6
速水もこみち
35.0
小栗旬
34.7
松本潤

 

 


第3弾リメイク「最後のチャンス?」

2012-06-14 01:11:10 | 小説

第3弾リメイク「最後のチャンス?」


 「それは後で話す。
 とにかく、
 これが最後のチャンスだから、みんなうまくいくよう祈ってくれ。
 もう後がないんだ」
 くそたはそれだけを言うと、
 自分で閉めた上方の鉄の扉をじっと見ていたのだった。
 「何を祈ればいいんだ?」
 みはるが素朴な疑問をたまおだけに囁くと、
 「うまくいくようにしか思いつかないだすな」
と、
 たまおも同じ疑問があったのか、
みはるに囁き返した。
 そして、
 しばらくすると、
 かすかだが、
 爆発音がその場にいる生徒の耳に入ったのだった。
(続く)


新作ディープ(?改)「真犯人来る?」

2012-06-14 01:01:01 | 小説

新作ディープ(?改)「真犯人来る?」


 「居留守だ!」
 木太郎はノックの音を聞くと、
右手の人差し指を口の前に当ててから、
そうホウセイの耳元で囁いた。
 「もうバレてるんじゃないのか?」
 ホウセイはそう囁き返すと、
闘う覚悟を決めたのか、
震えることなくスコップを手にとると、
 ノックの音がした扉にそっと近づいていった。
 「また、はずすんじゃないのか...」
 木太郎はそんなことを言いながら、
近くにあったスコップを手にとると、
ホウセイの背後についた。
 すると、
 今度はドアノブを捻る音がし、
鍵がかかっているのを確認したのか、
また、ノックの音だけがした。
 「居留守だ!」
 木太郎は、ホウセイにもうバレている
と言われたのにもかかわらず、
ホウセイの耳元で
今度は左手の人差し指を口の前に当ててそう囁いた。
 「あのなあ。
 鍵を閉めたんだから、
ここに誰かがいるのかはバレているんだよ。
 それに、合い鍵を持って来られたらそれまでだよ。
 扉が開けられたら、闘うしかないからな」
 先程までと違い、ホウセイは開き直ったように、
木太郎に囁き返した。
 「そうだった...
 でも、とにかく、声は出すな。
 くそたのことはまだバレてないからな」
と強がりを言いつつも、
 木太郎の身体は明かに震えていた。
(続く)





第??弾「ミケーレの蒼き仮面」第五章95

2012-06-14 00:46:01 | 小説

第??弾「ミケーレの蒼き仮面」第五章95


 「自分のいた国の王だから、
 アホダーラじゃなくて、
 アホンダーラなんて言いたかったのかなあ?」
 ウトーがわざとパティをからかうように言うと、
 「違うよ。
 アニーが被っていた仮面は、
人食い村を果樹園に変えてくれたとき描かれた
という絵の中で神様が被っていた仮面
とまったく同じだったんだよ。
 それに、
 隣にいたのもウトーそっくりなチビだったんだよ。
 みんなであの絵を見ればわかるさ」
と、
 パティはウトーにからかわれたので、
ムキになって、そんなことを言ったのだった。
 「僕がチビなら、
 パティもチビだろ!」
 「二人とも、およしよ。
 そもそも、
 人食い村を果樹園に変えたっていうのも作り話なんだから。
 あらっ?
 でも、変ねえ?」
 肺女ハイジは、
 パティとウトーのやりとりからある矛盾に気づいたようだった。
 すると、
 「考えていてもしょうがないぞ。
 とにかく、
 また、
 あそこへ行こう。
 俺と同じなら、
 そこにはアホンダーラ13世の弟もまだいるはずだからな」
と、
 サギーは言って、
 以前にアホンダーラ13世の弟を飲み込んだぺーの腹の方
を見てから、
 「さあ、胸女ハルカ頼んだぞ」
と言ったのだった。
(続く)



カミサン伝説20真?ハッピー編「ケンケンが来た謎」

2012-06-14 00:30:50 | 小説

カミサン伝説20真?ハッピー編「ケンケンが来た謎」


 春男の血液検査は無事終わった。
 しかし、数日後、型が合わないことが判明した。


 春男は落ち込んでいた。
 自信があっただけに落ち込んでいた。

 他方、
 ケンタは
あのとき何故犬のケンケンがトンペイの家に
春男を連れていったのか疑問に思っていた。
 そして、
 寿司屋の休憩用の部屋で、
 手にある像をずっと磨いていた。
 そこへ、
 トンペイ夫妻がやってきたのだった。
 ケンタもハルカの母親も、
 寿司屋には春男の話は秘密にしていたので、
 口の軽いトンペイが余計なことを話すのではないか
とヒヤヒヤして、
 二人を寿司屋の居間にすぐ連れていった。
 

 「トンにい、
 おじさんにも、
 吉川さんのことは内緒なんだからね。
 それから、
 おばさんには洋子さんとの関係も」
 ケンタは、
 トンペイ夫婦が居間に腰掛けるなり、
 小声で二人に向かってそう言った。
 「わかってるすよ。
 今日は洋子がダメもとで、
 血液検査をしたい
と言ったんで連れてきたんすよ」
 「だから、吉川さんのことは秘密なんだからここに来なくても」
 「すいません。
 そうおっしゃられれば、
 そのとおりで。
 ですが、
 ハルカさんは私にとっても従兄弟なワケで少しは確率があるかと」
 「洋子さん、もっと小さな声で」
 「ああ、すいません。
 それに、
 何もできないというのは...」
 「そんな顔しないでくださいよ」
 「久しぶり! 元気?
 あれえ? 洋子さん、その顔?
 まさか」
 「トンにい、
 おしゃべりだから、
 洋子さんにハルねえの病気のこと話したんだよ。
 だから、
 お見舞いと血液検査のことで」
 ケンタはハルカの母親もうっかりしたところがあるので、
 とっさに嘘をついた。
 「あー、そうなの。
 でも、
 洋子のは白血病と言っても、
 すぐどうのこうのっていうのじゃないのよ。
 それに他人じゃ、
 ほとんど型は一致しないからいいわよ」
 ハルカの母親はいつもの明るい感じでそう話した。
 「まあ、
 気は心で血液検査くらいやらせてください。
 針を刺されて泣く歳でもありませんから」
 洋子が笑顔を造ってそう話すと、
 「ありがたい話しだけど、検査もただじゃないのよ。
無理しないでいいわよ」
 「いえ、そのくらいは。
 主人がお世話になってきたんですから」 
 洋子は春男の話を出さないで、
 血液検査だけはするとハルカの母親に話した。
 ケンタは、
 あの日、
 ケンケンがケンタや春男たち
をトンペイの家に連れていったことを再び思い出し、
 もしかしたら、
 洋子の型がハルカの型に一致するかもしれない
との淡い期待を抱いたのであった。
(続く)



続エスカレーター改「ケチガキVSサツコ」

2012-06-14 00:15:21 | 小説

続エスカレーター改「ケチガキVSサツコ」


 「小学生低学年の児童様は、
 この店には、
 保護者なしでは入れませんの。
 エリカちゃんも逃げたんだから、
 お帰りなさい。
 僕ちゃんは頭いいんでしょう」
 さすが! サツコ様!
 イヤミがきいてる!
 「頭悪いけど、
 にいちゃんがここにいるよ!」
 ケチガキ! この野郎!
 「僕は、
 この子の保護者ではありません。
 さっきもお話ししましたが、
 つきまとわれて迷惑してるんです。
 どうにかしてください」
 ここは怒らず、冷静に!
 「ほら、
 こちらのお方がこうおしゃってるの!
 僕ちゃんは
 すごーく、
 ものすごーく、
 頭がいいんでしょう。
 だから、
 帰りなさい」
 いいぞ!
 イヤミすぎるけど、いい!
 その髪型が素敵だ! サツコ様!
 「おばさーん、
 にいちゃんは頭悪いから、
 もう忘れてるだけなんだー!」
 てめえ! ケチガキ!
 俺とサツコ様をダブル攻撃か!
 「あらっ? おばさん?
 どこかしら?
 僕、誰に話しかけてるのかなあ?」
 いいぞ!
 今度はすっとぼけてかわす!
 サツコ様! がんばれ!
 「そこの、
 変な髪型のおばさんのことだよ!」
 てめえ! 指さすな!
 サツコ様に向かって!
 「あらあ? どこ? 幽霊かしら?
 まあ、いいわ。
 とにかく帰りなさい」
 幽霊か! 
 おもしれえー!
 ザマミロー!
 「おばさんって、嘘下手だねえ。
 わかってるんでしょう?
 本当は、髪型も変だって」
 ケチガキ! 何だ、その目は!
 「私、僕ちゃんみたいに頭よくないから、
まったくわからないわ。 
 だから、帰りなさい!」
 また、イヤミだ! 
 ケチガキじゃ、勝負にならないな。
 「おばさーん、
 入れ歯はうまくはまってるけど、
 そこに一本鼻毛出ているよ」
 ケチガキ!
 入れ歯! 鼻毛!
 ひかっけようたって、無駄だ! 


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