佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの暗示学97――6種体癖のショパン

2005-03-16 07:22:14 | 感受性の解説
「前後型5種」
 実は、私は「リーダーの人間鑑識学」という別のブログも書いておりまして、ここでは歴史上の人物を取り上げ、行動パターンとか、感受性の研究を紹介しています。こちらの方は、週に2回程度の頻度で書いています。

 前回までは、乃木希典の分析をしていましたが、それが一段落したので、今度はショパンと愛人のジョルジュ・サンドを取り上げようと思っています。

 ショパンは6種なのですが、そこで、今日は6種の感受性について、簡単にまとめてみようと思います。

 6種は前後型の一種です。前後型には5種と6種があります。

 5種は呼吸器が非常に強く、非常に行動的です。陽気で社交家が多い。これまでにも述べているように、アメリカというのは5種の文化なのです。アメリカ人的陽気さ、軽さ、あのノリが、5種の特徴です。

 彼らは非常に合理的で、論理を好みます。また、金勘定にうるさいのです(この言い方には多少語弊があるかもしれませんが)。経済合理性が好きであると言い換えます。

 したがって、交渉でも、情緒といった類は評価しません。話に筋が通っていて、儲かると思えるなら、どんな小さな会社でも、名も知らない相手とでも取引します。

 そういうところが、アメリカでベンチャーが成功しやすい理由の一つなのではないでしょうか。日本だったら、名も知らぬ会社が大企業に売り込みに行っても、簡単には相手にしてくれないでしょう。

 日本でもよい技術があれば、受け入れてくれるかもしれませんが、受け入れるまでの速さが違います。ですから、新製品もまずアメリカではやる。5種は新奇なものが好きだともいえます。

 5種は飛びぬけて現実主義者なのです。現実対応ができなければ、理論なんか意味がないと思っている。そこが、上下型の学者的タイプとは違うところです。5種は、理屈を通しますが、あくまで実践家です。

 ですから、好いと思ったら、人の理論でも平気で使う。自分が考えたような顔をして、やってしまう。臨機応変ですが、そういうずうずうしいところがいやだと思う人もいます。

 5種の代表は、日本では信長。信長は合理主義の権化みたいな人ですからね。家来を「機能」としか評価していない。役に立たなければ、すぐ廃棄して取替えです。

 信長は新奇なものが好きで、ヨーロッパの文化にもすばやい関心を示しています。信長の詳しい分析は、「リーダーの人間分析学」にあります。(興味のある方は、左サイドのBookmarkのリンクからアクセスしてください)

 もっとも、信長はあまり5種的陽気さ、明るさはありません。5種の傾向が強すぎると、非常に怜悧で、ぎすぎすした感じになりやすいと言われています。(信長には上下的な感受性も裏にあると言われています)


「6種の特色」
 さて、5種は非常に呼吸器が強く、積極的に行動するタイプですが、同じ前後型に属していても、6種は呼吸器が弱く、行動ができません。5種と違って社交が苦手で、一人でいるのを好みます。

 6種は非常に理想に燃えているのですが、行動が出来ないため、そのぶん言葉が熱くなります。話し出すととまらず、一人で延々としゃべっています。

 革命時には、アジテータといって、世間をあおるような人間が出ますが、たいていこの6種がそれをやるようです。

 6種は呼吸器が弱いためか、エネルギーを食事でとろうとするようです。そのため、大食家になります。しかも、一向に太りません。このタイプは、糖尿病になりやすいかもしれません。

 6種は胸をすぼめる特徴がありますが、これは胸が弱いからでしょう。色が白く、いくつになっても若々しく、貴公子という感じがする人が多いようです。

 それで、女性に人気があって、タレントにも多く見られます。俳優の田村正和氏は、たぶんこの感受性傾向が強い人ではないかと思われます。


ショパンの特徴について、少しだけ紹介します
 ショパンもこのタイプでした。ショパンの音楽は繊細で華麗です。いかにもきらびやかな6種的音楽です。その点、ベートーベンの音楽とはまるで違います。こちらは圧倒的なボリューム感があって、捻れ型の特徴がよく出ています。

 ショパンは1810年3月1日にポーランドに生まれました。彼は生まれつき敏感で感受性が強く、体つきも華奢でした。16歳の春ころから体調がおかしくなり、17歳になると肺を病み、その年の夏と翌年の夏は、音楽院を休んで転地療養しております。

 ショパンは子供のころから神童と呼ばれていましたが、妹のエミリアも戯曲や詩をポーランド語やフランス語で書いており、ショパン家の二人目の神童として知られていました。ショパンが17歳の夏に、エミリアは結核で他界していますが、エミリアの死は、ことのほかショパンを悲しませました。

 肺が弱いのはショパン家の家系のようです。というより、ポーランド人には6種が多いらしいのです。ポーランドという国は、6種文化なのかもしれません。

 ショパンは人前ではいつも陽気で、有名人のものまねをして人を笑わせていました。しかし、ショパンは本当はいつも孤独でいるたちでした。

 ショパンが信頼を寄せる人は数少なく、友人でいようとする人達も、ショパンの孤高の装いを打ち破るのは難しいと考えていました。
 
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