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「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

本日読了、「ビルマ脱出記 田村正太郎」

2007-10-16 20:42:43 | 歴史・戦争
本日読了

「ビルマ脱出記 田村正太郎」

今話題の国のひとつ、ビルマ(ミャンマー)に赴いた外交官の回顧記。

なかなか豪快な作者は、士官学校に行っていただけに普通の外交官でもなく、嵌らず将校を怒鳴り、交渉をし、ビルマから英軍の反攻から脱出。途中、朝鮮人慰安婦と一緒に逃げることにもなります。

バンコクでの女狂いはまるで今の在バンコク日本人を想像。

なかなか面白い1冊ですが、注目すべきは、満州のようにビルマでも国民を守るべき軍の司令部が真っ先に逃げ出したと言う情けない事実。

チャンドラ・ボーズについても書かれている箇所がところどころあり。

昨日読了、「ローズ マーティン・クルーズ・スミス」

2007-10-01 15:30:55 | 歴史・戦争
文庫本で600ページ弱の本は、寝る前に読むに限ります。

昨日読了

「ローズ マーティン・クルーズ・スミス 講談社文庫」

購入した記憶のないこの本。誰かにもらったのかどうか?はて???

手にとっては置いての繰り返し、意を決して読み始めるとこれがなかなかの1冊でした。途中、何となくからくりがわかってしまうものの、それがあろうとも読ませる筆力と主人公の人物像(結構、このての敗残者っぽい主人公が好きなのです)に惹かれるものを感じます。

読書をしばらく休んでいたために、今現在読書のリハビリ中。もってこいの1冊でした。

昨晩から今度は日本の小説を手にとっています。しばらく小説三昧というところでしょうね。

8月5日読了、「李香蘭 私の半生 山口淑子」

2007-08-07 01:47:51 | 歴史・戦争
週末をかけて一挙に読んでしまった1冊、

「李香蘭 私の半生 山口淑子・藤原昨弥 新潮社」

小説よりも刺激的な生涯を送った(まだ現在形ですが、たぶんそろそろ・・・・・・)女性の半生(1987年発刊)を描いた1冊。インターネットで調べてみると90年代に私の履歴書で書かれた内容が本になっているようです。購入せねば!

先の戦争と言えば、ここシンガポールも華人殺害に関しては、繰り返しTVなどで放送されていますが・・・・・・、シナの夜がこちらのスーパーで大音量で流れていたのは笑いました。渡辺はま子の声でしたが。

とにもかくにもオススメの1冊です。


余談ですが、シンガポールで近年発刊された日本占領時代を主題にした本に、李香蘭のことを日本への協力者として写真入で紹介しています。中国人と考えられているのでしょうか?

昨日読了、「甘粕大尉 角田房子」

2007-08-02 08:17:57 | 歴史・戦争
アナーキストの大杉栄殺害の張本人とされる甘粕正彦について書かれた1冊、

「甘粕大尉 角田房子 中公文庫」

果たして殺害したのは、誰なのか?色々と調べてみても、著者は結局わからずじまいということを書いています。その秘密を抱いたまま満州国設立に尽力し、そして崩壊とともに自殺した甘粕正彦。

満州国の文化的発展を望んだ彼は複雑な性格を持っていたようです。

昨日読了、「失敗の本質 戸部良一その他」

2007-07-18 23:19:06 | 歴史・戦争
昨日はもう一息で読み終えるところまできていた一冊を読了。

「失敗の本質 日本軍の組織論的研究 戸部良一、寺田義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎 ダイヤモンド社」


旧日本軍の失敗を事例としてあげて、分析、教訓を読み取ろうとする、いかにもダイヤモンド社らしい一冊です。

・ノモンハン事件
・ミッドウェー作戦
・ガダルカナル作戦
・インパール作戦
・レイテ海戦
・沖縄戦

が、事例としてあげられています。

過去の成功事例に縛られた膠着した組織の不幸が綴られています。
1章の失敗の事例研究は面白く読め、この本はその事例を読むことで終わってもいいように思えます。

2章、3章は、個人的には読む必要はなかったなと思える本です。

昨日読了、「リー・クアンユー 西洋とアジアのはざまで 岩崎育夫」

2007-06-13 08:59:00 | 歴史・戦争
シンガポールという新しい国の成り立ちを簡単におさらいできる1冊(ただし’90年代中旬まで)。

「リー・クアンユー 西洋とアジアのはざまで 岩崎育夫 岩波書店」

岩波書店の「現在アジアの肖像」というシリーズの1冊です。このシリーズは入門書の類と考えてよいかもしれません。過去に「ピブーンとプリディー タイ式立憲革命」を読了済み。

シンガポールという作られた国の成り立ちをリー・クアンユーという、その時代であったから求められた類まれな国家リーダーを中心にした1冊。

シンガポールに住んでいるとこの本に書かれている内容の部分部分が経験として感じることがあります。シンガポール人というアイディンティティの希薄さは我々日本人という深遠たる意識(こういうものは海外に出てから自覚するものなのかもしれませんが)とは異なるように思えるのです。

シンガポール入門の1冊として。

本日読了、「ヒトラーとは何か セバスチャン・ハフナー」

2007-06-10 18:00:07 | 歴史・戦争
ヒトラーについて書かれた独創的な1冊です。
裏表紙によると13歳の少女の投書により、書かれた本とのことですが、13歳の年齢で読むにはちょっと難解では?と思われる本。

「ヒトラーとは何か セバスチャン・ハフナー 草思社」

・生活
・仕事
・成功
・錯誤
・失敗
・犯罪
・裏切り

上記の各章に分かれたこの本で面白く読めたのはソビエト侵攻に失敗したヒトラーは頂点で指導的立場に立つべき民族(アーリア人 ドイツ人)として考えた民族の英雄的な消滅という考え方です。

戦後ドイツのナチスが悪という考え方は取りも直さずそれを熱狂的に支持した民がいたという事実を霞の向こうに隠してしまいそうでちょっと疑問があります。
さて、強烈な個性に引きずられた第3帝国ドイツとくらべ、反面大日本帝国の責任の所在の不確定さもどうとらえればいいのか?

日本が戦争に入っていく諸事情を念頭に置いて読むとまた違った感想が生ずるかもしれません。

一読に値する1冊です。

昨日読了、「表舞台 裏舞台 福本邦雄回顧録」

2007-06-03 10:37:47 | 歴史・戦争
昨日読了

「表舞台 裏舞台 福本邦雄回顧録 講談社」

政治の裏舞台で暗躍した福本邦雄のインタビューをまとめた一冊。
岸政権の時に産経新聞から椎名官房長官の秘書官として遣わされた本人が関わった政治の裏面を語っていますが、果たして何がどこまで本当なのか?

ただ興味深い1冊であることは間違いありません。
なるほど、宏知会には3派あるのか、宮沢は酒癖が悪いんだ、大平は戦前中国での麻薬取引に無関係ではないのだなどなど。

知人が政治家の元に出入りしていた家族の遺品を焼却処分にした中に見つかったメモの話を思い出しながら読みました。このように表に出る話は氷山の一角であって墓場まですべてを持ち去ってしまう人たちが多いのでしょう。

購入価格 18シンガポールドル(古本屋にて ’07年6月)

本日読了、「昭和天皇の思い出 真崎秀樹 談」

2007-05-31 21:55:40 | 歴史・戦争
本日読了

「側近通訳25年 昭和天皇の思い出 真崎秀樹 談 読売新聞社編 中公文庫」

昭和天皇に通訳として仕えた外交官、真崎秀樹の回想談。昭和天皇に関するよりも、父真崎甚三郎(陸軍大将)について語られた(書かれた)内容が興味深い1冊。

真崎甚三郎に関しては、よく書かれていない本が多い中で、違う一面を伝えている内容です。二二六事件と関係しているとされている真崎甚三郎に関し、違った角度から見ることのできる内容を子息である真崎秀樹が残していることに歴史の難しさを感じます。

本日読了、「ビルマ敗戦行記 荒木進」

2007-05-21 18:37:50 | 歴史・戦争
眠れぬままに読んだ本

「ビルマ敗戦行記 一兵士の回想 荒木進 岩波新書」

書かれた当時すでに30数年を経た中で記憶が不確かな中で綴られた1冊。
先月末に読んだ「二十三の戦争短編小説 古山高麗雄 文春文庫」を思い出しながら読みました。
戦地にあり、すでに負けると実感した著者が感じたことが書かれた1冊です。一兵士としては命令で動く駒にすぎず、何の為にそこにいるのかなども知らされずに動くことの不条理さ。
将校などが書いた回想録とは自然異なる視点がこの1冊にはあります。ただ、帝大を出、日立に勤めていた作者はやはり兵士としては異端の人間であったのではないでしょうか?
ただそこには会田雄次「アーロン収容所」の気負いはないようですが、果たして・・・・・・。

人はやはり生きるのではなく、生かされているということを何となく感じた読書後の私でした。

昨日読了、「生贄の島 曽野綾子」

2007-05-19 23:19:29 | 歴史・戦争
沖縄復帰35周年に読み始めた1冊を昨日読了。

「沖縄女生徒の記録 生贄の島 曽野綾子 文春文庫」

沖縄戦の悲惨さと狂気を描いた取材に基づくこの1冊は、読み手にあの戦争は何だったのかと思わせるものを持っています。民間人を多く巻き込んだ総力戦としての先の戦争とは何だったのか?

復帰前に取材された内容は戦後60年強を経た今に大切な何かを運んでくれる気がします。

書かれてある各個人については、あまりに登場人物が多いので読書にメモを取らない私にとっては混乱(誰が誰だかわからなくなる)ことも多だありましたが、それがあっても読むべき1冊と思えるオススメの1冊です。

昨日読了、「昭和史発掘 6 松本清張」

2007-05-15 10:09:41 | 歴史・戦争
昨日読み終えたのは、

「昭和史発掘 松本清張 文春文庫」

この中には、
1、京都大学の墓碑銘
2、天皇機関説
3、陸軍士官学校事件
この3つが書かれてあります。

1は京都帝国大学の滝川事件について
2は美濃部達吉の「天皇機関説」について
3は有名な辻が絡む陸軍士官学校事件(昭和9年11月)について

実は3の「陸軍士官学校事件」が読みたかった為に買った本です。3だけすでに読み終えていたのですが、ついに他の1と2も読み終えました。

いわゆる軍国主義に向かう潮流は軍人のみが作りえたのでなく、色々な思惑を持つさまざまな人たちにより蓄積され、その流れは止めようのないものとなったものと感じられます。

はたして、今の日本は大丈夫なのか?フト、考えるこの頃です。


35年前の本日は沖縄返還の日、昨日から「生贄の島 曽根綾子 文春文庫」を手の取っています。

昨日読了、「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 齊藤寅」

2007-05-12 20:51:31 | 歴史・戦争
昨日読了

「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 齊藤寅 草思社」

数日前に読んだ本、「新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街 吾妻博勝 文春文庫」と読み合わせると興味深いかもしれません。

この本自体は、読む者にページをめくらせる力を持つ反面、事件の描写などについては、なにやら筆者の品性のなさも感じ得ます。
フト、友人のジャーナリストが言った「被害者にマイクを突きつけるヤクザな商売」という言葉を思い出しました。

はたして書かれてあることは真実なのかどうか・・・・・・。

何はともあれ、事件の一刻も早い解決が望まれます。

昨日読了、「二十三の戦争短編小説 古山高麗雄」

2007-04-30 21:15:20 | 歴史・戦争
久しぶりに読書にいそしんだ数日、読み終えたのは、

「二十三の戦争短編小説 古山高麗雄 文春文庫」

いわゆる一兵卒として、東南アジア戦線に参加した作者の私小説群。
戦争とは何だったのか?個々人が考えるものであるにしても、残された小説・回顧録が果たして真実を語っているのか?何を読むにしてもちょっと待てよといった思考が必要に思われてなりません。

これからも先の戦争について書かれてあるものをひとつひとつと読んでいこうと思えた一冊です。

文庫で約600ページくらいの本ですが、3日で読み終えました。3日かかったと言うほうが正しいかも知れません。