精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

THE ハプスブルク

2010年02月05日 14時23分12秒 | イベント
 先日、京都国立博物館で開催されている「THE ハプスブルク」展を見てきた。
 明治天皇から皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈られた画帳と蒔絵棚を始め、イタリア絵画・スペイン絵画・ドイツ絵画・フランドルオランダ絵画・ハプスブルク家の肖像画と武具コレクションなど多彩なものだった。キリスト教など宗教を背景とした作品の中には、受胎告知・悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエルなど宗教的意味合いが強いものもあり、当時の政治と宗教の強いつながりが感じられた。現代社会では、政教分離という原則の中、あってはならないことだ。
 「ベルサイユのばら」で有名な「マリーアントワネット」は、フランツ1世とマリア・テレジアを両親に持つ末娘だ。母・マリア・テレジアは、いわゆる「やり手」であり、国を超えてハプスブルク家の繁栄のために「努力」した。ハプスブルク家の子どもたちの中には、生まれつき病弱で、若くして世を去った人も多い。家を守るために、近親者・血の濃い関係での婚姻を繰り返していたからだとも言われている。
 学校での歴史の授業では、政治・経済が中心となる。大きな意味の文化も習わないではないが・・・時の権力者、政治家に限らず大富豪などもだが、さまざまな物を収集していた。画家などを雇って美術品を作成させていたケースも多い。ドイツやオーストリアの音楽家にも同じようなことがいえる。
 中世社会においては、このような形態で文化が育成されていた。現在はどうだろう。一部の資産家や企業が、独自のコレクションを収集・公開しているケースもないではないが、一時流行した「メセナ」も今では低調だ。景気によって大きく左右される。でも、文化は余裕があるときのみ大切にされていいのだろうか?以前も書いたが、人間は「文化を食べる生き物」だ。その時代時代の文化があるはず。それを支えるのは、やはり公的機関である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする