7月23日の全体会、記念講演 24日分科会会場、県立大学
昨日24日は分科会の日程。
佐々木は、写真右にある県立大学が会場の「地方議会」分科会に参加した。
レポート内容は、名古屋市議会、大阪・熊取町議会そして精華町議会とも基本条例に関する内容であった。
が、基本条例を作るかどうかとか、作り方という段階での議論のみをしている事態ではないと感じている。
民主党政権や橋下大阪府知事らが、本来の地方政治のあり方・仕組みを、大きく変更させようとしているからだ。
地方政治、いわゆる自治体の政治構造は、国会と内閣のような関係とは異なる。だから、同じような議論は本来成立しないものだ。
また、民主主義というものは、ある意味めんどくさく、時間を要するものであるが、「英断即決」のような政治風潮がある。
それらに「本来の民主主義」「本来の自治体における自治のありよう」をきちんと対峙させ、今の風潮がかつての非民主的な政治体制に逆戻りする危険性を示すためには、地方議会自身が実践的に住民に示す必要がある。
全国の地方政治関係者は、仕組み作りとともに、仮にその仕組みが整備されていなくても、まず「実践」することが肝心だと思う。
昨日22日まで、7月に入ってから6つの市町村議会から視察があった。
名目は「先進地視察」なので、受けているこちらが先進地と言うことだが、実は受ける側も「勉強」になる。だから、説明要員の他に、議会運営委員会のメンバーで時間が空いている方にも参加していただいた。
もちろん、相手の議会は「視察」に来られるので、その資料を準備し説明する。
肝心は、その後である。
視察に来られた議員さんからさまざまな質問や意見が出される。
これが、私たちにとっても「勉強」になる。
自治体によって規模や環境、住民の気質などは異なるので、方法論のところではいろいろあっていい。
考え方や対応の仕方が学べるのだ。
「そんな風に受け止めるのか」「そんな考え方もあったんだ」など、新鮮な意見にも出会う。
反対に、「なぜそんな考え方をするの?」という場面もある。そのような事項は、反面教師としての役割も果たす。
言えるのは、都会=進んでいる自治体・議会。郡部=遅れている自治体・議会という構図は通用しないということである。
むしろ、一定規模で都市型の議会であることが、かえって意表を突くような議会運営にまで踏み切れないこともあるようだ。
今のところ、視察受け入れはないが、これらのことで得た情報や考え方は、今後の精華町議会の運営にも生かしていきたい。
今日も視察の受け入れでした。
午前中は、鳥取県の琴浦町議会の議会運営委員会のみなさん、午後は、近隣の宇治田原町議会議会活性化特別委員会のみなさんだ。
この間の視察を受ける際に、私なりに可能な限り事前のリサーチをしている。「決算カード」はネット上で入手できるので、全国一律の資料として分かりやすい。各年度の自治体決算状況の金額とともに、経常収支比率や産業構成、地方債残高などが載っている。
今回は、たまたま先月末に大阪に出向く機会があったので、鳥取県大阪事務所で琴浦町のパンフレットと行政広報をいただいてきた。驚いたのは、パンフレットの種類の多さである。京都、奈良など特別な観光地でなくても、1、2種類のパンフはあるものだが、琴浦町の場合はかなりの数に上る。見ていると、恐らく日本海沿いにまちが形成されていると同時に、山間部までの広い土地がある。滝もあれば大山牛乳の工場もあるとのこと。昔、あの小泉八雲が新婚旅行に訪れた土地でもある。
今回は、基本条例の視察だったので、言いそびれてしまったが、「琴浦町議会広報」に少しだけお願いがあった。
それは、「正確さより、分かりやすさ」ということ(その場で申し上げればよかったのですが・・)。
少し具体的な例をあげれば、
議案名と採決結果が掲載されている一覧表があるのだが、文字が多すぎるという点。22年度補正予算の欄では「平成22年度琴浦町●△事業特別会計補正予算」となっていた。補正予算は複数あったので「平成22年度」という部分は別の欄で共通化すればすっきりする。「琴浦町」という自治体名も、琴浦町議会で審議されているのだからなくても分かる。そうすれば、残るのは「●△特別会計」の部分だけで、分かりやすい。
条例改正議案も、(正確には忘れたが)「◇△町特別職で非常勤のものの報酬額および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」のようなものが、議会の世界では「正確な議案名」(自治体によっては、もっと長い訳の分からない条例名もある)である。しかし、これでは行政用語に慣れていない一般住民にとって、積極的に読む気にならないだろう。このような場合、不正確かもしれないが「非常勤特別職報酬条例の改正」のような書き方にして、浮いたスペースに改正内容を載せる方がいいのではないかと感じた。
口語調の本文も気になった。確かに、議場ではそのように発言していると思うのだが、「読み物」にする場合は、必ずしもイコールではない。質問者の切れも鈍く感じてしまう。「一部抜粋」は、「朝の朝食」的な言葉になるので、「抜粋」だけか「要約」「要旨」「概要」で十分だと思う。
少し脱線しすぎたが、本題の基本条例に関しては真剣に考えておられた。
議員として、議会慣例・前例を破るのは、相当のエネルギーを必要とするのは体験的に感じている。ただ、みんなが想いを共有しているなら、「前例破り」に勇気をもって挑戦することが大切である。
午後の宇治田原町議会さんは、3月定例会で特別委員会を発足されたばかりであり、お近くでもあるので、何度か意見交換・交流できれば、お互い刺激されるのではないかと感じている。
先日お知らせした、自治体学校in奈良の第14分科会「地方議会」の題材が少し分かりかけています。私の精華町議会基本条例のレポートの他、名古屋市議会、大阪・熊取町議会のレポートもあるとのことです。まだまだ、会場に余裕がありそうですので、議会基本条例を始めとする「地方議会のあり方」を知りたい方、学習したい方、一緒に考えたい方などは、ぜひご参加ください。日程は、7月24日が分科会です(23日は全体会、25日昼までも講座などがあります)。会場は奈良駅周辺です。ちなみに、第14分科会は、県立大学を予定しています。
本日午後、岡山県の奈義町議会の議員さんと事務局員全員で、精華町議会に「議会基本条例」の視察に来られた。
特に、事前にポイント質問がなかったため、概要を説明し、その後1時間半ほど質問や意見交換をさせていただいた。
いろんな議会があるが、よく事前学習をされての視察だと感心した。
さて、地方議会は文字通りそれぞれの地域の議会である。
だから、1つの議会で成功したことが、すべての議会で成功するものではない。基本理念は共有できても、個々の事例まで共有することは難しいのだ。
また、ものごとは、複数の側面があることが多い。
一面ではあまり好ましくないことでも、違う面ではまた違う顔を見せることもある。また、好ましくないことが仮に法制化されて導入しなければならないことになったとして、その好ましくない要素をいかに小さくすることができるかの工夫をすることも必要だ。
とにかく、「地域住民のための議会」であり続けるために、「前例」にとらわれず、さまざまな実践を展開する議会が増えて欲しいものである。
そして、やってみてどうだったか、他の議会にも情報発信してほしい。
なお、佐々木は23日から奈良市で開催される「自治体学校」で、2日目24日の第14分科会「地方議会」のレポート報告者となっています。
ご一緒に地方議会のことを考えたい方は、ぜひともご参加ください。
問い合わせ先は、「自治体問題研究所」です。検索すればヒットします。
本日の午前、宮崎県えびの市議会の議会運営委員会メンバーが精華町議会を訪れた。
目的は、議会基本条例などの研修のためである。
通常は、受け入れる側は「説明要員」で対応するのだが、せっかく相手さんから足を運んでいただけるので、議運メンバーも正副委員長以外に2人参加した。特に、議会運営の分野は視察に行く側も来られる側も、お互いに学びあえるので、いわば「研修費を使わない研修」とも言える。
えびの市議会のみなさんからもいろんな質問や意見が出された。
恐らくどこの議会でも活用手法に戸惑っていることとして「自由討議」があるのだろう。精華町議会でも、具体的運用は確たる経験がない。
ただ、言えることは、従来の旧態依然な議会は、ほぼ100%市町村長提案の議案をイエスかノーかという結論を示すという要するに「追認機関」であった。それを、議員間の討議を重ねることで、市町村長提案の弱点を補ったり、よりよい制度に再構築する可能性を伸ばすことになる。「イエス・ノー」にとどまらない「創造」作り上げる議会という能動的な役割を発揮することになる。
その意味で、少し気になるのは、精華町議会の中で基本条例作りに関わってこず(大半は1期目の議員だが)、基本条例の理念や考え方を理解しようとしない議員は、町長提案や他の議員の提案・発言に対しての意見・批判という範囲にとどまっている傾向がある。
それはそれとして、監視機能という大事な側面ではある。
が、そういった議員から、1日も早く「作り上げる提案」の類の発言を聞きたいものである。
昨日・今日と議会運営委員会の視察研修で、神奈川県・開成町議会と茨城県・取手市議会を訪問した。
テーマは、通年議会と議会報告会である。
通年議会とは、会期をほぼ1年間と設定する手法で、常時議会の活動ができる仕組みでもある。いくつかのハードルを越えなければならない点があるが、それをコンパクトにしてクリアしていた。
議会報告会もいくつかの開催方法がある。
議会としての活動と議員・会派としての活動のボーダーラインも判断が難しいところである。
まとまったら、再度アップします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/7d/a161fbe87f2084a2768f47579e91073f.jpg)
先日ご案内した「議会報告会」が、22日から3日間開催された。
写真は、初日の様子です。
初めてのことでもあり、議員を除いた参加者は、50数人でしたが、心配した「行政要望」的な事柄は、あまり出されず、議会に対する意見や注文が多くを占めた。
初モノは、いつでもトラブルが起こりやすいものだが、今のところ大きなトラブルは発生していない。
今後は、開催時間帯・時期やテーマなどを検討して、より住民参画が進むような環境整備が必要だ。
1つ会場から出されていたことにコメントしておく。
それは、現在審議している「議会政治倫理条例」のことである。ある参加者から「議員であっても、職員人事に意見は言えるはず」という趣旨の質問・意見があった。
今準備している「条例案」は、町長の人事権乱用、不当・違法人事にまで口出ししないということではない。議員として、採用試験に口利きするとか、答弁の気に入らない課長を降格させろとかいうことをしないという意味である。つまり、議員側からの不当な人事要求を止めようということを盛り込んでいる。なぜならば、私たち議員は、最終的な議決権という権力を持っているからである。本来、全体の奉仕者として町全体の利益になるかどうかで判断して行使する議決権を、採用人事の取り引き道具として全体の利益ではなく個人・一部の利益に使われることを防止するためである。
ご意見があれば、どんどん寄せていただきたいと思います。
いくつかの例をあげると・・・
会派の要件である。議会の規模などによって扱い方は異なるが、「政策集団」として会派がある。精華町議会では約10年前から会派運営をしている。代表質問の順番とか委員会所属の割り振りとかで会派に所属している議員が優先的に枠を確保するということはある。ただ、今精華町議会で行われているのは、会派を作るのに「差」があるということだ。それは、原則「3人以上の政策集団」を会派としているものの「例外として、政党会派は2人以上」となっているところだ。ある政党所属議員によると「政党は、確たる政治的信念があるから2人でもいい」ということだが、政党に属していない議員が信念がないわけではない。少なくとも、同じ自治体の議員で格差を作るのはおかしい。
政務調査費も同様だ。現在、会派には議員一人当たり月額5000円だ。会派に属さない議員には月額3000円ということになっている。なぜ差があるのか理解できない。この理屈だと、会派を運営するために月額2000円必要と読めるが、会派維持のための経費など存在しない。さらには、(まだ正式には可決していないが)来年度からこの政務調査費を、会派所属月額7000円、無会派月額5000円に値上げしようとしている。ここでも金額格差を残すつもりだ。
さらに、理解できないのは、時々出てくる「得票数論」だ。例をあげれば「▲▲を公約して当選した議員の得票を合計すると7割だ」といった主張である。一見、そうかなと思ってしまいそうだが、とんでもない理屈である。もし、そのような理屈が成立するなら、議会の論議など不要となり民主主義を否定することになる。議員が平等でないという理屈が根本にあるからだ。仮に、重要案件に関する公約に反対する議員が、人数では4割しかいないのに6割の得票を得ていたなら、他の6割の賛成があっても「否決」というおかしなことになってしまう。国会でも府県議会でも、採決の判断は「得票数」ではなく、「何人」である。いわば、選挙でトップで当選しようが、最下位で当選しようが、議員としての価値や権利、投票権には何ら「差」がないというのが、今日の民主主義の原則である。「得票数」で判断するということをいう場合には、現在の民主主義原則を否定し、誰が聞いても「なるほど」と思えるような新たな理論を構築する必要がある。
とにかく、議員を差別するようなおかしなルールは、近い将来見直されるべきではないかと考える。
目玉の1つとして議員の政治倫理条例作りがある。私も、そこの委員でこれまでいろんな議論を重ねてきた。ほぼ全容が見えてきたのでお知らせする。
条例がまだ議決していない段階でブログに書くのは理由がある。それは、これまでに何度も「条例作りの過程を公開して住民の意見も聞くべきだ。少なくともホームページで公開してパブリックコメントを求めたらどうか」旨求めてきたが、論議さえされず事実上無視されてきたためでもある。
さて、全国にはいろんな内容の倫理条例がある。ほぼ共通しているのは次の点だ。
「政治倫理基準」…法には違反しないが議員としてふさわしくない行為、例えば職員採用の口利き・親族企業と町との契約への関与などを禁止するものだ。
「政治倫理審査会の設置」…政治倫理基準違反や資産公開内容などを審査する機関のこと。
「住民の審査請求権」…住民が議員の違反行為を察知した場合、審査会に審査を請求できる権利。
「議員および家族の資産公開」…当選前、当選後、一定期間経過後の資産に不自然な変化がないか、町関連業者からの便宜供与はないかなどを客観的にチェックするためのもの。
「職務関連犯罪の説明責任」…贈収賄・あっせん利得罪など職務に関連した犯罪にかかわった場合、逮捕時・起訴時・一審判決時などに説明する責務を課したもの。
現在のところの条例案は、
「資産公開」「職務関連犯罪」の2つは、今回採用されない予定だ。ほとんどの会派・議員が消極的であった。このままでは、同僚議員から犯罪者が出ない限り、採用されないのではないかと危惧している。
「政治倫理基準」は、ほぼ先例に準じている。議論になったのは、親族の範囲であった。私たちは、血族・姻族とも2親等以内、要するに議員本人と配偶者からみて父母・祖父母・子・孫・兄弟姉妹の範囲を提案した。他の会派からは、「血族の2親等」「血族の1親等」はたまた「規制すべきではない」といった意見まで出された。結果として案に入る予定は「血族2親等と配偶者」まで、範囲が狭められた。
「審査会の設置」は、元々の案が議員で構成するということだったが、これでは身内のことを身内が審査することになり、訂正を求めた。現段階では、住民から4人、学識者から4人で構成するということに落ち着いている。議員が排除されたことはいいことである。
「住民の審査請求権」は、これも当初案は議員にのみ与えようというものだった。現段階では、住民にもあるということとなっている。ただ、人数要件が「有権者30人以上」とされた。先進事例からみるとハードルが高くなった。1人でも請求できるところも多い。
とにかく始めることを大切にしたいので、今のところベストとは思っていないが、現時点での議会会派間の一致できるところでスタートすることになる見込みだ。ただ、気になるのは、今回採用されなかった項目を含め、住民よりの条項を入れるのに抵抗したのは、たまたまかもしれないが、議員定数削減を主張している会派が多かった。定数を減らし、議会の透明性が低くなると・・・どんな町政が待っているのだろう?一握りの政治家が不透明な場面で住民の暮らしを左右することを決めることになるのでは・・・・それが、住民の希望なのだろうか。