これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

華麗な「オートクチュール」展

2016年03月13日 22時07分42秒 | エッセイ
 私は服が好きだ。
 中でも、ベルサイユのバラに出てくるような、キンキラ、フリフリのドレスには目がない。
 だから、三菱一号館美術館で開催中の「オートクチュール 世界に一つだけの服」は、見逃したくなかった。


 クリスチャン・ラクロワ「イヴニング・アンサンブル」
 
 オートクチュールとは、「顧客の注文に合わせてデザイナー主導で仕立てる高級服」のことである。プレタポルテ(高級既製服)全盛の時代を迎えても、シャネルやディオールはオートクチュールの伝統を守り続けているというから、見上げたものだ。
 素敵な服は数えきれないほどあったが、チラシに載っている作品で、気に入ったものを紹介したい。
 シルバーコーティングのチェーンで作られた、セクシーなミニドレス。



 ブリジット・バルドーが着用したと知り、鼻血が出そうになった。これは、マドンナに寄付して、ライブに使ってもらったほうが世のためになるような気がする。
 打って変わって、フェミニンで可愛らしいディオールのニュールック。



 これは「パルミール」というイヴニング・ドレスで、1940年代に戦争で疲弊した人々の心をつかんだそうだ。
 思わず笑ってしまったのが、「的」というタイトルのピエール・カルダンのドレス。



 アイデアとしては悪くないけれど、別にオートクチュールにしなくても……。
 この展示でも、第3章は撮影可能な作品が並んでいた。
 一番素敵だったのが、ジャン=ポール・ゴルチエのイヴニング・ドレス「青い鳥」である。



 これをまとったら、空に羽ばたいて、どこにでも行かれるような雰囲気の、夢のある衣装だ。
 ちなみに、後ろもエレガント。



 ロベール・ピゲのイヴニング・ドレス「女帝」も着てみたい逸品である。



 マリア・テレジアではなく、若かりし頃のエカテリーナ1世をイメージしたのではないだろうか。
 他にも、プレメのイヴニング・ドレスや



 ルシル・パレのイヴニング・アンサンブルなどに見とれてしまった。



 このドレスに、この手袋を合わせていたら恐ろしい……。



 黒が多かった中で目立っていたのは、スキャパレリのイヴニング・ケープである。



 太陽王と呼ばれた、ルイ14世を思い出した。
 出口に着いても、まだ夢心地で、しばらくは華麗な衣装に酔いしれていた。
 さて、服が好きだと言うと、どれだけのお金を使うの? と聞かれることが多い。
 実は、通販やらお下がりやらで服を調達するため、ほとんどお金を使わない。たとえば、今日は母から譲り受けたベストを着ていた。洗濯槽に塩素系のクリーナーを注いでいたら、「ボチャン」と服に跳ね返り、色が抜けて水玉模様ができてしまった。



 でも、慌てない慌てない。
 黒のマッキーで水玉を塗りつぶせば、あっという間に元通り。地味だなぁと、自分でも思う。
 ディオールやシャネルだって、普段はスウェットパンツで過ごしているかもと考えたら、ちょっとおかしくなった。


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コメント (6)
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