大阪府、大阪市の自治体問題であると同時に、国政に議員を抱える政党の政策、政党の価値が問われる問題となっています。自民党、民主党、維新の会自身が行ってきた、選挙で勝てる候補―――マスコミで名前を打った著名人、タレントを候補者として来た事の選挙戦術が、橋下などを政治家にしてきました。ところが、そのような結果、今回のような事態に直面をしているわけです。
選挙を経て、当選したのでその責任は選出した自治体有権者がその結果の責任を追うべき問題ではあります。しかし、その被害はそうですか、というような問題、レベルを超える規模です。選挙にかかる費用は6億円とのことです。無駄な経費を自らの感情的な思いで費やすことの正当性があるかどうか考えたらと思います。橋下のような独裁的な人物、浅はかな人物には理解できないのかもしれませんが。とにかく、このような市長を選出しないことこそが一番の策ですが。―――――大阪市民の判断です。
<社説>
橋下徹大阪市長が辞職と出直し選出馬を表明したのは、少々乱暴にすぎないか。停滞したままの大阪都構想への強い思いはよく分かる。しかし、突然の決断は果たして民意に沿うものなのか。
きっかけは、都構想の制度設計を話し合う法定協議会で、自らが提案した「区割り案の絞り込み」が見送られたことだった。橋下氏は、統一地方選が予定される来年四月の大阪都移行を目指し、その是非を問うため、今年秋に住民投票を実施するスケジュールを描いていた。
区割り案絞り込みの提案は、議論を加速させる狙いだったが、先月三十一日の法定協では、協力関係にあったはずの公明党も「さまざまな角度からの議論を奪うことになる」などとして反対し、絞り込みは見送りになった。都構想そのものが否定されたわけではない。だが、橋下氏は「スケジュールを引き延ばし、都構想のプロセスをつぶす策略」と他会派を批判し、一気に出直し市長選という賭けに出た。大阪市を解体して特別区に再編し、府との二重行政を解消させるという大阪都構想は、橋下氏が府知事時代の二〇一〇年に提唱した看板政策である。
橋下氏は翌一一年、任期途中で府知事を辞職し、都構想を争点に据えて大阪市長とのダブル選を仕掛けた。くら替え出馬した橋下氏は、松井一郎現知事とコンビを組んで圧勝した。そこで示された「民意」を背景に、橋下氏が都構想実現を急ぐ気持ちは分からぬでもない。しかし、慎重な議論を求める議会の勢力を敵に見立てて、出直し選挙で打ち負かすことが、果たして民意のよき反映になるのか。
「減税」を掲げた名古屋市の河村たかし市長も、自ら辞職して市長選、市議会解散の住民投票、愛知県知事選のトリプル投票を仕掛け、勝ったことがある。だが、出直し市議選で過半数を取ることはできず、10%を公約していた市民税減税は、議会との妥協で半分の5%になった。その結果、市政の迷走に終止符が打たれた。
日本の地方自治は首長と議会の二元代表制である。両者の緊張関係、チェック・アンド・バランスの機能が住民の総意により近いという考えだ。
大阪の出直し選は、有権者が望んで出てきた話ではない。知恵と時間を使った歩み寄りを拒否する独り相撲のような出直し選は、首長としてどうだろう。
<日刊現代:橋下大阪市長の断末魔>
付き合わされる市民はタマったもんじゃないだろう。
大阪市の橋下徹市長が3日午後、大阪府公館で会見し、公約に掲げた「大阪都構想を動かすため」として市長を辞職し、出直し選に打って出る意向を明らかにした。
1日に東京都内で開いた「大阪維新の会」の全体会議で表明した。大阪都構想は当初、来年4月の都制移行を目指していたが、制度設計を話し合う法定協議会が難航している。橋下の突然の「ブチ切れ辞職」は、この状況の打開を狙ったものだ。橋下は会合で「わがままにやらせてもらう」なんて言っていたが、自分の欲望と私的動機で政治をやっていいのか。首長が議論を経ることなく、ワガママに政治をやる――というなら「独裁者」と同じだ。
「気に入らないと『出直し選』をチラつかせるのは橋下市長の常套手段ですよ。昨年5月に自身の従軍慰安婦発言について市議会に問責決議案を提出された時も『出直し選』を言い出した。この時は、市議会第2会派の公明党が参院選への影響などを懸念したために議会側の足並みがそろわず、議案否決になりました。しかし、今度は与野党とも完全無視で、対立候補すら立てないでしょう。そうなると、橋下市長が無投票当選することになるが、議会構成は選挙前と変わりないから状況も同じ。つまり、全く選挙の意味がないのです」(大阪市政担当記者)
仮に出直し選になれば6億円もの費用がかかる上、14日開会予定の市議会定例会では、新年度事業や予算など重要議題も山積みだ。橋下が勝手にブチ切れて「出直し選だ」なんて吠えている場合じゃないのだ。
大阪市民オンブズマン「見張り番」の代表世話人を務める松浦米子氏はこう言う。
「もうムチャクチャですよ。今に始まったことではないが、すべて感情的なのです。そもそも『都構想』なんて市民にどれだけ理解されているのか。ワガママな駄々っ子に振り回される市民はいい迷惑です」
やはり何ら信念も矜持もない薄っぺらなタレント政治家だ。
大阪は、お笑い100万票といわれるように市民は変わった人物ばかり選挙で選んできた。しかし、批判精神でタレントに権力を与えるのは間違っている。怒りは安倍政権に向けるべきだ。
こんな市長は“お仲間”の安倍首相とそろって一刻も早く退陣してもらいたい。