昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

ロシア人って変ですね?

2017-04-29 16:30:04 | 日記・エッセイ・コラム

いま、北朝鮮が注目!
アメリカとのチキンゲームで、どちらが先制攻撃をするか目が離せない。
老い先短い身にとっては、東京に核ミサイルが降ってこようが、さして身の危機とは感じないが、まあ、世間一般の人々にとっては大事だろう?
ここで、朝鮮半島を巡って、アメリカ・日本、そして緩衝役の中国、さらに第三者的な立場のロシアがあるわけだが、ロシアって日清戦争の時もこんな役回りを演じていなかったっけ?
日本と清による朝鮮支配のせめぎあいの渦中で漁夫の利を狙うのがロシアの立場だ。
思えば、ロシア、ひいてはロシア人って少し変だとしきりに思うことこの頃である。
ロシアという民族は北欧人のルスが、現在のノヴゴロドの辺りに移住して、そこで独自の集団を作ったのが最初とされる。
ノルマンの英雄オレーグと言えば、半ば伝説的な人物だが、それに近い実在の人物はいたことは確かだ。
そして、ノヴゴロド公国、モスクヴァ公国などと行政・支配的には分割統治されたロシア・スラヴは文化的には東ローマ・ビザンツ帝国と深く結びつき、宗教的にもギリシャ正教を崇めることになる。
群雄割拠のロシアは、やがてイヴァン雷帝のモスクヴァ公国が力抜きんでて、統一の中心となる。
そして、ロマノフ朝の長い治世下に服することになる。その間、イェカテリーナ女帝など珍妙な人物を輩出するのだが、その辺は割愛する。
ロシアが変だと思えるのは、帝政末期、本当に退廃と倦怠の文化の中で、ロシア人は何にもやる気のない民族だと思わせるところである。
その辺はその当時のロシア文学の小説を読んでみればすぐに感じ取れる。
ゴンチャロフのオブローモフ、チェーホフの『決闘』のラエーフスキー、ゴーゴリの『鼻』や『外套』や『検察官』に出てくる有象無象。そして極めつけはドストエフスキーの『罪と罰』の究極の虚無主義者、ラスコーリニコフ。
資本主義の勃興期にあって資本の原初的蓄積をなさねばならぬ時に、こんな非生産的な連中を抱えていたロシア帝国は風前の灯火とも思える。
まさに、倦怠と怠惰と妄想の中に無為に日々を送っているような奴らばかりである。
だいたい何等官とかって、帝政ロシアは、国民総公務員の社会主義国家なのかよって思う。
そうこう考えて、ロシアはもうダメ、となる寸前に、また180度指向の異なるとんでもない連中が出てくる。
言うまでもなく、レーニン、トロツキー、スターリンのご一党様である。ここでロシアは真逆に向きを変えて唯物論の国になる。
ここでは、財の生産が最重要視される国家が生まれる。
実際、ロシアはヨーロッパの辺境の後進国であったにもかかわらず、様々な製品を生産し世に送り出した。
しかし、その最たるものは軍事装備であった。
そして、第二次大戦を迎える。
ソヴィエト・ロシアは戦時において史上最大の犠牲者を出しながらも、その主たる陸軍兵器を駆使して、ナチス・ドイツ勢力を蹴散らした。
あの、何にもしない、キャベツのスープがない、自らの等級より上の官吏には媚びへつらわなくてはならないなどとと文句を垂れていた帝政ロシア時代の公務員国家がこの大事業を成し遂げた。
これでは、ロシア国民はやる気があるんだか、ないんだか分からない。デカダンなのかストイックなのか分からない。
大戦が終わり、米ソに大国家の間の冷戦下で、圧倒的に科学水準、経済力に勝るアメリカとよく伍して、覇を競った。
しかし、無理な社会主義体制の拘束に綻びが生じ、全世界的な雪解けの一環として、デタント、そして体制崩壊へと突き進む。
そして、ソ連邦が分割され、一応、自由主義陣営の一員になったロシアは、それでも、過去のクレムリンの恐怖・秘密政治を思わせる、プーチンの強面によって牛耳られている。
誠に不思議な国、民族と言わねばならない。
オカブは大学時代、第二外国語にロシア語を取った。その当時は米ソ二大国の時代になると思っていたからである。
ロシアは今では大国というにはおこがましい、二流国の地位に甘んじているが、その保持する文化、思想、国民性など、現代社会に与える影響は大きく、決して、学生時代ロシアの言語を勉強したことを悔いていない。
というよりも、なぜ、ロシアが上述したような変梃りんな歴史をたどってきたのか、今からでも勉強したい。
今日は、連休初日。かーたんと三茶に出かけた。
いつもの『きゃんどる』でランチをした。
美味かった。Aランチ珈琲、サラダ付きで1,000円である。
ほんとに、ここはいい店です。
初夏の薫る中、日の傾いた道をたどって帰宅した。

世の波濤激しく天皇誕生日   素閑




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