8月はヴァカンスの季節だ。
日本でも学校は夏季休暇に入り、会社・官庁でもわずかながらお盆休みをくれる。
しかしフランスのヴァカンスは壮大だ。
もちろん一ヶ月ほどの休みが取れる。
フランス人はこのヴァカンスのために働くといわれている。
この季節の旅行先への移動は「グラン・デパール」と言われ、ローヌ川沿いのハイウェイなどキャンピングカーなどが疾駆する(渋滞しないところも日本とは違う)。
しかし、お金がなくてどこへも行けず、パリから離れられない人たちもいるわけで、そういう人たちを「ウーティアン」」(8月族)と呼ぶ。
見栄っ張りのフランス人は、さも旅行に出かけているかのように、窓の鎧戸をぴったりと閉めて、モグラのようにアパルトマンに閉じこもることになる。
このヴァカンス前の6月とヴァカンス後の9月がパリの社交シーズンだ。
前者ではヴァカンスの予定を話し合い、後者では結果を報告して自慢しあう。
考えてみればつくずく幸せな国民だ。
瓜漬けのしをのつよきを争ひぬ 素閑
山すそのけぶりたりけりきうり漬け 素閑
瓜漬けと白い冷や飯豆腐汁 素閑
手のかかる孫たちどもやきうり漬け 素閑
友のつま漬けたる瓜を黙し食ふ 素閑
北の空黒雲おおふきうり漬け 素閑
山しづかただ漬けし瓜はみし音 素閑
新たなる白き木の家瓜漬けぬ 素閑
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