Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.367:2010年6月の日経MJの教育業界関連マーケティング情報

2010年07月01日 | 教育関連マーケティング情報
毎月月末は「日経MJの教育業界関連マーケティング情報」をお伝えしており
ます。今回は少々記事が少ないのですがご勘弁のほど・・・

バックナンバー(下記Blogに掲載)
vol.299:4月の教育関連のマーケティング情報
vol.307:5月の教育関連マーケティング情報
vol.311:教育産業はインドを目指す?(6月~7月分)
vol.325:8月~9月の教育業界関連マーケティング情報1
vol.326:09年:8月~9月の教育業界関連マーケティング情報2
vol.342:09年:10~11月の教育業界関連マーケティング情報
vol.348:09年:12月の教育業界関連マーケティング情報
vol.351:2010年1月~2月中旬の日経MJの教育業界関連マーケティング情報
vol.355:2010 年2月~3月中旬の日経MJの教育業界関連マーケティング情報
vol.359:2010年3月~4月中旬の日経MJの教育業界関連マーケティング情報
Vol.363:2010 年4月~5月中旬の日経MJの教育業界関連マーケティング情報

■そうかフィリピンという手があったか!
ネット英会話レアジョブ、企業研修向け参入、フィリピン大生講師
2010/06/04, 日経MJ, 7ページ

【概要】
オンラインで英会話の学習サービスを手掛けるベンチャーのレアジョブ(東京・渋谷、加藤智久社長)では、フィリピンで英語講師を集め、TV電話「スカイプ」を用いた企業向け語学研修サービスを開始するそうです。一対一で講習する基本パッケージは毎日25分、月額5000円から。毎日50分のプログラムの場合は1日あたり258円からと超格安。法人需要を狙い企業に売り込んでいくそうです。

気になる講師は、フィリピン大学の学生や卒業生に限定して、サービスの質を維持するとのこと。利用者は同社のサイトの予約画面で、講師を選び希望の時間に予約をいれます。ビジネスマンが勤め先や自宅で使いやすいように、予約の変更は受講の5分前まで可能とするそうです。

フィリピンは物価や人件費が日本の10分の1程度、さらに学校などの施設も使わないため、大手英会話教室などと比べると、40分の1以下にコストを抑えられそうです。
ネット英会話レアジョブのWebサイト

【コメント】

かつて本メルマガで、イーチャイナという企業が、25分500円でネットでの中国語会話を開始した記事を取り上げたことがあります。
『中国語講座、1コインでネットで25分間(2010/02/05, 日経MJ)』

コガはその記事へのコメントとして

> 英語となるとアメリカやイギリスとの時差の関係で難しそうです。
> まあオージー訛りを我慢してオーストラリア人を講師に活用すれば
> 時差の問題は解消するかな?

と書いたのですが、フィリピンは盲点でした。しかもオーストラリアより人件費が安い!50分で258円ならば大学の語学教育にも活用できるかも?フィリピンの女子大生と会話できるとなれば、英語の苦手な本学の男子学生でも英語学習へのモチベーションが大幅にUPするかもしれません。

素晴らしい時代になってきました。

■そういえばうちの母もデジタルシニア
電通と東大、ネット使いこなす60歳以上、「デジタルシニア」研究
2010/06/11, 日経MJ, 4ページ

【概要】
電通は東京大学大学院の橋元良明教授と共同で、インターネットやデジタル機器とシニア層とのかかわりなどを研究する「DENTSUデジタルシニア・ラボ」を8日付で発足したそうです。
「デジタルシニア」とは、ネットやデジタル機器を自在に使いこなす60歳以上の活動的なシニアのことだそうで、このラボでは彼らの日常生活や情報活動の実態について研究するそうです。

シニア層の消費は厳しい景況下でも堅調に伸びているそうで、電通によると「企業のマーケティング活動でも重要なターゲットとなる」とのこと。しかも日本国内では10年後には65歳以上の高齢者が人口の約3割に達するとみられていることからもその重要性はうなづけます。

【コメント】
そういえばうちの母親(77歳)も数年前から地域の公民館でパソコンを習い始めました。最近では年賀状の作成やメールぐらいは自分でできるようになったようで、土曜日に行われる公民館のパソコン教室を毎週楽しみにしています。確かに仕事も子育ても一段落したシニア層は有望なターゲット市場となるし、その中でデジタルに関心がある老人達はお金に余裕のある層である可能性が高い。さらにiPad等の登場によりキーボードが苦手な人もこの世界に取り込めそう。そろそろeラーニングも「シニア」向けの企画を考えるべきではないかと思った次第です。

■空港の次はヨドバシカメラ
ロゼッタストーン、家電量販に販路拡大、語学ソフト、ヨドバシに売り場
2010/06/11, 日経MJ, 11ページ

【概要】
ロゼッタストーン・ジャパン(東京・渋谷、塩浜剛治社長)はパソコン用語学ソフトの販路を拡大するため家電量販店でも取り扱いを始めました。

新たにヨドバシカメラの東京、大阪の主力3店舗のソフトウエア売り場に専用の販売コーナーを開設。接客用のカウンターを設置し、対面販売できるようにしたそうです。ソフトの内容をその場で体験できるだけでなく、ヨドバシカメラの販売員を対象に研修も実施し、きめ細かい接客ができるようにしたとのことです。

【コメント】
ロゼッタストーンについては、かつて空港で無人販売を開始したという記事を本メルマガで取り上げました。
ロゼッタストーン、語学ソフト、空港・大学で無人販売(2010/01/13)

今度は有人で、しかもヨドバシカメラの旗艦店での販売です。通常こうした店頭販売の場合は、語学教材会社から店に説明員が派遣されると思うのですが、「ヨドバシカメラの販売員を対象に研修も実施し、きめ細かい接客ができるようにした」という点に本気度を感じました。

家電販売店業界もハードからソフトに事業を転換していかないと苦しい時期になってきたということなのでしょうか?いずれにせよ、教育サービスの提供チャネルはますます多様化してきているようです。

■4年生へのインターンの狙いは?
USJ、大学4年にインターン、採用と一体、幅広い人材獲得へ
2010/06/14, 日経MJ, 9ページ

【概要】
テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市)を運営するユー・エス・ジェイは大学4年生を対象にしたインターンシップ(就業体験)制度を導入、採用活動と一体で運営し、インターンに参加した学生から採用内定者を決めるそうです。ポイントは一般の企業が実施する3年の夏でなく、大学4年生向けに実施するという点です。

4年生を対象とするインターンは6月下旬に実施します。USJの現状やマーケティング活動について現場の部長クラスが説明した後、参加者は「USJ10周年の集客策」をテーマに約4時間半のディスカッションやチーム単位のプレゼンテーションに取り組むそうです。

採用活動を早期化する企業が多い中、USJは採用と一体化した4年生向けのインターンシップ制度を導入することで内定時期を後ろ倒しして、他社の内定を獲得済みの学生も対象に広く人材を獲得していく考えだそうです。

【コメント】

新聞を読んだだけなので、今ひとつ内容が不明なのですが、1日だけ集まって4時間半のディスカッションやチーム単位のプレゼンテーションに取り組むだけであれば、インターンシップというよりちょっと長めのグループディスカッション面談と言えなくもありません。

コガとしては4年生の学び(特に私立文系の場合)を真剣に再構築しないことには、大学での学力の担保や質の保証は難しいと考えています。なので、むしろ採用活動ではなく、内定が決まった後の学生を対象としたインターンシップの機会が増え、真の意味で社会に出た時に必要となる心構えのようなものを修得する場になってくれればと考えております。

■ポメラの次は自習室?
キングジム社会人向け自習室、主力の文具、法人需要低迷、新規事業開拓へ
2010/06/18, 日経MJ, 6ページ

【概要】
ファイル市場大手のキングジムは、新規事業強化の一環として7月にも東京都内で、資格試験の勉強をする社会人らを対象とした自習室の運営を始めるそうです。会員制の有料自習室は「アカデミーラウンジ」という名称で東京・池袋の駅前に1号店を出すとのこと。約50席を用意し、時間単位で貸し出す仕組みを予定。東京以外の大都市への展開も検討し、3年後には17店、年間売上高5億円を目指すとのことです。

キングジムは文具以外の事業開拓を加速するため、今年4月に新規事業部を立ち上げました。その最初の案件が自習室だそうです。同社は国内のファイル市場で6割程度のシェアを占めていますが、既存事業は今後大きな成長が見込めません。そこで特定の消費者が熱心に支持するニッチな商品・サービスを軸に、今後も新規参入分野を探る考えだそうです。

【コメント】
コガはキングジムのポメラ(http://www.kingjim.co.jp/pomera/)を愛用しています。ポメラの「電池だけでさくさく動く電子メモ帳」という割り切ったコンセプトが気に入っております。キングジムの良いところは、少数意見を尊重する風土から生まれる斬新なニッチ戦略の創造であると考えております。ちなみに勉強するカフェというコンセプトは『勉強カフェ』 が最初かと思いますが、今後同様のラーニングスポット(学びのサードプレ
イス?)が都心に増えていくのかも知れませんね。

こんなカフェを大学キャンパス内に作れないかなあ?

では1ヵ月後の「日経MJの教育業界関連マーケティング情報」をお楽しみに。

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