Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.262:『現代の学生像と大学教育』IDE現代の高等教育, No.498

2008年02月21日 | eラーニングに関係ないかもしれない1冊
『現代の学生像と大学教育』IDE現代の高等教育, No.498
(IDE大学協会 http://ide-web.net/

今回ご紹介するのは、ちょっとマニアックな雑誌です。「IDE現代の高等教育」といって、大学を中心とした高等教育研究の月刊誌 です。月刊誌ですが合併号が年2回あるので毎年10号発行されます。そんなゆっくりペースにも関わらず今月で498号ということは・・・・そう50年も続いているのです。この雑誌を発行しているIDE大学協会の設立はなんと1954年とのことです。

しかし、この雑誌は一般の書店で購入することはできません。上記IDE大学協会のWebサイトのみで購入可能です(1冊750円送料込み)。入会金10,000円を支払って協会に入会すると1年分毎月送付されてきますが、考えてみるとバラで購入した方が安いようですね(失敗した・・・)。

この雑誌で取り上げられた特集テーマの中には「キャリア開発支援と大学教育」「eラーニングの可能性」「産学交流と大学改革」等、企業や企業内教育と関連したものが多く、いつかこのコーナーで紹介しようと思っておりましたところ、今月号の「現代の学生像と大学教育」 という特集が企業の人材育成にとっても示唆に富む内容になっていたため取り上げました。

ゆとり教育、少子化等により、入学時の学力は相対的に低下傾向にあります。その一方で、大学卒業時の出口で求められる能力は最近特に注目されております。「学士力」「大学卒業試験」「PISA調査の大学生版」などの言葉をよく新聞等で見かけるように大学教育に対してより厳格な質保証を求める風潮が高まっています。

そこで、この特集では、大学の学士課程教育について入学する大学生のプロフィールや卒業時に企業が求める能力など様々な視点から語られています。下記が論文一覧です。

《今月のテーマ: 「現代の大学像と大学教育」》
若者の変化と大学教育 金子 元久
学生の視点からの学士課程教育 武内 清
現代学生のプロフィール 林 未央
企業が大卒者に期待する「意欲」と「能力」 大久保 幸夫
工学教育と学生 加藤 毅
大学教育における正課外活動 井下 理
現代の大学生の苦悩 倉光 修
欧米の大学とコンピテンス論 川嶋 太津夫
学士課程教育という発想の必要性 舘 昭
現代の学生と初年次教育 濱名 篤
学士課程教育の改革論議 鈴木 敏之

この中で筆者のお勧めは、神戸大学の川嶋先生の『 欧米の大学とコンピテンス論』です。90年代からHRMやHRDの世界で頻繁に使われるようになっているコンピテンシーという言葉ですが、正直なところ筆者の中で消化不良の言葉の一つででした。今回川嶋先生の論文を読み「なるほどこういう事だったのか」とやっと腑に落ちてきました。

特に、高等教育で育成するコンピテンスの分類方法や、欧米の国々で規定されている様々な汎用的なコンピテンシー概念を比較した表は大変分かりやすいものでした。

経済産業省の「社会人基礎力」
厚生労働省の「若年者就職基礎能力」
文部科学省の「学士力」

日本には似たような「○○力」が溢れています。まずは産学官が共同して一本化するあたりから始めるのがよろしいかと個人的には考えております。次世代DVDのようになる前に。。。。

では今回はこの辺で・・・

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Toxicity Amoxicillin lBoymn (JamLofe)
2020-02-09 12:29:38
Cialis Malaga Comprar http://buyciallisonline.com/# - cialis Drug Cephalexin cialis generic Generika Viagra Gut
返信する

コメントを投稿