いやいや、殻を脱いだんだから、次に何か言われたら闘うでぇくらい思ってたのに、お昼にはその人と笑いながら話している自分がいた。
あれ? こんなに簡単なことだったの? なんか気が抜けて、おかしかった。そのまま休憩に入ると、書きたいものがあふれてきた。台詞やシチュエーションをノートに走り書きする。
今朝のテレビの占いでは、「中途半端はダメ。やるんなら本腰入れて」ということだった。今からでは間に合わないだろうという思いと、いやいやギリギリまで頑張ってみようという思いが交錯する。
夜は、バケットを焼きながら、亀田興毅くんの試合を見る。次男同様、あっという間に倒してくれるんじゃないかという期待があった。オープニングセレモニーの間、パンはベンチタイム。ところが、なかなか勝負がつかない。
2ラウンドのあと、余熱をしに行き、3ラウンドのあと、パンに切れ目を入れ、4ラウンドのあと、霧吹きをして…と、試合も目が離せないので、キッチンとリビングをウロウロした。
そんなだから、KOしてくれた時には、立ち上がってガッツポーズ! わがやには、パンの香ばしい香りが漂っていた。
インタビューに答える興毅くん。
「俺、もっと強なるからな」のことばに、ハッとした。
今勝ったのに、もう先のことを考えてる。しかも、敵は自分と言わんばかり…。
感動した。尊敬した。すごいと思った。
自分をかえりみると、賞を取りたいとか、本が出ればとか、そんなことばかり考えていた。文章の上達ということをすっかり忘れていた。悲しいくらい自分がアホに思えた。
目標を見間違えてたから、まっすぐ進めなかったんだ。もっと上手くなるように技術とセンスを磨いていこう。そうすれば、結果はあとからついてくるはず。
大切なことを教えてくれた興毅くんに感謝感謝。番組を見終わったあと、エッセイを買おうと、強く心に誓った。長女が欲しがってた生協のサンドバックも買ってあげようと思った。
それにしても…、あのカプセルの中には何が入ってるんだろう?(笑)
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