いよいよバレンタイン当日。申請したわけじゃないけど、仕事はお休み。
どうしようかなぁと迷って、下の二人も保育所を休ませることにした。
急に週休2日から1日に変わったんで、お母さんがお休みの時はできれば休ませてあげてくださいと先生からいわれていた。
まぁ、たいした用事もないし、なんとかなるさと思っていたが、これが大間違いだった。
午前中は、子供会の勧誘ポスターを作った。
チョコレート工場のDVDを見たいという次女と闘うのに必死。
子供たちは荒れて、へやは散らかし放題。
お昼ごはんを食べたあと、チョコ作り。
3時に歯医者へ行くけど、それまでに、夫のためのケーキと、お友だちの息子さんへ、何か作ってプレゼントしたいと考えた。
サブレショコラという、チョコをはさんだクッキー。
プレゼントはこれにしようと決め、夫へのガトーショコラを作り始めた。
というと、偉そうだけど、オーブンで本格的なケーキを焼くのは初めて。
前は、炊飯器でスポンジを焼いて、失敗している。
それでも、本をひっきりなしに見て、材料を確かめながら作っていった。
メレンゲにも初挑戦。
本には、ボウルをひっくり返しても落ちないくらいしっかり泡立てると書いてある。
うそやろ…。どんなけやっても、そんなふうになれへん…。
校正ミスじゃないやろかと思いながら、必死で泡立てた。
と、それなりのものができた。生地ができあがり、サブレショコラに取りかかろうと、ページを開く。
と……、生地を作ったあと、冷蔵庫で2時間寝かせるとある。
今2時やから、間に合えへんやん!!
急きょ、予定変更で、チョコレートフィナンシェを作ることにした。
しかし、アーモンドパウダーがない。昨日、気分だけで、ビスコッティを作ったりするからだ。
しかも、粉砂糖も、子供が作るのにとっておかないといけないから、75gのところを15gしか使えなかった。
小鍋でバターをきつね色に焦がす作業をしてる時は、プロの免許とろかなぁと思うほど、自分の作業に酔いしれた。
が! いざ生地ができると、あまりにも少ない!!
マドレーヌの型でもOKとあるけど、ないんで、ココットの型にすると、12個できるはずが、4個しかできなかった。
それでも、オーブンに入れて、時間が来たので、歯医者さんへ。
歯医者でも次女は暴れる暴れる。必死で腕を抑えて、治療が終了。
お菓子お菓子と泣き叫ぶ子供たちを連れて、帰宅。
フィナンシェを味見すると…、まったく味がしなかった。まるでかんぴょうでも食べてるような味気なさ。
これでは、プレゼントなんてできない…。思わず、涙ぐみそうになった。
ソファーでぐったりする母をよそに、長女は淡淡と、キッスクッキーなるものを作り始めていた。
憎らしいくらい順調に進んでいる。母のフィナンシェ、味見する?と聞くと、鼻でふんっと笑われた。
できあがった娘のクッキーは、味見させてもらうと、ちゃんと味がした。サクッとした口当たりもなかなかだった。
透明な袋を買うのを忘れてたんで、サランラップに包んで持っていくことになってしまったのは、申しわけなかったけど。
晩ごはんは、赤だしの材料を用意してたけど、チョコレート色のものを見るのもいやで、汁ものは作らないことにした。
お箸を持とうとすると…、う、腕があがらない! 初めてやったメレンゲ作りで、右腕の筋肉がへたりきっている!
娘に「右腕と左腕の太さが違う!」と訴えると、おんなじやと返されたけど…。
誰も心配してくれないけど、ごはんは左手を作って食べた。
疲れて寝てしまいたかったけど、今日くらいは夫を待っていたい。
不器用ながらも焼けたケーキを見せると、夫は喜んでおかわりしてくれた。
が、お菓子作りで明け暮れたんで、家の中は散らかり放題。
子供たちが寝たあと、お茶碗を洗い、おもちゃを片づけ、洗濯物をたたみ終えると11時すぎ。
このまま寝るのもシャクだったんで、ネタ帳を広げ、バレンタインのネタを書きこんだ。
決して甘くない、苦いような話ばかりになってしまったけど(笑)。
お布団に入り、痛みきった腕をもみながら、ハンドミキサーを買おうと強く思った。