【創作びより】

チェックする目

いよいよパートで本番デビュー。今まではアシストだったけど、表へ出た。もちろん、そばにベテランの方がついてくださる。ひとつ終わるたび、チェックが入る。自分でも気づいたことは、ムダなことばが多いということ。「……なのですが」という端切れの悪いことばも目立つ。
文章を書く時にも感じていた。ムダなことば、まわりくどい言いまわし、ボキャブラリーの少なさ、語尾の切れの悪さ。同人誌や合評に参加すれば、ズバズバ指摘されるだろうに、ずっと逃げ続けてきた。まさか、まったく違うカタチで、気づかされることになるなんて。
神様のテストを受けてる気がした。テストを途中でやめたり、平均点以上とれないと、人生でまた同じテストを受けることになる。今まで逃げてばかりだった。今度こそ逃げないでクリアしたいと強く思う。
家に帰って晩ご飯を作っていても、ふと横にチェックする人がいるような気になった。家事にしても、子育てにしても、今まで誰にも何もいわれず、過ごしてきた。それはすごくラクなことだったけど、怖いことかもしれないなぁと思えた。
今まで、公募で落選が続いてきたのは、きっと自分の中のチェック機関があまかったんだと、遅まきながら気づいた。自分自身で、編集者さんと同じような厳しい目でチェックできて、初めてプロなのかも。
初めての経験をしたせいか、晩ご飯を作り終えた頃には、疲れきっていた。プチッと刺激があれば、わーんと泣いてしまいそうなほど、緊張も高まっていた。自分の中で抱えきれなくて、思わず長女に、
「お金をもらうっていうのは、大変なことやなあ」
ともらしてしまった。宿題をしていた長女は何もいわなかった。晩ご飯のあと、お茶碗を洗ってると、お風呂からピロピロポーンと呼び出しのベルが鳴った。手を拭いて、三女を迎えにいこうとしたら、長女がさっと立ち上がり、
「わたしが行ってくるわ。ママ、二つも仕事するの大変やろ」
とお風呂場へ走っていってくれた。ありがとうありがとうと4回も5回もいってしまった。
子どもの前で、弱いところばかり見せてられない。もっと強いお母さんになろう。

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