その日から、実家に泊まることに。
フルタイムで仕事をしていたり、障がいのある娘もいたりするので、どうなることかと思いましたが、なんとかまわりの方に助けていただき、ゆるゆる介護がスタートしました。
母から、「お父さんは、朝は卵焼きとお味噌汁、それとちょっと塩昆布とか」と聞いたので、初日にさっそく作り始めましたが、30年ぶりにキッチンに入ると、そこは未知の世界。
何がどこにあるかさっぱりわからず、だしもお砂糖も見当たらないので、卵焼きにおしょうゆとパルスイートを入れてみたところ……、
「こんな甘いもん、よぅ食べれるなぁ」と……(-_-;).
ふたことめには、
「パーキンソン病で、味がよくわからへんねん」
と言いながら、よくわかってますやん!!!(笑)
お味噌汁も首をかしげながら、飲んでおられました。
自宅では、だし入りの味噌を買っていたけど、実家の味噌はだしの入っていない味噌。
母は、ほんだしなども使わず、きちんと出汁をとっていたようで、そのことにもビックリです。
2日目は、母に教わったレシピで卵焼きを作ると、
「うん、これなら食べられる」と。
母、父を甘やかせすぎやん‼(^o^;
まぁ、離婚して5年間、家事はほとんど27歳の長女がやってくれていたので、リハビリが必要なのは私のほうで(^.^;.
そんな不器用な母を見かねたのか、こちらから頼んでいなくても、率先して動いてくれたのが22歳になる三女です。
私が泊まりに来た初日に、
「作りすぎたから」
と、お好み焼きや焼きそば、ホットケーキを寒いなか、自転車を走らせ、持ってきてくれました。
その後も、生まれて初めて作る肉豆腐、生まれて初めて作る卵焼き、生まれて初めて作る肉じゃがなど、生まれて初めてシリーズが続いております。
「!! こ、これは⁉ (✽ ゚д゚ ✽)」と、常識を覆す切り方などもありますが、孫の料理には一切、ケチをつけない父。
「どうやった?」
とたずねると、
「ふつう」
誉めもしませんが(笑)
それ以降も、長女と三女が、かいがいしく料理を持ってきてくれるので助かっています。
さらに、昔、お惣菜屋さんをされていた伯母がたくさんおかずを持ってきてくださるので、食卓がとても華やかに。
「食べることだけが楽しみやねん」と言う父。
母が入院している間、毎日、おいしい料理を食べてもらえるように、いろいろと工夫したいと思います。