【創作びより】

運命的に出会った本

その本とは、運命的な出会い方をした。本当は、違う書店で、違う本を買う予定だった。
だけど、どうしても気になって、少し遠い書店へ行こうと思い立った。スーパーで買い物をすませ、子供達を迎えに行くまで、書店にいられる時間は、わずか15分。
まず、夫に買ってくると約束した本を探した。江原啓之さんの『スピリチュアル夢百科』。こないだ、本屋で30分も立ち読みしてしまった。わたしはよく夢を見る。旅をする夢など見ることが多いけど、どうしてかなぁとずっと気になってた。その答えがあった。なるほど…。歯を抜ける夢を見て、びっくりしたこともあった。それも載っていた。やっぱり…。そうだったのか…。公募で、一次選考しか通過しない原因がチラリと見えた気がした。それを夫にトクトクと語ったら、ぜひ買ってきてほしいと言う。
書店へ飛び込んで探したが、なかなか見つからない。時間は15分しかないのに、じっくり児童書のコーナーも見たいと思ってるのに、気持ちが焦る。
スーパーの袋を持ったまま、店内の奥のコーナーへ走っていったそのとき、運命の本を見つけた。
A5サイズの小さな、雑誌というより、冊子に近いような本が、棚にポンと入れられていた。
タイトルは、『空堀から 童話を書く』。ピキューーーーン!
急いで、江原さんの本を探さないと…と思いつつ、すぐにつかんでしまった。目次を見る。
「入選する童話の書き方」「特集、学研読み特賞」「作家インタビュー風野潮さんに聞く」「ほのぼの童話賞を裸にする」「わたしはこのように童話を書く」などなど…。ダッと読むと、んもう、親切すぎるぅと思うくらい、童話の書き方が紹介されていた。インタビュー記事にも、ぐっと励まされた。もう棚に戻すことなんてできなかった。誰かに取られたら、泣いてしまう! 本をギュウッとにぎりしめたまま、江原さんの本を探した。
家に帰るのを待ちきれず、自転車にまたがり、信号待ちの間も、街灯の光の下、読んだ。
この雑誌は、何万編かの落選した作品と、たかだか何十編かの入選作品の違いはどこにあるのかを追求して、できた雑誌なんだとか。もう、公募には振りまわされないぞと思っていたものの、この2年ほど、第一次選考止まりで、そこから脱したいと思っていたので、神からのメッセージが届いたような気分だった。
求めていれば、必ず、こたえてくれる、何かが現われる…。そのことがうれしかった。
さあ、とにかく書こう。悩むのは、それからだ。

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