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さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

山吹はやってるよ

2020年04月07日 | 北海道シリーズ


路面電車を松風町で降りる。雨がひどく降っているので撮影も大変だったが、なんと
旧繁華街が広い更地に!函館駅北の繁華街も去年更地になっていた驚いたが、歴史の
ある松風町よ、お前もかっ!


山吹は電話をかけておいたので大丈夫だ。しかし向こう側にコンビニの明かりが見える
でしょ。ゴチャゴチャした繁華街の路地を入ったところにこの店があったのに、
更地が隣まで来てるんだよ! 店に入って大将に「何だコレはっ!」と言ったら、
「ポツンと一軒家だよ!」と笑っていました。ここも終わったら、俺の函館は終わり
じゃねーかー。


やってるか心配だったので電話をしておいたら、カウンターの真ん中に「予約席」と
開けておいてくれました。時間が早いので、まだひとり客。


ご夫妻はいたって元気で安心しました。久しぶりでいろんな昔話に花が咲く。
もう長いつきあい(?)ですが、1~2年おきにやってくる客だから、過去の話も
とぎれとぎれで、お互いそれをつなぎ合わせる^^;


「大間のマグロ」は有名ですが、こっちから船を出したって同じ津軽海峡のマグロ。


値段が高くなって数が少なくなってきてからはあまり注文しなくなったけれど、
いちおうここでは食おう。マグロといってもほんとピンキリですよね~。

そうこうするうちに、おっさん4人組(なかのひとりが常連)がやってきた。大将は
それぞれのお名前を聞きますが、そのたびに「大久保清です」「宮崎勤です」「松本
智津夫です」とあの世に逝かされた方々の名前で自己紹介。そのうち相手も「草刈
正雄です」とやりかえす。名前を伝え合う意味ねーだろ^^;

この大将、ウニを注文されると、持ってきたときに必ず「ウニ(海)はよォ~~~!」と
大声で歌い出します。以前にはウルトラマンタロウの歌を聞きました。ちなみに女将さんは
いたって普通です。


そのうちに20代の、イモトアヤコ似の女性が入ってきて、俺の2つ隣に座りました。
大きなイカを焼いてもらい、「おいしいおいしい」と言いながら食べていました。
その際、鼻息だか鼻歌だか微妙な音が聞こえてきます。よほど食べるのにご満足の
様子。なのでご覧のトウモロコシを焼いてもらったとき、少し多いので2つほど
お手伝いをして頂きました。シャイな方らしく、話しかけるのは遠慮しておきましたw


湯の川の「かなざわ」と、ここ松風町の「山吹」がなくなったら、もう函館に来る
意味がなくなっちまう。来々軒も棒二森屋も消えたしねェ。どこも古くていい店は、
後継ぎがいないんだよ。これは日本国中でそうです。。。


ホテルに戻って、バーに行く。もともと宿泊客も少ないから、当然誰もおらんのう。


せっかくなので、ここのオリジナルカクテルを作ってもらう。ここのバーは専属の
バーテンダーがいないようで、毎回違う人が出てくる。今回の人は一切話をしなかった
ので、飲みながら今回の旅を頭の中で振り返る。


今回は到着したその日に「緊急事態宣言」なんて出るもんだから、実に記憶に残る
変な旅だった。北海道にはインバウンド観光客が殺到するようになり、どこの観光地も
この10年で大きく様変わりした。俺が昔から知っている店などは、ちょっと時代に
乗り遅れて取り残された感さえありました。でもこんなコロナ騒ぎがあったとき、
あふれかえるほどの外国人はパッタリいなくなり、そういうブームに乗っていたところは
どこもガランとお客ゼロ状態。一方で時流に乗ることなく、「いままで通りでいいんだよ」と
それまでと同じように地元客(そして俺のような準常連)を大事にしていた店には変わらずに
人が来るし、愛されている。別に後者が良いとか正しいとか言うつもりはありません。
ただ俺はそういうところに繰り返し行きたいな、と思うわけです。


さあて、今回の旅も終わり、明日帰りますー。